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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第二話 少女は初めてのクエストに挑戦する
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2-12




すると……


まふゆが捧げた水が、古びた木箱の天板に静かに吸い込まれていく。

まるで乾いた砂が水を飲むように、一滴残らず。


注ぎ終えたまふゆがそっと手を離すと、カタリ、と小さな音がして、今まで固く閉ざされていた木箱の蓋がひとりでに持ち上がった。




「わ……!開いた……!」


まふゆが驚きの声を上げるのと、皆が「おぉ!」と感嘆の声を漏らすのは同時だった。


箱の中には、柔らかな紫色の布が敷かれており、その上に静かに横たわる一枚の石版が姿を現す。


それは、図書館で見つけたものと同じ、古代文字が刻まれた石版だった。


「やったな、まふゆ!」

「すごいよ、まふゆん!大正解!」


レオンハルトとリリアが、自分のことのように喜んでくれる。セリウスもシャノンも、安堵と賞賛の入り混じった表情でまふゆを見ていた。




「……よくやった」


ミカゲの静かな声が耳元で響く。

振り向くと、彼はいつもの無表情のまま、まっすぐにまふゆを見つめていた。けれど、その瞳の奥に宿る確かな称賛の色に、まふゆの胸はきゅっと甘く締め付けられる。


「ううん、うちだけやないよ。みんなで考えたからや」


まふゆはにかんで、石版をそっと手に取った。ひんやりとした石の感触が、二つ目の試練を乗り越えた達成感を伝えてくれる。

これで、残る石版はあと一つ。


(ゴールが、見えてきた……!)


まふゆは石版を胸に抱き、頼もしい仲間たちの顔を見回した。


一人では決して解けなかった謎。でも、みんなと一緒だから、乗り越えられた。


この冒険が、ますます楽しくなっていくのを感じながら、まふゆは満面の笑みを浮かべた。




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