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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第四話 少女は司令塔になる
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4-6




「そういえば……証ってどれのことなんやろ……」


まふゆがへたり込んだまま、倒れたホブゴブリンの巨体を見上げてぽつりと呟いた。


ガレオスは「討伐の証を持ち帰れ」と言っていた。ゴブリンならば耳、というのは知っているが、このホブゴブリンの場合は何になるのだろうか。


「さあな。牙とかか?」


レオンハルトが顎に手を当てて唸る。


「あるいは、持っていた武器、とかね。あれは普通のゴブリンが持つものより上等そうだ」


セリウスが、地面に突き刺さった巨大な鉄斧に目をやった。


「ふん。どっちでもいいからさっさと終わらせましょ」


シャノンは早く次の敵を探したいのか、少しそわそわしている。




すると、それまで黙っていたミカゲが、倒れたホブゴブリンの懐を探り始めた。そして、何かを取り出して皆の前に差し出す。


それは、汚れた革袋だった。中からは、ジャラリと金属の擦れる音がする。


「……これだ」


ミカゲが袋の口を開けると、中には一体のゴブリンにつき一枚と思われる、奇妙な模様が刻まれた銅製のタグが入っていた。そして、ホブゴブリンのものと思われる、一回り大きなタグも。


「なるほど。こいつらが持っている認識票みたいなものか。これなら討伐数を誤魔化しようがないな」


レオンハルトが感心したように言った。


「リーダーであるホブゴブリンが、部下の分までまとめて管理していた……ということかな。合理的だね」


セリウスが冷静に分析する。


「ミカゲさん、おおきに!よう見つけはりましたね!」


まふゆが感心して言うと、ミカゲは「……気配がしただけだ」と短く答え、革袋をまふゆに差し出した。リーダーである彼女が管理すべきだと判断したのだろう。


まふゆは革袋を受け取り、しっかりと腰のポーチにしまった。

これで、最初の討伐は完了だ。




「よし!幸先の良いスタートだな!この調子で森の魔物を狩り尽くすぞ!」


レオンハルトが意気揚々と拳を突き上げる。

仲間たちの顔にも、疲労より達成感の色が濃く浮かんでいた。


先ほどまでの恐怖は薄れ、まふゆの心にも、リーダーとしての責任感と、仲間と共に戦う高揚感が湧き上がってくる。


「はい!皆さん、次の目標地点へ向かいましょう!気ぃ引き締めて、行きますよ!」


まふゆは地図を広げ、次の目的地を指し示す。その声には、もう先程のようなか弱さはなく、凛とした響きが宿っていた。

仲間たちの信頼を背に、少女は初めてのリーダーとしての役目を、確かに果たし始めていた。




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