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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第九話 少女は告げられる
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9-8




「さて!皆には伝えておくことがある!」


ガレオスは腕を組むと、グラウンド中に響き渡る大きな声で宣言した。


その声に、ざわついていた生徒が一気に静まり返る。生徒たちの視線が一斉にガレオスへと集中した。


「先日の昇級試験は、ゴーレム改の暴走というトラブルで中止となった。本来であれば、試験は不成立として再試験となるところだが……」


ガレオスはそこで言葉を区切り、まふゆ、レオンハルト、セリウス、ミカゲの四人を順に見渡した。


「レオンハルト、セリウス、ミカゲ、まふゆ。この四人の活躍によって、被害は最小限に抑えられた。そして何より、暴走したSランク級のゴーレム改を、見事撃破したという事実がある!」


生徒達から驚きのどよめきが広がる。

Sランク級の魔物は、本来であれば上級冒険者でも苦戦するレベルだ。


それを、まだGランクの新入生が倒したという事実に、誰もが信じられないという顔をしていた。


「そこで!学園上層部と協議した結果……」


ガレオスは拳を空に向けて突き上げた。




「……この四人を、飛び級でEランクに昇級させることが決定した!」




「「「えぇっ!?」」」


まふゆ、レオンハルト、セリウスの三人が、思わず声を揃えて驚きの声を上げる。ミカゲは無表情のままだが、わずかに目を見開いた。


「Gランクから、いきなりEランクですか!?」


セリウスが信じられないという顔で尋ねる。通常、GからFへの昇級でも大変なのに、いきなりFを飛ばしてEランクへの昇級など、前代未聞だ。


「ああ!Fランクへの昇級試験の内容は、大型魔物一体の討伐。お前たちはそれを遥かに超える功績を残した。ならば、Fを飛ばしてEに昇級させるのが妥当だろう!」


ガレオスは満足げに頷くと、四人に向けて親指を立てた。


「おめでとう、お前たち!初月でEランクなんて、学園始まって以来の快挙だぞ!」


生徒達から、拍手と歓声が湧き起こる。


「……飛び級、か」


レオンハルトは驚きながらも、すぐに力強く頷いた。


「ありがとうございます、ガレオス先生!この昇級に恥じないよう、これからも精進します!」


セリウスも深く頭を下げる。

しかし、その表情には複雑な色が浮かんでいた。自分は暴走してしまったというのに、こんな栄誉を受けていいのだろうか、と。


「え、えぇと……うち、何もしてへんのに……」


まふゆは困惑した様子で、周囲を見回す。自分はただミカゲに魔法をかけただけで、戦ってはいない。それなのに、飛び級だなんて。


「何を言ってる。あんたの強化魔法がなければ、ゴーレムは倒せなかった」


ミカゲが、いつもの無表情のまま、ぽつりと呟いた。

その言葉に、まふゆの頬がほんのり赤く染まる。


「そうだ!まふゆの支援魔術がなければ、誰も勝てなかった!立派な功績だ!」


レオンハルトも力強く頷き、まふゆの肩を叩いた。セリウスも小さく微笑む。


「……ありがとう、ございます……」


まふゆは恥ずかしそうに頭を下げた。再び大きな拍手が沸き起こる。




「さて!というわけで、お前たち四人には、この証を渡す!」


ガレオスは懐から、四つの銀色のバッジを取り出した。Eランクの証であるバッジだ。


「……本当によくやった。お前たちは、この学園の誇りだ」


ガレオスのその言葉に、レオンハルトは力強く頷き、セリウスは複雑な表情ながらも深く頭を下げる。ミカゲは無表情のまま受け取り、まふゆは困惑しながらもバッジを両手で受け取った。


新たなスタートラインに立った四人。

彼らの物語は、まだ始まったばかりだった。




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