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妹×異世界×幼馴染×後輩  作者: 山田健一
4/10

そのよん

前回までのあらすじ


女の子の生着替えを見ることが叶わなくて泣いたあの日。

「お、お前は……!」

 突如目の前に現れた謎の美少女の正体とは!?

「私の名前はサクラ=アルカディア」

「うん。普通に知らない名前だ」

「今回は仕方なく助けてやったが、次こんなことがあっても助けないからな。これからは自分の身は自分で守れ。ではな」

 血を塗りつぶしたような純粋な赤色を、これまた純粋で漆黒なマントで隠している。そんな格好だった。

 基本的には超絶かっこいいのだが、なぜか片方だけ靴下をはいていないので、クソダサかった。

 そんな彼女は常人の四倍は大きく後方へ跳躍した後、踵を返して帰っていこうとした。

「じゃーねー」

「……ああ、ひとつ忘れていた」

 少女はまたこちらへ常人の四倍の跳躍をして帰ってきた。

「どうしたん?」

「『幸福が押し詰められた花』というものを知っているか?」

「何それ?」

「わからないから聞いている」

「悪いけど他を当たってくれない?」

「……ち。まあ仕方ない。いいか、次は無いからな。後は勝手に生き延びるなり死ぬなりしてくれ。それじゃあ」

 また彼女は常人の四倍の距離をひとっとびで跳躍して去ろうとした。

「あーーーすみませーーーーん!!」

 俺は呼び掛けてみる。

 彼女はこちらへ常人の四倍の大きさの跳躍をして帰ってきてくれた。

「……何だ。まだ何か用か」

「こんな砂漠じゃどこに何があるのか分かんないからさ。何か少しでもいいから情報募集中! てなわけで協力よろ☆」

「……そんな態度で私が協力してやるとでも思ってんのか」

 彼女の所持する武器は、バトントワリングのバトンのような大きさの棒に、様々な近未来的装飾が施されているような代物だった。それを疾風が巻き起こるほどの超スピードで、俺の鼻の先一ミリのところまで突き出してきた。

「……このように広大で、道しるべの一つも、舗装された道の一本も見つけることが叶わないような砂漠地帯に一人残された(わたくし)には、この地獄を越えることができる度胸も剛毅さも持ち合わせておりませんので、藁にも縋る思いで少しでも多くの方から情報を収集している次第でございます。お手数おかけしてまことに申し訳ないのですが、もしあなた様が、こんな(わたくし)めのために何かご慈悲をお与えくださるのであれば、これ以上の幸福は無いということを申し上げたいと思います」

「分かったから分かったから。落ち着け。これ以上キモい喋り方するな」

「ふふふふ。俺は生き残るためだったらどんな屈辱的なことでもしてみせようぞ」

「急にさっきまでの口調に戻るな。頭が混乱する……」

「で、なんかない? 近くにオアシスがあるとか、パワーアップの泉があるとか。まあ、元の世界に戻れる場所があればそれが一番だけどな。ああ、欲を言えば一緒にぱんつが置いてある場所が良いな。あ、俺は例えば純白にこだわるとか、そんなことはないから大丈夫。そこんとこは気にしなくていいんで。で、なんかない?」

「……まあ、二度と会うこともないだろうし、一応すべての質問に対して答えてやろう」

「やったぜ」

「まず一つ目。オアシスなんてものはここにはない」

「なんと!」

「そもそもこの世界にはこのように砂漠しか存在しない。何処まで行っても存在するのは雲のように細かい粒子のみで構成された冷たい砂漠だけだ」

「冷たいって……今昼だからめっちゃ熱いんですが」

「ちょっとした比喩だ、馬鹿……。それで、二つ目の質問だが、この世界にはパワーアップの泉も無ければパワーアップの洞窟もないし、パワーアップのアイテムなんてものもない」

「まじかよ! それはあると思ったのに!」

「さっきこの世界には砂しかないと教えたばっかりなんだが……。それで、三つ目の質問だが、元に戻れる場所も当然ながらない」

「えーそれもないんかい」

「だからこの世界には砂漠しかないと何度も……。お花畑はお前の脳内にしか存在しないぞ」

 八方ふさがり決定~。おめでと~~どんどんどんパフパフパフ。

「そして、四つ目の質問は……」

「四つ目の質問は……?」

 少女は暗闇のマントを翻して、常人の四倍の大きさの跳躍の後……全力で逃げ出した。

「逃げるんかい!」

「答えてやる価値が微塵も見当たらんわあああああ!! ぼけええええええ!!」

「ひでえ! さっき全部の質問に答えてやろうって言ったのは何処の誰ですか!?」

 俺も全力で追いかけることにした。

 彼女の方が何倍も速そうだと思い込んでいたが、不思議と追いつける!

「てめえなあ! くだらない質問するくらいだったらさっさと帰れ!」

「帰る場所なんてねえよバーカバーカ!」

「バカはてめえの方だろうが! ったくてめえは昔からいつもいつも下らない……」

「……昔から?」

 俺がそうつぶやきを漏らすと、そのつぶやきは彼女の動きを縛り付けた。

「どういうことだ? サクラ=……えーと、なんとかさん」

「……お前に教える義務はない」

 そう言うと彼女は一つだけ肩をすくめてから、呪縛を振りほどき、今度こそ走り去った。

 一瞬で最高速度に達して、あっという間に俺の視界から消えた。

 俺はふとポッケを探ってみた。



 そこには、前世に存在したはずの妹の、靴下の片方が入っていた。

主人公はぱんつに執着しすぎでは……?

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