マラゲの女 (ラ・マラゲーニャ)
台風は寒気を呼び込んだ
峻烈なる風をもって空を吹き払い
日増しに淀む空気を見事に甦らせて去った
しかしその裏で、多くの災厄をもたらした
天なる災いの前に、吾のなんと無力なことよ
災厄にみまわれた者の無念を表す言葉を知らない
マラゲの娘よ
マラゲの娘よと手をさしのべるように
言葉よ、言の葉よと私は願う
パズルを埋める言の葉よ、わが肩にふれよと願う
遠くから眺めるだけのマラゲの娘
その頬に触れさせよ
麗しき薫りを嗅がせよ
麗しき言葉をもたらせ、柔らかき言葉もて、吾とあそべ
吾をいたぶれ、なじるがいい
汗を撒き散らし、泡を吹きもしように
言の葉は遠く眺めるばかり
ああ、マラゲの言の葉よ
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前回の東京オリンピックは、快晴の下で開会式を迎えました。
先の台風18号が去った、翌々日の空のようでした。
清々しい空のように無垢な心でいたい。
でも、雑念が空を覆い、言葉探しに苦労します。
憧れの少女に激しい恋情を訴えるように、言葉さがしは報われぬ願いなのでしょうか。
『ラ・マラゲーニャ』(マラゲの女)
アイ・ジョージの歌をお勧めします。