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その言葉に、レオンハルトとセリウスの目が見開かれる。
「ミカゲ……お前、まさか……」
「ああ」
ミカゲは、いつもの無表情のまま、はっきりと言い切った。
「俺も、まふゆが好きだ」
……三人目の告白。
まふゆの思考が、完全に停止した。
「……え」
口から漏れたのは、それだけだった。
レオンハルト、セリウス、そしてミカゲ。三人が、自分に告白した。一度に。今この瞬間に。
「み、ミカゲ……!」
まふゆは真っ赤な顔のまま、彼を見上げる。
ミカゲは、いつもの無表情のまま、静かに続けた。
「俺は、あんたの隣にいたい。あんたを守りたい。あんたが笑っていてほしい。……それ以外のことは、どうでもいい」
淡々とした口調だが、その言葉には強い意志が込められていた。
レオンハルトとセリウスが、ミカゲを睨みつける。
「ミカゲ……お前もか」
「ああ。俺も、本気だ」
ミカゲは二人の視線を受け止め、そしてまふゆの白い髪にそっと手を伸ばした。
「返事は、急がない。でも、俺はあんたを諦めない」
その宣言に、レオンハルトとセリウスも頷く。
「俺も、諦めるつもりはない」
「僕も、だ」
三人の視線が、まふゆに集中する。
まふゆは、もう何が何だか分からなくなっていた。ただ、自分の心臓が今にも破裂しそうなほど激しく打っていることだけが、唯一確かなことだった。
「……ぅ、ぁ……うち、どないしたら……!」
顔を真っ赤にして、まふゆは涙目になりながら叫んだ。
夕暮れの教室に、三人の男の告白と、一人の少女の悲鳴が響き渡る。
こうして、まふゆを巡る四角関係が、幕を開けたのだった。




