1.不思議で奔放な少女、ミクリア。
フリーダム少女、登場。
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――それは、数日前の出来事。
「ふひゅぅ……み、みずぅ……」
一人の少女が、王都の外れでぶっ倒れていた。
ボクはさすがにスルーできず、苦笑いしつつ声をかけたのである。
「大丈夫……?」
「み、みずを……くださぃ……」
「水……? あー、ちょっと待っててね?」
そんなこんなで、ボクは女の子のための水を用意した。
なんてことはない。本当に、近くの川のものを持ってきただけだ。
「んぐ、んぐ……! ぷはー!!」
それを一気に飲み干すと、少女は元気を取り戻したらしい。
ボクはその様子を見て安堵し、そろそろお暇しようと思って立ち上がった。その時はたしか、とにかく日雇いでも良いから仕事を探していたのだったと思う。
そんなこんなで、少女の出で立ちや顔などを覚える心の余裕はなかった。
「あの! お兄さん、お名前は!?」
「え、あー……」
いまは一秒でも惜しい。
そう思った。だから、適当に応えたのである。
「そんな、名乗るほどの者じゃないよ」――と。
◆
「それで、キミの名前を改めて教えてもらおうか?」
「アタシの名前は、ミクリア! よろしくね!!」
「あー、うん。ボクは、ヘリオス」
「ヘリオス! 良かった、ようやく貴方の名前を聞けた!!」
「あ、あはは……」
――で、時は現在に戻って。
ボクはその時の少女と、何故か再会を果たしていた。
中央広場の噴水近くで聞こえた不思議な声。アレはいったい誰のものかと思ったが、何を隠そうこの少女――ミクリアのものだったのだ。
願いを叶えるとか、そんなおかしな内容だったけど。
とにかく、少女はボクの答えに対して元気いっぱいで『りょーかいっ!』と応えた。なにがどう了解なのか分からないが、ひとまず自己紹介をしている最中である。
「それで、さっきのはいったい何の謎かけなの?」
ボクは最低限の挨拶を終えたと見て、さっそく本題に入った。
こちらの質問に、ミクリアの円らな青の瞳が揺れる。幼い子供ながらに整った顔立ちをした少女は、水色の髪をくりくりと弄りながら小さく笑って答えた。
「謎かけでも、何でもないよ! アレはアタシからの天恵だから!」
「はい……?」
意味が分からず、ボクは首を傾げる。
いま彼女は『天恵』と言った。それって、天からの恵みのことだろうか。
ボロボロの布切れのような服を着ている少女が、なぜそのような言葉を口にしたのだろう。そう考えていると、ミクリアは意気揚々と立ち上がってボクに告げた。
「ヘリオス! 百聞は一見に如かず、だよ! ――こっち、ついてきて!!」
「え、ちょっと待って!?」
そして半ば強引に、ボクの手を引いてとある場所へと向かう。
そこ、というのは――。
◆
「えええええええええええええええええええええええええ!?」
――強力な魔物の跋扈するダンジョンだった。
ボクは途中まで目隠しをされ、いまになって気付いたのである。
「さぁ、説明するより早いだろうから! くるよ!」
「くるって、なにが――」
――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「…………はい?」
絶句した。
何故なら目の前に現れたのは、あまりに巨大なドラゴンだったのだから……。
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