表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第四話 少女は司令塔になる
64/173

4-12




「……こ、口実!?」


思わず、まふゆの声が裏返った。

レオンハルトの屈託のない言葉は、真っ直ぐにまふゆの心に突き刺さり、顔にぶわっと熱が集まるのを感じる。


口実。その言葉の意味を考えただけで、心臓がとくんと大きく跳ねた。


「なっ……!兄さん、君って人は……!」


隣のセリウスが、呆れたように、しかしどこか羨ましそうに兄を睨む。


「ははっ、悪い。だが、事実だからな」


レオンハルトは悪びれもせず豪快に笑う。その配慮は嬉しいけれど、あまりにもストレートな物言いに、まふゆはどう反応していいかわからず、俯いてしまう。


「もうっ、レオンハルト様、デリカシーなさすぎー!まふゆんが困ってるじゃん!」


リリアがぷんすかと頬を膨らませる。


「ふん。まあ、あたしも暇だし?街で新しい爪研ぎでも探そうと思ってたところだし?付き合ってやらなくもないわよ」


シャノンはそっぽを向きながら言うが、その口元は少し緩んでいる。


「……行く」


それまで黙っていたミカゲが、短く、しかしはっきりと呟いた。その視線は、赤くなったままのまふゆに静かに注がれている。




「決まりだな!それじゃあ明日の朝、10時に正門前集合でどうだ?」


レオンハルトがパンと手を打って、場を仕切る。


「賛成だよ」

「あーしもオッケー!」

「……別にいいけど」

「……ああ」


次々と同意の声が上がる中、まふゆだけがまだ俯いたまま、もじもじとしていた。


明日、みんなと街へ行く。

嬉しい。すごく、嬉しい。でも、自分のためにみんなを付き合わせてしまうのが、少しだけ申し訳ないような気もする。




そんなまふゆの気持ちを察したのか、セリウスが優しく声をかけた。


「まふゆ?君も、いいだろう?」

「……は、はい!うちも、行きたい、です……!よろしくお願いします!」


まふゆは勢いよく顔を上げて、そう答えた。


まだ頬は熱いけれど、それ以上に、明日への期待で胸がいっぱいになっていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ