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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第二話 少女は初めてのクエストに挑戦する
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2-3




「……で、石版の場所のヒントが書いた紙貰えたけど……まさかこれ、謎解きなん!?」


受付カウンターでクエストの受注を済ませ、手渡された一枚の羊皮紙を覗き込んだまふゆは、思わず声を上げた。


そこには、石版の具体的な場所が書かれているわけではなく、またしても謎めいた文章が三つ、記されているだけだった。


「なになに……?」


レオンハルトがまふゆの隣から身を乗り出して、羊皮紙を覗き込む。




一つ目の標

『知の森に佇む、最も古き賢者の足元に。』


二つ目の標

『水鏡に映る、白亜の塔の頂を見よ。』


三つ目の標

『太陽が最も高く昇る時、学園で最も長き影を作るものの根に。』




「うわ〜、謎解きだ〜!」


リリアが楽しそうに声を上げる。


「……ふん。子供騙しみたいな問題ね」


シャノンは腕を組んで鼻を鳴らすが、その視線は真剣に羊皮紙の文字を追っていた。


「なるほどな。まずはこのヒントが示す場所に行けってことか」


レオンハルトが腕を組んで唸る。


「『知の森』……これはおそらく、図書館のことだろうね。たくさんの本、つまり知が集まる場所だから」


セリウスが冷静に一つ目のヒントを分析する。彼の言葉に、皆が「なるほど」と頷いた。


「じゃあ、『最も古き賢者』っていうのは?」


まふゆが尋ねると、セリウスは少し考えてから答えた。


「図書館の創設者か、あるいは有名な学者の像とか……そういうものが入り口あたりにあるんじゃないかな」




「じゃあ、二つ目はどうなんだ?『水鏡に映る、白亜の塔』……」


レオンハルトが二つ目のヒントを読み上げる。


「それはきっと、学園にある湖のことだよ!ローゼリア先生の授業の時、セリウス様がまふゆんを誘ってたじゃん!」


リリアがぴょんぴょんと跳ねながら言う。


「……リリア、君、余計なことを……」


セリウスが気まずそうに顔をそむけた。


「湖に……塔が映る……。でも、湖の周りにそんな高い塔、あったやろか?」


まふゆが首を傾げる。


「直接見るんじゃなくて、『水鏡』、つまり湖面に映った景色の中にヒントがあるってことじゃないかな」


セリウスが冷静に付け加える。




「じゃあ、三つ目は……?『学園で最も長き影を作るもの』……」


シャノンが低い声で呟く。


「……時計塔だ」


それまで黙って皆のやり取りを聞いていたミカゲが、ぽつりと言った。


「学園で一番高い建物は、中央棟の時計塔。太陽が真南に来た時、一番長い影を作るのもあの塔だ」


その淀みない答えに、皆が感心したようにミカゲを見る。


「ミカゲさん、物知りなんやねぇ……!」


まふゆが素直に感嘆の声を漏らすと、ミカゲはふいと顔をそむけた。


「……別に」




「よし、方針は決まったな!」


レオンハルトがパンと手を打った。


「まずは一つ目!図書館に向かうぞ!行くぜ、お前ら!」


リーダーシップを発揮するレオンハルトを先頭に、六人は意気揚々と歩き出す。


「う、うん!うちも、頑張らんと……!」


まふゆは皆の頼もしい背中を見ながら、きゅっと拳を握りしめた。

謎解きは苦手かもしれないけれど、一人じゃない。そう思うと、不思議と力が湧いてくるのだった。




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