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4.人間と精霊、ミクリアの期待。

ここまでオープニング。

応援よろしくです!










 ――人間とは愚かな生き物だ。

 過去の精霊たちは、そう言って彼らを理解しようともせずに交流を断った。それでも、ミクリアはどうしても納得できない。果たして本当に、人間は愚かな者ばかりなのか。

 それは単に、先代の精霊たちの勘違いではないのか。

 少女はそう考えて、一人で人々の前に姿を見せたのだ。しかし、




「み、みずぅ……!」




 王都の外れで、ミクリアは脱水症状に陥りダウンしていた。

 街行く人もみな見て見ぬ振りをしており、助けにきてくれそうな人間はいない。この時ばかりは、さすがの少女も「人間は薄情だ!」とか、考えていた。

 だが、そんな少女に声をかけてきたのが、ヘリオスだったのである。



「あの、大丈夫……?」



 そんな彼の姿は、ミクリアにとって輝いて見えた。

 それに、彼女好みのベビーフェイス。黒の髪に円らな青の瞳をした少年は、困り顔で少女を助けようと奔走してくれた。

 そんな彼の恩に報いようと、名前を聞こうとするミクリア。

 すると、少年はどこか急いだ様子で言った。




「名乗るほどの者ではないよ」――と。




 ……なにそれ、カッコいい。

 ミクリアはその瞬間、心が弱っていたこともあってか、完全に心を射抜かれた。そして数日後、街で彼を見つけ出して――。




『一つだけ願いを叶えてあげる!』




 物語は、そうやって始まったのだった。









「ふふふ、可愛い寝顔……」



 ベッドから顔を覗かせて、ミクリアは床で眠るヘリオスを見た。

 相も変わらず幼い顔立ちの少年がお気に入りらしく、少女はどこか蕩けたような表情を浮かべている。そしておもむろにベッドを抜け出すと、少年の傍へと移動した。

 彼の顔を覗き込んで、ふと考えるのだ。




「ヘリオスなら、もしかしたら……」




 もしかしたら、精霊たちの考えを変えることができるかもしれない。

 ほんの少しだけ手助けしただけなのに、素晴らしい能力を発揮してみせたヘリオス。それだけでなく、誰かを助ける心を持って行動できる、素敵な人間性もあった。

 恐怖に打ち勝つ勇気など、そう簡単に手にできるものではないのだから。




「うん、頼りにしてるよ。……キミには」




 彼の髪に軽く触れて、ミクリアは優しく微笑む。

 そして、当たり前のように『添い寝』をするのだった……。





 翌朝、目を覚ましたヘリオスが絶叫したのは、言うまでもないだろう。





 


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