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視えるカレと陰陽師なカノジョ  作者: Wana-wana
学部三回生秋~
26/97

気を付けよう、祝日の休日ダイヤ

本日の目的地は、電車を乗り継いで一時間ほどを要する。まあまあ遠いのだ。違う府だからしょうがないけども。

で、当たり前なのだけど佐伯とは同じ目的地に向かうので、結局現地集合にしても電車の時間は一緒になる。なら、最寄駅から待ち合わせしようということになったのだ。


「ちょい、早く着きすぎたな……」


日頃から無駄に早く家を出発して、結局予定時間の十分前二十分前になってしまうのが常だ。

どうするかな。

頭に手を当てようとして、今日はワックスでセットされていたことを思い出す。しょうがないから、その手で首筋を掻いた。

コンビニ行くかあ。飲み物くらい買っておきたいし。


コンビニの中はやはり温かい。今日は太陽も出ているので、比較的暖かいと思っていたのだけど、それでも人間の叡知には勝てないようだ。

うーん、お茶も良いけど午後ティーにしとくかな。せっかくだし、あったかいやつにするか。

あったかい飲み物が並べられている温蔵庫(?)の前に立っているお姉さんに、すみません、と言ってどいてもらお、


「あ」

「わ」

「新年明けましておめでとうございます」

「ご丁寧にどうも。明けましておめでとうございます」


待ち人だった。コンビニ内で新年の挨拶するのって、どうなんだ。



「そういえば、頭どうした?」

「ひどくない?」


切符を購入して、乗車。終点というか始点の駅なので、座席には困らなかった。拳ひとつ開けて、横並びに座る。

こっから三十分程地下鉄に揺られて、乗り換えすることになる。昼過ぎには、向こうに到着する予定だ。


「妹にやられたんだよ」


ある程度は予測していたけど、やっぱり佐伯は俺の装いを言及してきた。まあね、日頃こんなことしてないもんね。


「なるほど、妹さんか。だから、今日は寝癖がない……違うな、寝癖を上手く誤魔化すようにセットされた、というところか」


寸分違わず当てられてるんだけど、なんでわかったの?


「そういうそっちこそ」


今日の佐伯は、これからがっつり歩くことになるからか、パンツスタイル。髪は緩く巻かれていて、大学では目にすることのないアクセサリーも耳に揺れている。

かわいい。本人には伝えないけど。

そういえば、だいぶ髪の毛伸びたよなあこの娘。


「うん、似合ってる」

「…………臆面もなくそういうことを言うな、お前は」


あれ、なんか俺呆れられてないですか?

顔が、うわあって言ってるんですが佐伯さん。俺、なんか間違えました?

そのため息はどういう意味なんですか。

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