表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
視えるカレと陰陽師なカノジョ  作者: Wana-wana
学部三回生秋~
6/97

部室設備格差はどうしても生まれてしまう

実際に入学する前は、大学生といえばサークルというイメージが強かったのだけど、実際には部活動もしっかり存在する。

他の大学では違うのかもしれないけど、うちの大学では文化系と体育会系では管轄が異なり、その為か割りとバチバチにやりあっている、らしい。俺みたいな一般部員にはその険悪さは漏れ聞こえてくるだけだから、その実感は薄いんだけど。なお、険悪であるということを示す例としては、体育会の幹事長(体育会系の一番偉い人)が文科系連合の会長(こちらは文科系のトップ)に飲み会で潰された、幹事長が会長に壁ドンされていた、とかそんな感じだ。普通に仲良しだろ。


話がそれすぎた。


で、実際のところ部活とサークルの違いは何かと言われると、部室があるかないかという点は外せない。

大学構内で、研究室とか食堂とか以外に、自由に過ごせるスペースがあるということは、かなりメリットが多いのだ。部室に、どっかから拾ってきたテレビを置いている部活や、ゲームを持ち込んで大会をしてる部活、果ては部室に泊まるなんてことをするやつもいるみたいだ。

つまるところ、大学の部室とは夢やロマンが詰まった秘密基地みたいなものなのだ。知らんけど。


夕日が絶妙な角度で俺の顔を照らしてくる。

近頃は、太陽が沈むのが一時期に比べて早くなってきているので、四限目終わりの今は夕焼けがきれいだったりする。もっとも今の気持ちとしては、眩しいってのが一番なんだけど。

今日は部活がある日なので、俺はそれなりに人通りが多いキャンパス内をだらだらと歩いて部室へと向かっていた。


「おっす」

「あっす」

「斬新な挨拶だな」


偶然、というかまあ行き先が同じだからなんだけど、同じ部活に所属する奴と一緒になった。


「ありがとうございますで、あっす」

「なんで挨拶しただけで、礼を言われるんだよ」


そんなもん、ノリに決まってるじゃないか。


「そういや、お前レイン見たか?」

「え、なんかきてた?」

「おう。グループにメッセージ入ってたぞ」


まじか。

こいつがこのタイミングでレインの確認の有無を聞いてくるということは、部活の連絡なのだろう。

俺はあわてて、メッセージアプリを起動して、最新の通知を確認する。

あ、きてるわ。それも、結構いっぱい。

タップして、内容を確認する。

えー、なになに。

『部室に入れない。総員至急来られたし』


「…………は?」

「訳分からねえよな。鍵忘れたんなら、そう書けば良いだろうし」


同じ部活の男こと、前田も困惑している。


「行けば、分かるかな?」

「そう信じるしかないだろ」


ちょっとばかり、移動速度を早めることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ