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異世界は焼肉のあとで

作者: さい

 お約束かつ趣味全開のキーワードで気楽に書いてみました。



 今日こそはガッツリ旨い肉焼いて食べてやるっ。


「生ビールをグラスで! 上カルビ上ロースタンミノ大根キムチ、あ、特選レバーもお願いしまーすひとまずそんだけ」

 焼肉屋でテンションも高らかに注文した私、その行為自体は決して悪ではないと思う訳です。

 例えそれが周囲のマナザシ痛い、おひとり様焼肉でも……コレ本人は肉を焼くのに忙しいから、心情は見かけほど悲惨じゃないんですよ本当に。

 私こと楯岡まどか(たておかまどか)が、独身二十八歳女性でも、本当に。

 だいたい金曜夜の残業帰り、わが身にご褒美を与えるのはこれ当然の成り行きではないですか。怒涛の一週間を乗り切って土日休みをもぎ取った自分、偉いっ! (お若い方々、いい大人は自分で自分を褒めてやる必要があるのです。何故であれば他に誰も褒めてくれないからね)

 最近碌なものを食べていないカッサカサの精神とお肌に必要なのは、ジュウジュウと炎を上げて焼ける肉ですとも。眼鏡に脂が飛んでも気にしない。

「追加でビールもう一杯! あと、にんにくホイル焼きもねっ」

 とっくの昔に成人済みですから、アルコール摂取は合法、徒歩三分の自宅へ帰るのに飲酒運転などとたわけた真似をするはずもございません。

「……では金額確認の上、こちらにサインをお願いいたします」

「ごちそうさま~~」

 お腹一杯大満足、お支払いはクレジット一括引き落とし、高級店とはいえひとりで八千八百五十一円は頑張り過ぎたかしら。サインさらさらーっと。

 パンツスーツにたっぷり備長炭の煙を吸わせ、ミントガムを貰って意気揚々と店の自動ドアを潜ったところで。

 

 ――私は異世界に飛んだ(仮)。

 

 ***

 

 焼肉屋から足を踏み出した途端、周囲の音が、気温が、明るさがガラリと切り替わった。

 街灯に弾かれる車のタイヤの音が、突然、囁きの反響する暗がりに取って代わる。私は状況に付いてゆけず、きょとんとその場に突っ立っていた。

「へっ?」

 感覚は言うなればアレ。子供の頃、急性虫垂炎で全身麻酔の手術を受けた時に似ている。

 頼りない手術着で、アアこれから手術だ麻酔するんだ~~と思った次の瞬間、全てが終了してお腹に縫い糸つきでベッドで寝ていた感じ。まるで時間が切り取られて消えたような。神様に騙されたみたいな、脳味噌がついていけない展開。

「え、ぎゃっ、ちょっ……ムグッムゴゴ!」

 その一瞬の隙に、私はフード頭の不気味な連中に周囲を囲まれ、壁まで無理矢理引っ張られて、ガチャンと鎖で両腕を拘束された。

 恐怖に真っ青になって必死に抵抗しても時すでに遅し、あっさり口に何かの葉っぱを貼り付けられて、相手を蹴飛ばそうとした際にバックストラップのヒールも脱げてしまう。右手のミントガムも、肩がけのバッグも床の向こうに飛んで、闇の向こうへフード頭達がそくささと消えてゆくのを唖然と見守るしかなかった。この観察を余裕というなかれ。私の思考の九十八%はパニック、残り二%くらいでこの独白をお届けしております。

 …………。

 ………………。

 なんですかこの状況。ストッキング一枚の踵に、床の冷たさが染みわたる。

 どうやら繋がれた壁は若干カーブを描いていて、壁というよりとんでもなく巨大な柱のようだ。

 それから左右に首を捻ると見えるシルエット、啜り泣きやがちゃがちゃ暴れる気配からして、どうも繋がれているのは私ひとりじゃないっぽい?

 つるつるに磨かれた床や背中の柱は、大理石みたいな建材で出来ている。

 天井は闇に消えるほど高い。だから鎖の音が妙に反響するんですね、なるほど。

 背を柱に預け、腕を上に鎖へと繋がれた私。なんだかこれって絵画の『繋がれたアンドロメダ』みたいな? ……いやいや私はあんな桃尻ぴちぴちのお姫様じゃないですね、はい。しかし古代神殿っぽいものと柱と鎖かつ繋がれて置き去りときたら、現実主義者でいい大人の私も、なんだか不吉な連想しか沸いてこない。例えば、生贄とか生贄とか。

 ところで、ここはどこ。焼肉屋の外? もう一度聞きますが、なんですかこの状況。しかも眼鏡がずり落ちて、かゆいのにかけません。

「ぬが~~っ、ふんぬ~~!」

 私はとりあえず疑問は置いて、不吉な前フリとしか思えないシチュエイションから逃れるべく、必死になって鎖と格闘しましたとも。

 世間の風は冷たいのです。ただ泣いて助けを待っても自分にヒロイン役は割り当てられない現実を、デキる女はすでに直視しておりますとも! 手首の皮を擦りむきながら、左右背後からも繋がれ仲間の努力の気配を感じてしばらく。

 コト、リ。

 微かな物音に、はっと息を呑む音がして、闇が急に静まり返った。

 

 ぎゃっ。で、で、で、出たーッ!!!

 

 丁度私の左手奥から、何かが足音もなくやってきて……一度だけ、ずれた石床が小さく音をたてた。

 必死にガン見すると、おぼろにあらわれた白い影の位置はもの凄く高かった。で……でかい。牛よりでかい。馬よりでかい。象よりは、小さいかもしれない。それでもとにかく、私の頭より高い場所に、四足歩行のそいつの頭があるのは間違いない。闇に目がルビーのように光る。滑らかな動きはなんとなくネコ科っぽく、白銀の毛並みに黒いぶちが……詳しくないけど豹とかチータとかそんな雰囲気でしょうか。

 明らかに、肉・食・生・物かと思われますっ。

 左側のヒトが、必死で暴れて鎖が擦れている。そりゃそうだよ。私だって暴れますよ。『森で熊に出会った際、死んだフリをすれば助かるというのは嘘である』という聞きかじりの知識が、頭を駆け巡る。思い出したくもないけれど、あの俗信が何故間違っているのかというと、雑食あるいは肉食動物の場合、獲物が生きていようが死んでいようが内臓から食っちゃうんですって! 

 その大型ネコ科っぽい生物は優美に身体の向きを変えて、柱の周りを巡ることにしたらしい。

 左目の端、そいつの尻尾が消えてゆくのを見送りながら、ガタガタ震える。今度は身体の右半分に緊張が走るけれど、右と見せかけてやっぱり左から来るのがホラーと笑いのセオリー……笑えません! と思ったら、普通に右にそいつの白い毛並みが現れた。早い。背後の柱は大きそうなのに、めっちゃ早い。

「……ふぉーっ!」

 ノォオオォオオーッ! あっちいけー! 丁度私の目の前で、そいつはぴたりと動きを止め、鼻先を宙でなぞった。そして間近で見れば琥珀色の瞳を細め、まさに私へと向き直る。

 ふんふんふん。

 その大型ネコ科っぽい生物の顔が近づき、湿った鼻面が、硬く眼を瞑った私の首筋近くに寄った。目を閉じて必死に身体を縮める……でかっ。鼻面でかっ。髭がちくちく顔を刺して、なんだか匂いを嗅がれているらしい気配。なにこの生き物ほんとでかい。大自然の驚異? 薄く開いた口から暖かい吐息が漏れるたびに私の眼鏡が曇る。というか涙で前が見えません。誰か助けて。こうなってはもう、仕事での経験なんて何の役にも立たない。

 ごめんなさい、土下座して謝りますごめんなさい。

 妙齢のオナゴらしからぬにんにく臭でスイマセン、焼肉のタレ風味ですいません、煙と脂の匂い満載でスイマセン。だからお願い、嗅ぐのヤメテ。これは後付の匂いなんです、天然モノじゃないんです、私美味シクナイヨ。先日風邪引いたから抗生物質飲みまくりだよ、食べたらお腹壊すよ、あっちいってー! 

 フンフンフンフン。

 押し当てられていた鼻面がふっと遠ざかり影が顔から離れても、安心はできない。もしかしてこれからガブリでしょうか。口元をかいでいた鼻面が、少しずつ下がる。触れるか触れないかの距離で、首筋を通り、胸元、腹と辿ってゆく。目をぎゅっと閉じて喰らいつかれる覚悟をする……ブスッ。

「!?!? ふひょっ……」

 やってきた予想外の衝撃に、私はびっくうと身体を振るわせた。

 猫科にしてはちょっと長い鼻面が、パンスーツの、ま、ま、股下に突っ込まれた。いや実家の飼い犬コペはやりますけど、恐らく猫科生物はそんな事しないんじゃないんですかっ(イメージ)。

 クンクン、ふすっ、くいくい。

 ちょっとぉおおお。イヤンな感じの、とんでもないところに熱い息が染みる。こ、こ、こ、こそばゆい! でも壁と鼻面に挟まれて逃げられない。寒気だかなんだか不明な原因で身悶え、鎖の下で肩をくねらせる。

 んやっ、と思わず声を出すと股下の鼻面が離れた、と同時に突然、耳元で吐息混じりのハスキーヴォイスが届いた。腰砕けになりそうな甘い重低音。

 

「オーア、ファナンギヤ……(ああ、いい匂いです)」

 

 まさに一秒前まで大型ネコ科っぽい生物がいた付近から、言葉が聞こえて、私は目を白黒させた。

 あれ、なんだか急にずいぶんお顔の気配が小さくなったような。それでも私より大きいけど。鎖に縛られたままの身体に長い腕が巻きついて、すりすりと髪に頬を寄せられる……あれれ?

「(ン、なんて堪らない香りでしょうか。僕はもう……ハァ……)」

 嗅がれても、焼肉の匂いですけどね! ? 魅惑のハスキーボイスが、なんか知らない言語でウニャウニャ言っている。

「(ああ、マスター。貴女が僕のマスターです。もう決めましたから)」

 そしてなぜかその言葉が、私の頭の中でつるつると同時通訳されている。

 それが聞き覚えのない言語であることはたしかで、だというのに意味がわかるのだ。同時通訳というには音声はだぶってきこえないが、現象としては、私が英語の理解できるレベルの文章を読む際に、すぐ脳内で日本語として解されるのに似ている。大変不思議ですねっ。しかしそれより先に、アンタ誰ですか。なんか人間ぽいけど。さっきまで同じ場所には、全然違う姿の生物がいたような?

「(マスター、貴女のお顔をよく見せてくださいね)」

 目の前の誰かから顎に手をかけられた直後、後ろの柱の頭上にぽっと火が点った。ちょっと、今、誰がスイッチいれたんですか怖っ。

 怯えながら目線を上げると、目前にはネコ科巨大生物の代わりに、どんなイリュージョンだまごうかたなきヒトが立っていた。長身の割にちょっと童顔、女神様の如き美貌だけれども、硬い細身の身体からして恐らく男性。多分、私より年下だろうか。浅黒い肌のちょっと見慣れない顔立ちは完璧に整って、銀の前髪との色彩的な対比も素晴らしい。美形に毛穴などないッ。美形はトイレになどいかないッ……そんな感じに想像していただければ幸いです。

 その美人さんは百八十センチは確実の長身をかがめて、すりすりと私の頭にいとしげに頬ずりをする。目元を桃色に染めてウットリ微笑む表情は、やけに艶っぽかった。

「(マスター、好き……)」

 えーとマスターって私? 自動翻訳サン、この訳あってんの?

 すりすり。なでなで。ちょっと備長炭臭がつきますよアナタ! 

「(ずっと、ずっと、僕をこんなに切なくなるまで放っておくなんて、酷いひとだ。でも大好きです、マスター)」

 うちゅうちゅ、すりすり。髪に唇を寄せて頬を撫でて、腰を抱き寄せてお尻をさわっと……コラコラコラ、なにやってるんですかこの人。痴漢! なんか痴漢に見えない痴漢がいます、ナチュラルスケベ怖い! 

 美形でなければオゾマシイ犯罪だ、いや顔は関係ないな、美形でも犯罪デス。唸り声を上げて抗議すると、口に張られた葉っぱに気付いてひっ剥がしてくれたは良いものの、

「ぶぱっ、ちょっと、ううっ……」

 美しすぎる痴漢の君は首を振る私に構わず、ちゅ、ちゅっとやけに恥ずかしい音をたてて、髪に頬に口付けてくる。

 これは恥ずかしい、二十八歳独身女子でも恥ずかしい、いや待て一体恥ずかしがっている場合なのか。相手は見知らぬ他人で得体の知れない馬の骨。しかも左右には生贄(推定)仲間が居ますよ。こんなコトしてる状況でも相手でもない、だいたいねちっこい愛撫に、微妙に性的なものを感じるのは自意識過剰のなせるわざではないと思うっ。

「ちょっと、まずはこの鎖をはずして下さい、お願いします!」

 翻訳が双方向であることを祈りつつ、私は混乱の極地から懇願した。下手に出たのはヤマトナデシコの性(さが)、もあるけど相手を刺激しないためです。

 かちあった眼差しに、理解の色があるのを見る。

 よし自動翻訳は双方向、第一関門クリア。しかしその琥珀の瞳が熱を孕んで、一瞬勝機を見出したかのように細められたのは気のせいだと思いたい。

「(僕の名はシャルク。貴女が僕のマスターになってくだされば、どんなご奉仕でも……ふふっ)」

 オイコラ翻訳者出て来い。なんか誤訳してないですか、なんでこんな無駄にエッロい言い回しなんですか。

 動揺している間に、スルッと眼鏡を外されて、あのう現在私は油でお肌テカテカなんですけど。そのテカテカでアイメイクもはげはげのお肌を、うちゅっと吸われる。おいおい吸うついでに舐めた! いまこの男、舐めたぁあっ! 

 すりすり、うちゅうちゅ。ぺろり。

「(……ね?)」

 拘束は条件つきでしか解いてくれないんですか! 

 甘々の表情を浮かべて、シャルクはさらに身体を摺り寄せてくる。頭がクラクラする。なにこの有無を言わせぬかんじ。

 何気なくお尻揉まないでよ。あ、ちょっとやだ。あし……脚が、絡んで、ちょ、オマエッ。可愛くじゃれ付くような雰囲気は計算だな、計算なんだろう貴様。腰がっ、ぴったりくっついた腰が心なしか軽く揺するみたいなエロめの動きを。これ限りなくアール指定に近い、これは私二十八歳だけど絶対駄目ぇえーッ! 

「ま、まて。ちょっと待って、落ち着いて。まずはマスターってなにするもんデスカ!」

 しかし私も軽く世間で揉まれた人間である。踏ん張った。どんな緊急時であっても、人間、安易に契約印を押してはイケマセン。

「(ただ、僕を飢えさせないで。孤独にしないで。僕は元々愛玩用の生き物ですからね、どうかマスター、いっぱい可愛がって下さい)」

「ちょっと、頬を染めるなッ。それから何故に言葉遣いが卑猥なんだ、訳のヒトーッ! ? てかいやいやまてまて、貴方は何を常食としているんですか、もしかしなくても貴方の正体はさっきのネコ科巨大生物だったりしますよね、私のマンション狭いですし人肉とか欲しがられても困りますしっ」

「(僕が食べるものは、普通の人間の男と一緒ですよ? 色々な意味で)」

 額を肩に擦り付けていた顔がちょっと上がって、さらりと乾いた唇が、優しく耳の後ろを甘噛みする。頭蓋にはむはむぴちゃぴちゃと、もはや可愛らしいんだかイヤらしいんだか不明な音が鳴り響く。必死で足を突っ張って引き離そうとしているのにむしろグッと抱き寄せられて、ああ駄目だ。もう駄目だ。なにこれ警戒心を抱かせないこの天然なエロエロっぷり。腰が抜けてしまう。

「ん、あぁ……あん、コラッ!」

「(マスター?)」

 ひたと見据えてくる肉食獣の目。柔らかな微笑みの上で光る、獲物を甚振るような、愉悦の色。

 ええと、冷静に考えれば恐らくアナタは焼肉の香りがお気に召したのでしょうが、わたしとて常時にこんな匂いじゃなくてですね。

 これでも会社勤めしてますし、今日は金曜の夜だから特別なんですよ。普段はどっちかというと和食派です。焼肉は三ヶ月に一回がせいぜいですよ本当に。

 ああ、せめて焼肉屋を出るのはミントガムを噛んでからにすべきだったぁああぁ。

 ぐるぐると色々な事を考えたけれどもしかし、今焼肉の匂いについて正直に言ってどうなるのか。とりあえずこのケダモノ君を刺激しないように、拘束を解き状況説明して貰うのが大事ではないのか。

 私はかろうじてそろばんを弾き、覚悟を決めて深呼吸、心を奮い立たせ、相手の強引さにも負けずキッパリ毅然とこう返事をした。

 

「御要件は持ち帰り前向きに検討させていただきますッ!」

 

 ***

 

 未だに完全には信じていないのだけれど、私達の吊るされた神殿は異世界にあったんだとか。私および数名は異世界召還されてあの場所に居たのだとか、あの大型ネコ科っぽい生物ことシャルクの手綱を握るために拉致拘束されたんだとか、犯罪の首謀者は異世界のとある糞政府なんだとか色々言うべきコトがある訳ですが、とりあえず逃亡と復讐と帰り道探しの前に、ひとつ教訓を垂れておきますよ。腰にしがみ付いて、ますたーますたー煩い不思議生物を邪険に扱いつつ。

 

 

 皆様。くれぐれも異世界トリップ(仮)の直前は、焼肉を控えましょう。

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