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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第十六話 はじめての臨海学校-前編-
207/237

16-12




午後の日差しが西の空へと傾き、黄金色の光が穏やかな波間を照らし出す頃。

あれからまふゆたちは、文字通り時間を忘れて海を満喫した。


レオンハルトとセリウスは沖まで競争し、リリアは大きな浮き輪の上でぷかぷかと浮かび、ミカゲはいつの間にか姿を消していたが、おそらくは日陰で休んでいるのだろう。


まふゆはアリスと一緒に浅瀬で水をかけ合ったり、波打ち際で砂の城を作ったりと、童心に返ってはしゃぎ回った。


そして、水が苦手なシャノンも、最初は不満げに砂浜で見ているだけだったが、まふゆに「スイカ割りやろ!」と誘われると、渋々ながらも参加し、目隠しをしたレオンハルトを的確な指示で導いては見事にスイカを叩き割らせるという活躍を見せていた。




「はあ……よう遊んだ……」


散々遊び倒し、全員が砂と潮水にまみれて砂浜に大の字に寝転がる。

心地よい疲労感と、叩き割ったスイカの甘い果汁が、火照った体に染み渡った。


「見て、アリスさん。もうすぐお日様が海に沈んでしまうで」

「……うん、おっきい」


まふゆの隣で、アリスも寝転がりながら、水平線に沈みゆく大きな夕日をじっと見つめている。その瞳には、今日一日で見たたくさんの「きれいなもの」が映り込んでいるようだった。




「さて、そろそろ行くか。このままだとバーベキューに間に合わんぞ」


レオンハルトが砂を払いながらゆっくりと起き上がる。彼の言う通り、体は砂だらけで髪は潮水でべたべただった。


「うわ、ほんまや!うち、砂まみれやわ……」


まふゆも自分の腕や足を見て声を上げる。白い肌は、ところどころ砂で薄汚れていた。


「保養施設に大きな浴場があるらしい。バーベキューが始まる前に、そこで汗と砂を流してこよう」


セリウスの提案に、全員が頷く。


「お風呂!いいねー!さっぱりしよーよ!」


リリアが元気に立ち上がる。


「……ふん。やっと水から上がれるわね」


シャノンもぶつぶつ言いながらも、その顔には疲労と満足感が入り混じっていた。


夜の宴に向けて、一行は夕暮れの砂浜を後にし、保養施設の浴場へと向かうのだった。




第十六話・了




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