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詩のサークル

マラゲの女 (ラ・マラゲーニャ)

作者: 齋藤 一明


台風は寒気を呼び込んだ

峻烈なる風をもって空を吹き払い

日増しに淀む空気を見事に甦らせて去った

しかしその裏で、多くの災厄をもたらした



天なる災いの前に、吾のなんと無力なことよ

災厄にみまわれた者の無念を表す言葉を知らない


マラゲの娘よ

マラゲの娘よと手をさしのべるように


言葉よ、言の葉よと私は願う


パズルを埋める言の葉よ、わが肩にふれよと願う



遠くから眺めるだけのマラゲの娘

その頬に触れさせよ

麗しき薫りを嗅がせよ


麗しき言葉をもたらせ、柔らかき言葉もて、吾とあそべ

吾をいたぶれ、なじるがいい


汗を撒き散らし、泡を吹きもしように

言の葉は遠く眺めるばかり


ああ、マラゲの言の葉よ



ーーーーーーーーーーーーーーー

前回の東京オリンピックは、快晴の下で開会式を迎えました。

先の台風18号が去った、翌々日の空のようでした。


清々しい空のように無垢な心でいたい。

でも、雑念が空を覆い、言葉探しに苦労します。

憧れの少女に激しい恋情を訴えるように、言葉さがしは報われぬ願いなのでしょうか。


『ラ・マラゲーニャ』(マラゲの女)

アイ・ジョージの歌をお勧めします。



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― 新着の感想 ―
[一言]  『マラゲの女』という言葉はよくわからなったのですが、逆にわからない事で、私小説のような個人的な感情がそこに籠っているように感じました。  片思い、または羨望、マラゲの女。 安易に近づけば壊…
[良い点] 欠落は失った己の半身。不完全な半球である魂をわれわれは抱える。惹き合う断面の寒さよ。 [一言] 今回のテーマ、齋藤さんにぴったりだったようです。 雑念ではなくて、渦巻く思いでは? そのまま…
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