夏
殺してもらうはずだった
ぎこちない笑顔で
僕にさよならをくれる筈だった
愛を無碍にしてしまったからなのか
夕焼けだけを欲しがったからなのか
君は買い物用のトートバッグを片手に
笑顔で街中へ消えてしまった
戸惑いながら探す男の役も貰えずに
額縁に掴みかかって涙を流している
未来を生きたいのだ
明日を
明日を手に入れるために
今日の僕を殺して
奴を喰えば
明日に向かうはずなんだ
太陽に溺れる
熱の向こう側に
君がいることも知ってるんだ
そのシルクもパプリカも慈愛も
全て明日の俺のためにある
寄越せ
隠すな
俺のものだ
頼む
明日の
俺のために死んでくれ