4-11
午後の授業も無事に終え、一週間が終わった。
最後の授業の終了を告げる鐘が鳴り、教室がにわかに活気づく。
生徒たちは、初めての週末を前にして、どこか浮足立っているようだった。
まふゆも教科書やノートを鞄にしまいながら、この一週間を振り返っていた。
入学、新しい仲間との出会い、戦闘訓練、そしてエドウィンの恐怖……。あまりにも濃密な日々だった。
(そっか……明日はみんなに会えへん)
ふと、そんな考えが胸をよぎる。
これまでは毎日顔を合わせていた仲間たちと、明日は会えない。
当たり前のことなのに、ほんの少しだけ寂しい気持ちが胸に広がった。
エドウィンの件があってから、一人になることへの漠然とした不安が、まだ心の隅に残っているせいかもしれない。
「まふゆ、どうかしたのか?ぼーっとして」
前の席のレオンハルトが、椅子を引いて振り返った。彼の隣ではセリウスも心配そうにこちらを見ている。
「ううん、なんでもないねん。ちょっと考え事してて」
まふゆは慌てて笑顔を作り、首を横に振った。
そこへ、B組の授業を終えたリリアが、シャノンを伴って教室に顔を出す。
「おっまたせー!まふゆん、帰ろー!」
「あんたねぇ、あたしはまだ用事が……って、聞いちゃいないし」
いつもの賑やかなメンバーが揃う。
まふゆが立ち上がろうとした、その時だった。
「なあ、お前たち。明日は休みだが、何か予定はあるか?」
レオンハルトが、まるで何かを思いついたように、皆の顔を見渡して言った。
「予定?別にないけど。なんで?」
シャノンが訝しげに答える。
「僕も特にないかな。兄さんは何かあるのかい?
セリウスが尋ね返した。
リリアは「あーしは暇だよー!」と元気よく手を挙げている。ミカゲは相変わらず無言だが、彼の視線はまふゆに向けられていた。
皆の返事を聞いて、レオンハルトは満足げににっこりと笑った。
「よし、決まりだな!明日は皆で街に買い物に行かないか?昇級試験の準備も兼ねて、それぞれ必要なものを揃えておきたいしな」
「えっ……!?」
思いがけない提案に、まふゆは目を丸くした。
明日も、みんなに会える。
その事実だけで、心の中にぱっと明るい光が灯るのを感じた。
「そ、それって……うちも、行っていいんですか……?」
おずおずと尋ねるまふゆに、レオンハルトは当たり前だというように笑いかける。
「お前がいなきゃ始まらないだろ?お前を誘うための口実なんだからな」




