寂しさの裏返し
6月第一週月曜日。
放課後、例の如く、僕らは詩音ちゃんと会長の方向性を決める話を不謹慎ながら傍聴しようとやって来た。
「それで姉さん詩音に話したい事は何でしたっけ?」
「お前を苦しませていた金銭的な問題は解決したんだろう?それならどうだ私と一緒に暮らさないか?私としてはやはり詩音が居なければ無理にも程がある」
「シスコンですか?たかがそんな理由で詩音を求めないで下さいよ、そもそも詩音は家出した身ですし姉さんと一緒に暮らさなきゃならない理由など詩音にはありませんからね」
「シスコンはお前もだろう、そう言葉では強がっている、が、お前もお前でどうせ頼れる人間が居なくて寂しい思いをしたろう?」
「まさか?詩音を求めるどこかの姉が居ないお陰でゆったりのんびり暮らせてましたし別に孤独なんて感じてませんから大丈夫です姉さんとまた暮らす事なんてしなくても詩音的には一緒に暮らさない方向で考えてるんですよ?」
「単純に私はお前に私の気持ちをぶつけるが私はまた詩音と一緒に暮らしたい姉の唯一の我が儘だと思って受け流してくれても構わないのだがそれだけは受け取って欲しい」
「詩音自身何か姉さんと暮らす得でも有りますか?得なんてそんなもの有りませんよね?それでいて引き戻そうとしてるとは大笑いです、取り敢えずこれが詩音の考えなんですがどうですか?姉さん」
「そうだな、詩音の考えも分からない訳では無いのだが私も私で詩音の事を心配していたしな再度問うぞ?本当に私と暮らす気は無いのか?」
真咲の詩音に対する強い圧力に対して詩音は言葉を考えられずにいた
「(姉さんは詩音の事をそれなりに考えていたみたいですけれどもそれなら何でアイドルなんてしてるんですか!?詩音には分かりかねないです)」
「姉さんは何故アイドルをしているんですか?生徒会をやっててアイドルもしているだなんてまず体が持たないでしょう?そこまでしてする理由とは何なんですか」
「単純に詩音の事を考えた結果だ、金が無いなら稼げば良い。そう言う考えに辿り着いてな詩音とまた暮らせたら詩音の好きな事をさせてやったりしようと考えて稼いだ金だ」
「自分の体力的な問題や疲れる事など考えての事ですか?」
「詩音第一で考えていたからな実際それ以外の事は考えていなかった」
「ほんっとう…シスコンの馬鹿野郎、ですね姉さんは詩音の事より自分の事に優先したらどうですか?詩音なんて勝手に家出したんですよ?それで安否を心配してた?馬鹿にも程があります、詩音は放っておいてくれれば良かったんですよ…」
真咲は無言で詩音を引き寄せて抱き締めた
「んんん!何ですか急に!」
「不甲斐ない姉で申し訳無かった、そう思っているのだ私も詩音さえ良ければまた一緒に二人で暮らさないか?頼む詩音…」
「流石にこんなに言われたら詩音の心は折れるに決まってますよ…本当は詩音も寂しかったんですよ?姉さんが詩音の事を嫌いになったのかって、それでも購買にほぼ毎日来ては説得ですよ?もう詩音は我慢の限界に達しましたから姉さんが詩音をうざがる程姉さんに甘えますからね!」
「詩音!うぅ…すまなかったな…」
「詩音ちゃんと会長和解できたみたいだし良かったね」
「ぶっちゃけあたしは詩音と会長にあたしたちと同じ境遇だと思って肩入れしてたのよ?それにしても良かったわ…睦実あんたのお陰でもあるわありがと…」
「あらぁ?輝夜ちゃんもしかしてぇ私に礼を言った?お姉ちゃん嬉しい!」
「はぁ…ダメだこいつ何とかしないと」
「ほら、二人とも帰りますよ」
そろそろ葉月、桃花編に戻る予定です多分




