2-18
夕日に染まる中央棟の一階、クエストボードが並ぶホールは、放課後の活気で満ちていた。
様々なクエストの報告をしたり、新たな依頼を探したりする生徒たちで賑わっている。
その人波をかき分けるようにして、まふゆたち六人は受付カウンターへと向かった。
カウンターにいたのは、柔和な笑みを浮かべた人間の女性職員だった。
「はい、こんにちは。クエストの報告ですか?」
「ああ。新入生限定クエスト、『学園に眠る古代の謎を追え』を達成した」
レオンハルトが代表して堂々と告げると、職員はにこやかに頷いた。
「お疲れ様です。では、証拠となる三つの石版を拝見します」
「……はい、これです」
まふゆは少し緊張しながら、今まで大事に抱えていた三つの石版を、そっとカウンターの上に並べた。
一つ目、二つ目、そして三つ目。
石の冷たさが、今日一日の冒険の全てを物語っているようだった。
職員は石版を一つ一つ手に取り、刻まれた古代文字を確認すると、満足そうに頷いた。
「はい、間違いありません。三つの石版、確かに確認いたしました。クエスト達成、おめでとうございます!」
パチパチ、と職員が小さく拍手をしてくれる。
その言葉に、まふゆの胸にじわっと温かいものが広がった。
やり遂げたんだ。みんなで。
「やったー!初めてのクエスト、クリアだね!」
リリアがまふゆの肩を抱いて、喜びを分かち合う。
「ふん、当然の結果よ」
シャノンはそっぽを向いているけれど、その耳は嬉しそうにぴくぴくと動いていた。
「これで僕たちも、少しは冒険者としての一歩を踏み出せたかな」
セリウスが穏やかな笑みを浮かべる。
「ああ、最高のスタートだ!」
レオンハルトが力強く頷き、まふゆの頭をわしわしと撫でた。
「これもまふゆ、お前こひらめきと勇気のおかげだな!」
「う、ううん……!みんなが助けてくれたから……!」
褒められて嬉しい反面、照れくさくて顔が熱くなる。ミカゲの方をちらりと見ると、彼は壁に寄りかかって静かにこちらを見ていた。
その口元が、ほんの少しだけ緩んでいるように見えたのは、きっと気のせいではないだろう。
「では、報酬をお渡ししますね。まずは、クエストポイント100P。それから……はい、こちらが学食一ヶ月無料券です」
職員が差し出したカードキーのようなものを受け取り、レオンハルトが「おお!」と声を上げる。
「これで昼飯には困らねえな!」
「やっぱり兄さん、それ目当てで頑張ってたよね?」
レオンハルトの言葉に、セリウスは呆れたように笑う。




