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白の新風  作者: Tyina-Y
第1章
3/3

第2話 事業拡大と瞬間的判断

今回の投稿が著しく遅れてしまいすいませんでした。次回からはこのようなことがないように努めます。また、公開時期については、2,3週間につき1話と考えています。

※誤字のご指摘により、訂正致しました。誤:ルーテ日用品店→正:ルーテ雑貨店

 こうして始まったルーテ雑貨店であったが、3ヶ月で380,000(38万)ゼル...つまり箸と独楽では利益が余り出ない。


「どうしよう...これだと、店の手伝いを全員でした方が効率いい事になってしまうわ」

「そうですね。とりあえず品数を増やしてみませんか?」

「私は良いけどね〜。」

「なぁ...具体的にどんなものを増やすんだ?」

「ドルト君...それを今から決めるのよ?」

「わ、悪いな」



 加えて、原材料が木のみである事も、その原因となっていた。また、その木材でさえ、これ以上は難しいものとなっている。

 そこで、考えたのが...木以外に草と革、簡易な金属加工なのだが、それを行う為には、搬入に資金がかかる。


 つまり、失敗が許されない加工作業となる。ネサリットを除く私たちには、厳しいものとなる事になるので...

 結局は、木材を使った商品の品数を増やしていく事にした。

 コースター、小道具箱、アクセサリー(キーホルダー)、玩具は、馬車や積み木、ボールを増やした。


 加えて行い始めた事...それは、友達に親へ自分達の存在を教えてもらう事、「ルーテ」の名前で清掃活動や教会の手伝いなどのボランティア活動を始めたことである。


 しかし...問題はこれでは終わらなかった。

 広報活動を開始、販売品目の拡大は成功し、予定通りに売上を伸ばす事が出来た...

 問題はそこではなく、人手不足。


 私たち6人では、需要量を賄えなくなってきていたのだ。

 加えて、事業の案や計画を練る時に生産活動が止まってしまう。

 雇用をし始める以外に選択肢は無く...結果として雇用開始を決断した。

 理由としては、私たちの世界中を旅する為にでもあるが、旅の最中は常に資金が必要なので、店舗数拡大を視野に入れたいからである。


 問題の給料なのだが、ほかの店舗を見に行った結果は、3時間(鐘が鳴る間隔)を1単位として給料を支払っているらしい。そして1単位当たりの給料の相場は、約2,400ゼルとなっていた。よって私たちルーテにおいても相場に則って2,400/3時間とすることにした。


「でも、雇うといっても学生が立ち上げた企業に来てくれるかしら?」

「そうですね、私たちの名前が売れてきているので、きっと来てくれると思いますよ」


 そうして募集をかけたのだが、願望がそんな簡単に叶うわけもなく人はなかなか来てくれなかった。


 あれ、これどこかで体験したような~。 あ、あれ?あの時は人伝えではなくて、紙に書いて募集していたわよね...

「みんな、班員募集の時って募集掲示板に私たちの紙を貼っていたのよね?」

「ん? そうだよ、あれ、指揮の人は貼らなければならなかったんだ」

「今回もどこかに貼ろうってことか! ティサ、ナイスだ」


 そこでどこに貼ろうか問題となり、検討し始めたが店先につける以外の案が浮かばずに今日の話し合いは、終わってしまった。

 翌日...改めてこの話題について話し合った所、ハルギィス君とアルート君の家の店先にも貼ってくれることになった。

「これで来てくれるわね!」

「そうですね、私もこれで来てくれると思います」


 こうして人伝えだけでなく、店先に募集の掲示を始めてから数日がたったある日...

「すいません、ルーテ雑貨店のお手伝いってまだ空いていますか?」

「はい、僕はアルートといいます。今回はお手伝いに来てくれてありがとうございます!! お名前をよろしいですか?」

「ルノス・サヌリアスです」

「わかりました。これからお願いします」


 なんと、学生が起業した販売店にお手伝いが来てくれたのである。

 すごい、すごいわ。段々と自分たちが考えていた事が具体化されてきてる!面白くなってきたわ...

 ティサは興奮してしまい、その晩にまったく寝付けなかった。

「私、興奮しすぎて寝れない程子供だったっけ...?」

 この時には眠すぎて、学生がまだ子供だということに気が付くことは結局なかった。


 こうして実際に雇用が始まってから、お客様の需要に供給量が追い付いてきた。しかし、それもまた一時的なひと時であった。販売の売り上げが飛躍的に伸びていく中で、知名度もまた飛躍的に上がっていた。そのせいもあり、お手伝いは1人では足りなくなり、再度お手伝いを募集することにした。

 この時、あることを考え始めていた...それは、生産、販売、運営の担当を決めて、自分の担当分野において仕事をこなしていく方針へしていこうということである。

 ティサもこのことには賛成であり、実際そのようにしたいと考えていた。


 その具体的な案を考えているときに

「あの、販売員は私たちの中からは1名か2名と後はお手伝いでまかなうのはどうでしょうか?」

「いい案だと思いますよ。私は賛成です」


 生産が間に合っていない私たちにとっては、この方がありがたい。だからティサも異論はないのだが、1つだけ不安を上げるとすれば、売り上げがお手伝いの給料よりも下回った時のことである。しかし、この調子でいけば大丈夫と自分に言い聞かせた。

 そうして決まったのは、意外なものだった。なんと運営担当は判断力から私となり、広報担当は、ハルギィス君になり生産担当は、当たり前だがネサリットが開発、製造担当と力仕事が多いためにドルト君は搬入担当そして、販売担当は宿の経験を買われてアルート君、営業担当は、料理店での経験を買われたシィルーネになったのである。

 そう、アルート君は今まで指揮として活動していたのに、運営ではなく販売の担当になったのである。経験があるためになったと言われれば筋は通っているが、やはりティサにとっては不思議でならなかった。


 こうして、それぞれの担当のみを負担できるようにお手伝いを雇っていった。こうして私たちの雇用については拡大していった。


 しばらくして、前回は諦めていた商品の拡大についても検討を開始したのだがやはり難問であった。新しい部門を開拓するなら問題はないが、私たちが事業を展開しているのは既に市場がある日用品、玩具のみである。つまり競争相手がたくさんいた。その中でティサは運営を任されているのでさらにそれが追い討ちをかけている。しかし、1度引き受けた以上は自分に出せるものはすべて出し切る所存、と考えていた。


 しかし前にも検討の課題に挙がっていた木材以外の商品を増やすことをしないという選択肢はないので、草と革、簡易な金属加工...そう、とりあえずはやってみる!これが今できることであった。

「私が、しっかりと作ればいいんだよね~」

「そうだよ、期待してるからね!」

「はーい、任しといて。頑張るわ」


 こうしてネサリットにお願いした後、販売担当の2人からの会計を確認のみとなる生活が続いていた。

 そこでティサにとって、駆け抜けているような最近の日々について考えることにした...


 児童養成学校も残り1年を切り、日常の1つ1つが最後となっている。そんな中、私たちは冒険に出ると目標を立て、今は起業までして冒険の資金を調達して...冒険できることが現実的なものとなってきている今、私はどのような1年を過ごしたいのかな?

 駆け抜けているだけに当たり前にあるように思える日常に目を向けてなさ過ぎたかなとも感じていた。冒険に出たら、崩れてしまうことは明らかなのに気付かなかったなと久しぶりに考えたことによって気付いた点であった。

 今は、事業拡大をしている最中だけれど、落ち着いたら今の日常だからこそできることをやっていきたいと考えていた。たとえば、両親と遊んだり、グループ外の友達と遊んでみたり...あれ?遊んでばかりのような。でも、日常を楽しむという目的には準じているかな?


 そんなことを考えつつ、月末の会計を確認しているとあることに気が付いた。それは、売上が徐々に減ってきていることだった。新しく開拓した販売分野に対して、既存の分野は売上を落としている...まぁ、既存といっても数か月なんだけどね。

 しかし気が付いた以上は、検討しなければならないかなと思ったので、とりあえずハルギィス君に相談してみた。

「ハルギィス君、既存の商品売上が下がっているのだけれど、なぜかしら?」

「え、最近は売上を順調に伸ばしているのではなかったのですか?」

「いえ、これを見て。日用品と玩具類は売上が下がっているの」


 こうして発覚した問題だが、なかなか理由は見つからなかった。ほかの店の価格調査も行い、問題はなかった。また、ボランティア活動やを通しての広報活動も順調だった。

 結局...完全に手図まりとなり、結局いつも困ったときの救世主。もちろんディセイフ担当である。


「すいません、ディセイフ担当~、また相談したいのですが...。」

「おお、ティサか!またってことは、販売店のことか?」

「はい、実は...」


 こうして相談したところ、ディセイフ担当でも確定的な原因はわからないらしい。しかし、担当が思いつく限りでは、日用品や玩具は非消耗品であるから売れる量が減っているのではないか、ということだった。原因は分かったにしても対策できないことでティサは少し凹んでしまったが、取り敢えず頑張ってみようと気持ちを切り替えた。そして、法的なもの以外はこうしたどれが真実かわからないものが多いということを教えてもらった。


 こうして段々と軌道に乗ってきた販売業だが、またしても問題が発生した。それは次第に限界が見えてきた点である。製造に関して自分の自宅ではこれ以上、生産量が拡大できない。これがネサリットから言われたことである。確かにそれは納得なのだが、不動産は支出が大きく、失敗した場合は赤字を被ることになる。しかし、挑戦しないと事業拡大はこれで終わりとなってしまうので結局踏み切るしかなかった。


 現在の純資産...といっても負債を負っていないので資産といっても過言ではないのだが。は、事業拡大を始めた時より2ヵ月で大きく増えて1,352,000(135.2万)ゼル。実に約3倍になっているのである。3ヵ月で約40万が2ヵ月で約90万という2倍の稼ぎに。しかし私たちが冒険をする資金はこれでも足りない...まぁ、それで不動産を買うことになっているのよね。問題はその不動産の値段で、安いものでも2,000,000(2百万)ゼル。しかも一括払いのみときた...これがティサの悩みの種で、お金を増やしたいのに増えたと思ったら減ってしまう、でもこのままだと事業拡大はもうできないというジレンマになっていた。まぁ、不動産を購入することを決定した以上はこのまま進むしかもうなかった。そして資金がそろったらすぐに買うのはさすがに危ないため、不動産の購入は3ヶ月後に行うこととした。


 3ヶ月後...私たちは安くて、適度に広場に近い3階建ての無骨な石造りでなんか森の中の廃墟みたいな物件を見つけることができたのだが...

「うわぁ~、これは流石に汚いと思いますね」

「ホントそうよね、私みたいな乙女には耐えられないわ!」

「汚いとは私も思うけど、ネサリットが乙女だとは思わないわ」

「ふ、建物よりびっくりしたよな」

「あんたら...ひどくない?」

「これでしたら、掃除すれば使えそうですね」


 なんとも普段の私たちらしい会話で楽しかったのだが、この後の掃除はとんでもなかった...私はあんなの思い出したくもないわ、いえ、もう一生思い出したくない、と思ったティサである。ちなみに建物は廃墟の文字が消え、無骨な石造りと...なんというか、努力の賜物以外は説明できない出来栄えだった。

 そんなわけで純資産は430,000(43万)ゼル、なんとも寂しくなったが、生産量、販売量は反比例していることには違いなかった。また、建物内で何度も話題に上がっていた販売品種の拡大も合わせて行われた。そのため、ネサリットが燃えに燃えまくっていた。まぁ、流石としかいえない元気な人である。

 ドルトも負けずと、できるだけ安く安定的に仕入れるために頑張っていた。しかもサンプルなどは自分で持ち帰ってくるという、なぜ運んでもらわないのか不思議でならない程、肉体的な活動をしていた。他のメンツは作業量の多さに目を回しながらも踏ん張っていた。


 こうして、私たちのスビルアノでの事業拡大は成功した。そして、みんなで考えていたのは、残り少ない学生生活を楽しんでいこうと感じていた。しかしながら、やはり忙しくて...そんな中でも、思い出作りは絶対にやりたいとみんなの意見はまとまっていた。

 この時、私たちの両親が旅を許しているかどうかを思い出す者は誰もいなかった。


 ★★★


 ☆現在の販売品目と値段について

 ◎ルーテ雑貨店

 〇木工

 ・箸 400ゼル/1膳

 ・独楽 800ゼル/1ヶ

 ・コースター 300ゼル/1ヶ

 ・小道具箱 1,000ゼル/1ヶ

 ・アクセサリー(木工) 500ゼル/1ヶ

 〇玩具類

 ・馬車 2,500ゼル/1ヶ

 ・積み木 300ゼル/1ヶ

 ・ボール 100ゼル/1ヶ

 〇草

 ・草履 1800ゼル/1足

 〇革

 ・財布 2,000ゼル/1ヶ

 ・鞄 4,000ゼル/1ヶ

 ・ベルト 800ゼル/1ヶ

 〇金属

 ・キーホルダー(金属) 600ゼル/1ヶ

はい、まだ旅いかないのかってなりますよね...わかります!てか、私が早く書きたいだけってのもありますw

それと、ギャグ無いのかって?さっさと旅に行かせたいんや...それとボキャ貧。はい、頑張ります。


ご意見、ご感想、アドバイスがございましたらお願いします!!


広報として、twitterで@Tyina_Yにて、活動しています。ここでは、投稿時や長期にわたる配信停止などを呟いています。是非登録お願いします!

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