↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/26

2

「あっぶっっ」

転移して崖端だった件に関して、思わず声が出る。

天使様に対して失礼かもしれないが、しゃあないしゃあない。と私は自分を正当化させる。


「ごめんなさいっ。 到着地点の座標計算間違ってました」

焦って謝る天使様。しゃあないしゃあない、もう少しで死にそうではあったが、天使様の可愛さになんでも許しちゃう。

「ほんとはもう少し右側だったんです」

……右って崖から落ちてるが?開幕そうそう出落ちで即死?

実は天使様って性格悪かったの?そんなの可愛さで許される範囲超えてるよ?

「違いますっ。私から見て右ってことで。もうちょっとこっちら辺です」

そう言って天使様は私の3歩ほど左を指さす。

ほぼ今と変わらんがな。



「とりあえずソリーガに入る前に、基礎情報の説明をと思いまして」

気を取り直して、コホンと乾咳をした天使様は話を進めた。

「まずはステータスと念じてください」との天使様のお言葉に従う。

すると目線の先にいわゆるステータスバーなるものが表示された。


名前:アズサ

年齢:25歳

種族:人間

称号:異世界人

ジョブ:召喚士 Lv.1

HP:158/158

MP:800/800

スキル:召喚魔法、治癒魔法

加護:女神の加護、天使の加護

所持:動物図鑑、鉱物図鑑、植物図鑑、昆虫図鑑、鳥図鑑、魚図鑑、恐竜図鑑、薬図鑑、食べ物図鑑、乗り物図鑑、サバイバル大全集


「まずはスキルの召喚魔法を試してみましょう。 召喚士は手持ちの召喚本を活用して召喚を行います。 アズサ様には女神様より、よりすぐりの召喚本が贈られています。どれでも1つ念じてみてください」

その言葉に、なんとなく「お腹すいたなぁ」と食べ物図鑑に意識が行った。

天使様に言われるがままに心の中で唱えると、手元に見知らぬ図鑑が現れた。

私はその図鑑を無意識にパラリとめくった。

開かれたページには食パンやメロンパン、ロールパン、デニッシュ、アンパン、ハンバーガーバンズなどいろんな種類のパンのイラストが描かれている。


よく見るとそのパンの名前の横にMP1の記載があった。

「例えば、このメロンパンを召喚する場合、MPが1必要になります。 召喚方法はその部分を意識して出したい場所を指定します。例えば、食べ物であれば手の上にあるのを想像して見てください」

メロンパンを召喚ってパワーワードすぎん? てか、このページからメロンパンを選ぶ天使様って可愛いな。


私は、天使様の言う想像を意識して、図鑑から手のひらへ視線を移した。

瞬時に、シュッとメロンパンが手の上に現れた。

「まじか、メロンパンだ」

「成功ですね。これによりMPが1つ減ります。このMP残量を意識しながら召喚する必要があります。召喚する対象によってMPも変わりますので注意してください」


「他の本も同じように使用します。アズサ様の持っている本は元いた世界の本ですので、こちらの世界にないものも多くあります。活用する場所は考えてからのほうがよろしいかと思います。 もちろんこちらの世界の召喚カードを手に入れることで、こちらの世界のものも召喚できるようになります」

天使様いわく、こちらの世界の召喚士は基本的に召喚獣とよばれるモンスターの召喚を行うらしく、私の行う食べ物などの召喚はないらしい。

そうだよね。私も食べ物の召喚とか初めて聞いたよ。

しかも、こんなに沢山は誰も持っていないと……。

過剰所持で捕まらない?大丈夫?恐竜図鑑とかあるけど。



低級であれば冒険者ギルドで、希少性のあるものは専門のショップに召喚本ではなく、カードのようにして販売されているらしい。

そのカードをカードホルダーのついた本に1枚1枚保管していき、自分だけの召喚本を作っていくそうだ。



「次は治癒魔法を試してみましょう。治癒魔法は女神の加護により付属しています。治癒魔法はスキルボードが開きますので、念じて見てください」

その言葉通り治癒魔法と念じると治癒魔法のスキルボードが表示された。


HP回復:15

MP回復:15

傷(小):10

傷(中):10

病気(風邪):20

病気(疫病):50


「MP回復がありますので、MPがなくなる前に使ってみてください。MPが全回復しますので実質無限に魔法を使うことができます。横の数値が使用MPですね」

天使様には失礼かもしれないが、手にあるメロンパンが気になってしまったので、メロンパンを頬張りながら説明を聞く。

私知ってる、これチートってやつですね。ありがとうございます。


「……アズサ様?メロンパンは美味しいですか?」

「……はい、美味しいです」

「それは良かったです。説明は以上ですが、ご質問はありますか?」

あらかた喋る終えた天使様に見つめられて気まずいが、私はなんとかメロンパンを食べ終える。

たいへん美味でございます。

ついでにもう一つメロンパンを召喚して、天使様に渡した。

天使様は大変素晴らしい笑顔で受けとり、メロンパンを頬張った。



「それでは、ソリーガへと行きましょう」

メロンパンを食べ終えた天使様は回れ右をして、崖と反対側にある高くそびえ立つ壁沿いに歩き出す。

しばらく壁沿いに歩くと、地上から伸びる光の柱が見え、辺りに人だかりができて賑わっていた。

光の柱から門までの道に5、6人ほどの列ができている。



「列に並ぶと、ソリーガへ入る事ができます。身分証が求められますが、私の持つ天界カードでアズサ様が異世界の民だと説明します。そのあとは係の人に従ってください。そこで私は天界に戻りますが、アズサ様のサポート係でもありますので、困ったことがあればいつでもご連絡下さい」

そんな説明を受け、天使様と列に並ぶこと15分。

順番がきて、傭兵の前へと立つ。



「ソリーガへようこそ。身分証をお願いします」

「私は天界の使者です。異世界の民をお連れしました」

天使様が天界カードなる、ゴテゴテに輝くカードを傭兵に見せると、傭兵は「なんとっ」と吃驚する。

「身分証作成の担当を呼びますので、少々お待ちください」

慌てながらも傭兵は後ろの長机においてある、一つの角笛をブオーと吹いた。

てか呼び出し角笛なの?


「それではアズサ様、私はこれで天界に戻ります。異世界ライフを楽しんでください」

「ありがとうございます!」

にっこり微笑む天使様。可愛さの宝石箱や。

微笑みながら手を振る天使様は、空へと舞い上がり、姿が見えなくなった。



さて、傭兵に言われ、門の横でしばらく待つと、町の方から、トテトテと男性が小走りにやってきた。

「ようこそソリーガへ。事務担当のヘンリーです。役場へご案内いたしますので、どうぞこちらへ」

ヘンリーと名乗る男性に連れられて、私はソリーガの町へと足を踏み入れたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。