VS真田一馬(決着)
【称号】
二条院優介:読心無双
真田一馬:勝ち組みギャンブラー?
【15ラウンド目】
「――銀貨の枚数、逆転したな」
優介が静かに口を開いた。
「残りの芹香の銀貨、返すならここで終わりにしてもいいぞ」
「……テメェ、ふざけんな!」
怒鳴り返した真田だったが、その声には明らかに疲労が滲んでいる。声量に反して、その顔色は青白く、焦燥と怒気が交じっていた。
(まあ……そうなるように仕向けたからな)
優介は淡々と独白する。
「最後のチャンスだったんだけどな。まあ、そう言うと……分かってはいたけど」
「このクソガキが……絶対、目にもの見せてやる……!」
「じゃあ、もう一回だけチャンスをやろう」
優介は言う。
「今回は、俺はどんな手でもオールインしてやる」
「……なんだと?」
「別にいいだろ? 仮にお前がコールして俺が負けたって、銀貨がゼロになるわけじゃないんだからな。気楽なもんだよ」
「舐めんのも大概にしろよ?」
そう吐き捨てるように言うと、真田は透華に目配せし、ディールを促した。
透華が配り始める。もう15回になる。慣れた手付きでただ機械のように、カードを一枚ずつ配っていく。
優介は、久しぶりに配られた手札に視線を落とす。
「なあ、真田」
「「黙れ!!」」
二人の声が重なった。
真田は思わず目を見開いたが、優介はくくっと喉を鳴らし、笑っていた。
「……って、言うだろうな。お前は」
「この野郎……!」
「ほらほら、そんなに頭に血が上ってると、手札が丸見えだぞ。……4のワンペアか。なんだ、弱いな。せっかくオールインするってチャンスやったのに、勝てない手札か」
優介の言葉に、真田は表情を強張らせた。
慌ててカードの裏や側面を確認する。だが、何も印は見当たらない。
「透華! お前、このガキとグルなんじゃねえだろうな……!?」
「はぁ? あたしは誰の味方もしないって言っただろ。そういうこと言い出すなら、さっきのカード全部、全員に点検してもらうことになるかもな」
透華は呆れたように言い返す。
「……チッ」
真田が舌打ちして向き直った。
「透華は関係ないさ。全部、お前の顔に書いてあるだけだ」
優介が、静かに断言する。
真田の手は震えていた。カードが曲がりそうになるほど、強く握りしめている。
「俺のカードは10と6のツーペアだ。残念だったな。残りのカードは……Kと、8と……2か。透華、真田はスリードローだ。せいぜい祈るんだな」
「テメェ、勝手に決めんな!!」
「……なんだ、違うのか? ツーペア同士だと、上位のペアが高い方が勝つんだよな? じゃあ……K、残すのか?」
「こんっの……!」
怒りはとうに限界を超えていた。声にならない声で、喉が震える。
「イカサマだ! カードになんか、印付けてんだろ!」
「何言ってんだ。どっちも、お前が用意したカードだろ。どこにそんな印があるっていうんだよ。証拠もないのに言いがかりをつけるのは、お前の世界では成立するのか?」
真田は、もう声を出すこともできず、唇を噛んだまま座り込む。
「ツードローだ! 絶対にぶっ殺してやる!!」
……"優介の誘導通り"、真田は2枚のカードをチェンジした。
そして、新たに配られたカードを確認すると――
「……っしゃあ!」
笑みを漏らした。
「Kを引いた! ツーペアだ! テメェ、今更オールイン取り消すなんて、クソみてぇなこと言うんじゃねえぞ!!」
「……おお、やるな。だけどまだ終わってないぞ。俺だってトレードするんだからな」
優介が軽く手を上げる。
「透華、ワンドローだ」
1枚だけカードを引いた優介は、そのカードをちらりと見てから、ふっと息を吐いて、それを伏せた。
「まあ、こんなもんだよな……」
静かに呟くと、銀貨の山を指で軽く弾き、
「――約束だし、してやるよ。オールイン。……だけど降りるなら、今のうちだぞ」
「ふざけんな! そんな簡単に役が上がるわけねーんだ!降りるわけねぇだろ! ぶっ殺してやる!」
ショウダウン
真田の手札:
♦K♠K ♣4 ♥4 ♠7(ツーペア)
優介の手札:
♣3 ♦3 ♥3 ♠9 ♦4(スリーカード)
「………は?」
真田が絶句する。
「悪いな。ツーペアっていうのは――嘘だ」
優介が静かに言い放った。
「それに……3枚交換してたら、この“4”が入ってお前の勝ちだったんだがな。……自爆したな」
優介は銀貨を全てかき集めて、無言で席を立つ。
真田は呆然としたまま、何も言えずにそこにいた。
その顔を、至近距離で優介が見つめる。
氷のように冷たい眼差しで、目を逸らすことなく言った。
「お前の負けだ。芹香に、詫びろ」
[優介97枚・真田0枚]
【獲得称号】
真田一馬:スッカラカン ← NEW




