表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第五話 少女は初めて街に繰り出す
67/173

5-2




約束の時間より少し早く、まふゆは学園の壮麗な正門前に到着した。


休日の朝ということもあって、行き交う生徒の姿はまばらだ。


朝日を浴びてきらきらと輝く噴水をぼんやりと眺めながら、まふゆは仲間たちが来るのを待っていた。

そわそわと落ち着かない気持ちを誤魔化すように、ショルダーバッグの紐をぎゅっと握りしめる。


(一番乗りやったかな……?)




そう思った矢先、よく知った声が背後から聞こえた。


「よう、まふゆ。早いな」

「おはよう、まふゆ。今日の服、とてもよく似合っているね」


振り返ると、そこにはレオンハルトとセリウスが立っていた。


二人とも制服ではなく、動きやすそうな私服姿だ。

レオンハルトはラフなシャツ、セリウスは落ち着いた色合いのジャケットを着ていて、普段とは違う雰囲気に少しどきりとしてしまう。


「レオンハルトさん、セリウスさん、おはよう!その、おおきに……!」


セリウスの言葉に、まふゆは顔を赤くしながら俯いた。




「まふゆん、おはよー!ごめん、待ったー?」

「あんたが準備に時間かけすぎなのよ」


少し遅れて、リリアとシャノンもやってきた。

リリアは流行りを取り入れた華やかな服装で、シャノンはボーイッシュなパンツスタイルだ。


「リリアさん、シャノンさん、おはよう。ううん、うちも今来たとこです」


これで五人。あと一人。

まふゆがキョロキョロと辺りを見回していると、ふっと背後に人の気配が現れた。




「……」


音もなく、まるで影から現れたかのように、ミカゲがそこにいた。

彼もまた、いつもと同じ黒を基調とした服装だが、口布はつけておらず、その整った顔立ちが露わになっている。


「……っあ、ミカゲさん!おはようございます!」


驚きながらも挨拶すると、彼はこくりと小さく頷いた。

その静かな黒曜石色の瞳が、じっとまふゆの姿を見つめている気がして、また心臓が小さく跳ねる。




「よし、全員揃ったな!」


レオンハルトがパン、と手を叩く。


「それじゃあ、行くとしようか!初めての街へ!」


彼の明るい声に、皆がそれぞれの形で応える。


まふゆは、大切な仲間たちに囲まれながら、学園の外へと続く石畳の道を、期待に胸を膨らませて踏み出した。


ここから始まる新しい一日に、心が躍るのを止められなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ