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異世界営業〜大事なのは剣でも魔法でもない。営業力だ!  作者: 根立真先


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32/68

ep32 失敗と成功

 翌日もぐずついた天気だったが、午後になると晴れ間が射してきた。

 この日の訪問でも、フィードバックの内容は(おおむ)ね前日と同様のものだった。

 

「ちょっと配りすぎたかな。ご不満を頂戴しに回るのにこの数は正直しんどい......」


 ついには移動中そんな言葉まで口からついて出る。

 だがこれは仕方なかった。

 元々フィードバックをもらって改善する前提で始めたこと。

 つまり今回の無料配布は営業というよりリサーチのためのものだった。

 そしてリサーチは、ある程度の分母がないと有効性のあるデータを得られない。

 有効性のあるデータを取得できなければ、意味のない不完全なマーケティングとなってしまう。

 

「意味のある失敗にしなければならない。でないと成功に繋がる失敗にならない。そして意味のある失敗は、無意味な成功より遥かに価値がある」


 これは、まだ社会人二年目の大成が、飲み会の席で、師匠である社長から聞いた言葉だ。

 その頃......。

 営業成績が一気に伸び、過剰なぐらいの自信をつけ始めていた大成は、彼にこう質問した。


「ええー、意味があろうがなかろうが、ひたすら成功した方が良くないですかぁ?」


 上司に向かってというより、組織のボスに向かって、かなり生意気な口調だった。

 酒が入っていたとはいえ、よりにもよって社長相手にイキがっている怖いもの知らずのガキ。

 そんな目で、社長の隣にいた古参の社員は苦々しく大成を見ていた。


「てゆーか成功にこそ意味があるんじゃないですかぁ?意味のある失敗って何ですかぁ?」


 懲りずに大成はへらず口を重ねた。

 生意気の上塗りだ。

 ところが社長は、ニッと白い歯を見せて面白がる。


「それもそうかもな。けど、そのうちわかるようになるかもしれないぞ?」


 社長は愉快に笑って、それ以上は何も言わなかった。

 相手を見下した様子は一切なく、不快感もまったくない。

 むしろ、今後の大成の成長を静かに期待しているようだった......。


「......あの時の俺は、クソ生意気なガキだったよなぁ」


 昔を思い出して、大成はふっと頬を緩めた。

 すると不思議と気持ちが少し楽になる。


「まだまだここからだ。ここからフィードバックを活かして改善していくぞ!」

当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

面白かったら感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

気に入っていただけましたら今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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