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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第十三話 不思議の国の転校生
156/173

13-3




「……ふん、見た目だけは可愛いのに、性格は最悪ね」


教室の隅から聞こえてきたシャノンの呆れたような呟きに、まふゆ、レオンハルト、セリウス、そしてそれまで微動だにしなかったミカゲまでもが、一斉にシャノンの方を振り返った。


四人の視線は、まるで示し合わせたかのように、同じ色を帯びていた。

────お前が言うな。


口には出さない。しかし、その無言の圧力は雄弁にそう語っていた。

素直になれない彼女が、周りに対してどんな態度を取っているか、ここにいる誰もが知っている。


「な、なによ!あたしはあんな言い方しないわよ!」


四人からの痛いほどの視線に気づいたシャノンは、顔を赤くしてぷいっとそっぽを向く。

その仕草が、彼女の言葉の説得力をさらに削いでいた。


「ははっ、確かにシャノンはもうちょっと……こう、回りくどい言い方をするな」


レオンハルトが面白そうに笑うと、セリウスもくすりと口元を綻ばせた。


「否定しないんだね、兄さん」


気まずかった教室の空気が、そのやり取りで少しだけ和らぐ。

まふゆも思わず苦笑しながら、シャノンに声をかけた。


「シャノン……。でも、アリスさんも急にたくさん話しかけられて、びっくりしてしもただけかもしれへんよ」

「……まふゆがそう言うなら、そうなのかもしれないけど」


シャノンはまだ少し不満げに唇を尖らせながらも、それ以上は何も言わなかった。




まふゆはもう一度、静寂を取り戻したアリスの席に目を向けた。

彼女は相変わらず机に頬杖をつき、窓の外を眺めている。その小さな背中が、なんだかとても寂しそうに見えた。


(やっぱり、気になる……)


新しいクラスに馴染めない心細さ。まふゆ自身も、この学園に来たばかりの頃は同じ気持ちだった。


種族も、記憶も、何もかもが違う場所での孤独。アリスの無愛想な態度の裏にも、何か事情があるのかもしれない。


昼休みになったら、もう一度話しかけてみよう。

まふゆは胸の中で、そっとそう決心するのだった。




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