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そして今日は、月曜日。
週末の楽しかった思い出を胸に抱きしめて眠ったおかげか、まふゆはすっきりと目覚めることができた。
月曜日の朝だというのに、心も体も驚くほど軽い。
早くみんなに会いたい──その一心で身支度を整え、少し早めに教室へと向かった。
「おはようございます!」
教室の扉を開けると、そこにはすでに見慣れた顔ぶれが揃っていた。
「おう、まふゆ、おはよう!」
前の席のレオンハルトが快活な笑顔で振り返る。
「おはよう、まふゆ。よく眠れたかい?」
隣の席のセリウスが、優しく微笑みかけてくれる。
「……おはよう」
後ろの席からは、ミカゲの静かな声が聞こえた。
日曜日を挟んだだけなのに、とても久しぶりに会うような気がして、まふゆの胸は温かいもので満たされる。
自分の席に着くと、鞄から教科書を取り出しながら、週末の出来事を思い出して自然と頬が緩んだ。
やがて、始業のチャイムが鳴る前の、賑やかな朝の休み時間。
シャノンと隣のクラスのリリアまでも教室にやってきて、いつもの六人が自然とまふゆの席の周りに集まっていた。
そんな中、レオンハルトが不意に真剣な表情になり、パン、と手を一つ叩いてみんなの注意を引いた。
「よし、皆に提案がある。今日の放課後、昇級試験を受けないか?」
その言葉に、教室の喧騒が少しだけ遠のいたように感じた。
昇級試験。
ホブゴブリンを討伐し、クエストポイントが300ポイントに達したことで得た、Fランクへの挑戦権。
「お、いいね!早く受けたいと思ってたんだ!」
レオンハルトの提案に、セリウスが真っ先に賛同の声を上げる。
レオンハルトは、まふゆとセリウス、そしてミカゲの方を順に見渡して続けた。
「昇級試験は個人で受ける個人戦と、四人一組のパーティで受けるパーティ戦が選べる。俺たちはあのホブゴブリン戦の連携もある。俺、セリウス、ミカゲ、まふゆはパーティ戦で受けるのが一番確実だと思うんだが、どうだ?」
レオンハルトの瞳には、リーダーとしての自信と、仲間への信頼が満ちていた。
パーティ戦──つまり、また一緒に戦うということ。
「うちも、それがええと思います。みんなと一緒なら、心強いさかい」
まふゆは、迷うことなく力強く頷いた。
一人で戦うなんて、今の自分には想像もできない。この仲間たちと一緒だからこそ、前に進めるのだ。
「……異論はない」
ミカゲも静かに同意する。
「よし、決まりだな!」
レオンハルトが満足げに笑った。
「あたしは個人戦で受けるわ。誰かと足並み揃えるの、性に合わないし」
シャノンが腕を組んでそっぽを向くが、その横顔は挑戦者のそれに変わっていた。
「あーしはB組の子とパーティ組む約束してるんだー!みんな、お互い頑張ろーね!」
リリアも拳を握って、元気よく宣言した。
それぞれの道で、次のステップへと進む。
放課後には、初めての昇級試験が待っている。
緊張と、それを上回る武者震いのような高揚感が、まふゆの心を支配し始めていた。
(頑張らなあかん……!みんなの足を引っ張らんように……!)
ぎゅっと拳を握りしめるまふゆの肩を、セリウスが優しく叩いた。
「大丈夫だよ、まふゆ。君ならできる」
その言葉に励まされ、まふゆは「はい!」と力強く返事をした。
待ちに待った月曜日は、新たな挑戦の始まりの日となった。




