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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第一話 少女は学園へと入学する
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1-7




「……ふう。為になる授業やったね」


一限目が終了し、まふゆは教科書を閉じながら言う。


「そうか?俺には退屈なだけだったけどな」


前の席から、レオンハルトが大きく伸びをしながら振り返る。


「兄さんは昔からこういう座学は苦手だったからね。でも、確かに有意義な内容だったよ。特に、エルフ族の魔術体系の変遷については興味深かった」


隣のセリウスが、ぱたんと教科書を閉じながら同意する。その横顔は、知的好奇心を満たされたように満足げだ。


「まふゆは熱心にノートを取っていたな。わからないところはなかったか?」


レオンハルトが兄貴分らしく、屈託のない笑顔で尋ねてくる。




……ふと、背後からかすかな衣擦れの音がした。


ミカゲが何か行動を起こしたのかと思ったが、彼は相変わらず静かに座っているだけだった。ただ、まふゆが「為になる授業やった」と呟いた瞬間、彼の纏う空気がほんの少しだけ和らいだような気がした。


「……あの教師は、気に入らないがな」


レオンハルトが、教壇で次の授業の準備をしているエドウィンを一瞥し、忌々しげに付け加えた。




「次は……戦闘基礎学。場所は第一訓練場……移動せなあかんのやね」


時間割を見ながらまふゆは呟く。


戦闘、という言葉に、まふゆは少しだけ不安を覚えた。

治癒や支援は得意だが、自分が戦う姿は想像もつかなかった。それでも、この学園で生きていくためには必要なことなのだろう。


「次は訓練場か。座学よりは性に合ってる」


レオンハルトが席を立ちながら、気持ちよさそうに身体を伸ばす。


「まふゆ、訓練場は少し離れているから、一緒に行こう。迷うといけないからね」


セリウスが優しく声をかけ、立ち上がる準備を促す。


まふゆが「はい」と頷いて立ち上がると、いつの間にかミカゲも音もなく席を立っていた。

彼は何も言わないが、三人が移動するなら自分もそれに続く、という意思表示のようだった。


教室の前方では、他の生徒たちもぞろぞろと移動を始めている。

その中で、桜色の髪をした猫族の少女……シャノンが、ちらりとこちらを見て、すぐにぷいと顔を背けるのが見えた。




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