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花シリーズ

いずれがあやめ、かきつばた。

作者: 東京 澪音
掲載日:2018/06/05

梅雨の中休み。

太陽の照り返しを浴びながら、国道73号線を東に歩く。


時に立ち止まっては、晴れ渡る空に右手を翳しながら見上げる。


吹き抜ける潮風を身体に受けて、匂いで夏の訪れを知る。


部屋で燻ってるのが嫌で、あてもないまま飛び出してはみたものの、闇雲に道を歩いては目的地を決めかねていた。


"菖蒲・紫陽花まつり"


小田原城址公園では、今それらが満開らしい。人の波に背中を押されて、流されるままにそこへ吸い込まれていく。


お掘りに架かる馬出門土橋を進み、二の丸観光協会案内所を左に見ながら、住吉橋を渡り銅門をくぐると、咲き誇る様に色とりどりの紫陽花が出迎えてくれる。


珍しくもそれを何となく愛でながら先に進むと、少し離れた湿地帯に花菖蒲が見えてくる。


近ずくにつれてそれは紫陽花とはまた違った趣のある色の花が所狭しと花を咲かす。


花に心奪われるなんて、僕には一生無縁の事だと思っていた。


紫色の花菖蒲にギリギリまで近づき、膝をおり目線を同じ高さにもっていく。


何故こんなにも心惹かれるのだろうか?


それはまるで今抱えている恋の様で。

僕にはその例えが一番しっくりくる。


実は最近、同時に二人の女性を好きになってしまった僕がいる。


優柔不断な僕らしいと言えば僕らしい。

どちらかを諦めようと思ってはみたものの、

答えを出せない僕がいる。


面白いよね?

だって別に二人の女性から同時に告白された訳でも何でもないんだよ。

例え一人を諦めようと、どちらかと必ずお付き合い出来る訳でもない。


二兎追うものは一兎をも得ず。

なーんて言ったら聞こえはいいが、実際はただの小心者。


ただ単に自分の中の良心が、不誠実な自分を律しようとしているんだと思う。


でもさ、そんな僕にだって多少なりとも言い分はあるんだ。だって二人は双子なんだから。


一卵性双生児って言うのかな?

正直見分けがつかない。それに二人とも性格は温厚で、笑顔がとても素敵な優しい女性。


最初に好きになったのは姉の方で。そこに後からひょっこり妹さんが現れたから実は少しパニック。


最終的に本当に最初好きになったのが姉の方なのか?本当は妹の方だったんじゃないのか?

などなど色々考える様になり、気がつくと両方とも好きになっちゃってる自分がいた。


もう笑うしかない。


でもね、もっと沢山二人と接して、もっと沢山二人と話をすれば、自分が本当に好きな女性はどっちなのか?答えが出せると思うんだ。


それはとても卑怯で後ろめたい行動かもしれないけど、思わせぶりな態度だけは答えが出るその時まで控えて、出来るだけ同じ様に二人に接してみたいと思います。


いずれがあやめ、かきつばた。


菖蒲の花を愛でながら、そんな事を考えた梅雨の中休みでした。

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