16-5
「よし、手分けして探すぞ!効率が命だ!」
リーダーであるレオンハルトが大声で指示を飛ばす。
「そうだね。僕と兄さんでこっちの岩場の方を探してみるよ」
セリウスが冷静に状況を判断し、兄と共に駆け出した。
「あーしはこっちのパラソルゾーン探してみるねー!」
リリアも元気よく手を挙げ、別の方向へ散っていく。
仲間たちがそれぞれの持ち場へと向かう中、まふゆは隣に立つアリスの小さな手をとった。
アリスは、突然始まった喧騒に少し戸惑っているようだった。
「アリスさんはうちと一緒にさがそな」
優しく声をかけると、アリスはこくりと頷き、まふゆの手をそっと握り返した。
その小さな手の温もりに、まふゆの胸に守ってあげたいという気持ちが込み上げる。
「よーし、じゃあうちらは、波打ち際を探してみよか!もしかしたら、波に流されてきた貝殻に混じってるかもしれへんし!」
「……うん」
まふゆとアリスは、きらきらと光が反射する波打ち際へと歩き出す。
他の生徒たちは砂浜の中央や岩場に集中しているため、ここはまだ誰も探していない穴場かもしれない。
一方、シャノンは水際からできるだけ離れた、乾いた砂浜を一人で探していた。
「ちぇっ、なんであたしがこんな……。鍵なんて、どうせすぐ見つかるに決まってるわ」
ぶつぶつと文句を言いながらも、その金の瞳は真剣に砂の上を走査している。
そして、ただ一人、ミカゲは動かなかった。
彼はスタート地点近くのパラソルの影に立ち、まるで狩りの前の獣のように、全体の状況を静かに観察している。
彼の黒曜石の瞳は、砂浜を駆け回る生徒たちの動き、教師たちの配置、そして──波打ち際で楽しそうに鍵を探す、まふゆとアリスの姿を、じっと捉えていた。




