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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第四話 少女は司令塔になる
65/125

4-13




その日の夜。


女子寮の自室のベッドに潜り込んでも、まふゆの心はちっとも落ち着かなかった。




(明日、みんなと街に……ふふっ)


目を閉じると、今日の昼間の食堂での賑やかな光景や、放課後の教室でのやり取りが鮮明に思い出される。


レオンハルトの少し強引だけど頼りになる言葉、セリウスの優しい気遣い、シャノンの不器用な優しさ、リリアの明るい笑顔、そして……静かにプリンを差し出してくれたミカゲの姿。


シーツをぎゅっと握りしめる。


嬉しい。ただ、ひたすらに嬉しかった。

エドウィンのことで、ずっと心の奥底に鉛のような重たい不安が沈んでいた。一人になるのが怖くて、夜も物音にびくびくしていた。


でも、明日は違う。

朝からみんなに会える。一緒に街を歩いて、いろんなお店を見て回るのだ。




(何を着ていこうかな……あんまりお洒落な服は持ってへんけど……)


ごそごそとベッドから抜け出し、小さなクローゼットを開ける。


持っている服は、白を基調とした少し動きにくいものばかりだ。学園では服装が自由で助かっているけれど、街歩きとなると少し悩んでしまう。


(やっぱり、動きやすい方がええよね。みんなに迷惑かけたらあかんし……)


あれこれと考えを巡らせているだけで、胸がふわふわと浮き立つような気分になる。遠足の前日の子供みたいだと、自分でもおかしくなって小さく笑った。




(せや。せっかくやし、みんなに何かお礼ができひんかな)


プリンを取ってきてくれたこと。

戦闘訓練で助けてくれたこと。

そして何より、不安な時にそばにいてくれること。


感謝したいことがたくさんありすぎて、どうすればいいかわからないけれど、何かささやかなお返しができたらいいな、とまふゆは思う。




そんなことを考えていたら、あっという間に時間は過ぎていく。

窓の外はすっかり静まり返り、空には月が高く昇っていた。


(あかん、はよ寝な明日寝坊してまう……!)


まふゆは慌ててベッドに戻り、もう一度ぎゅっと目を閉じた。


瞼の裏には、明日笑い合っているであろう仲間たちの顔が浮かんでくる。




高鳴る心臓の音を子守唄代わりに、まふゆは初めての休日に寄せる甘い期待に胸を膨らませながら、少しずつ夢の世界へと落ちていった。




第四話・了




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