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異世界に行ける可能性は微粒子レベルで存在している  作者: Lemuria


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41/66

VS真田一馬(決着)

【称号】

二条院優介:読心無双

真田一馬:勝ち組みギャンブラー?

【15ラウンド目】


「――銀貨の枚数、逆転したな」


 優介が静かに口を開いた。


「残りの芹香の銀貨、返すならここで終わりにしてもいいぞ」


「……テメェ、ふざけんな!」


 怒鳴り返した真田だったが、その声には明らかに疲労が滲んでいる。声量に反して、その顔色は青白く、焦燥と怒気が交じっていた。


(まあ……そうなるように仕向けたからな)


 優介は淡々と独白する。


「最後のチャンスだったんだけどな。まあ、そう言うと……分かってはいたけど」


「このクソガキが……絶対、目にもの見せてやる……!」


「じゃあ、もう一回だけチャンスをやろう」


 優介は言う。


「今回は、俺はどんな手でもオールインしてやる」


「……なんだと?」


「別にいいだろ? 仮にお前がコールして俺が負けたって、銀貨がゼロになるわけじゃないんだからな。気楽なもんだよ」


「舐めんのも大概にしろよ?」


 そう吐き捨てるように言うと、真田は透華に目配せし、ディールを促した。


 透華が配り始める。もう15回になる。慣れた手付きでただ機械のように、カードを一枚ずつ配っていく。


 優介は、久しぶりに配られた手札に視線を落とす。


「なあ、真田」


「「黙れ!!」」


 二人の声が重なった。


 真田は思わず目を見開いたが、優介はくくっと喉を鳴らし、笑っていた。


「……って、言うだろうな。お前は」


「この野郎……!」


「ほらほら、そんなに頭に血が上ってると、手札が丸見えだぞ。……4のワンペアか。なんだ、弱いな。せっかくオールインするってチャンスやったのに、勝てない手札か」


 優介の言葉に、真田は表情を強張らせた。


 慌ててカードの裏や側面を確認する。だが、何も印は見当たらない。


「透華! お前、このガキとグルなんじゃねえだろうな……!?」


「はぁ? あたしは誰の味方もしないって言っただろ。そういうこと言い出すなら、さっきのカード全部、全員に点検してもらうことになるかもな」


 透華は呆れたように言い返す。


「……チッ」


 真田が舌打ちして向き直った。


「透華は関係ないさ。全部、お前の顔に書いてあるだけだ」


 優介が、静かに断言する。


 真田の手は震えていた。カードが曲がりそうになるほど、強く握りしめている。


「俺のカードは10と6のツーペアだ。残念だったな。残りのカードは……Kと、8と……2か。透華、真田はスリードローだ。せいぜい祈るんだな」


「テメェ、勝手に決めんな!!」


「……なんだ、違うのか? ツーペア同士だと、上位のペアが高い方が勝つんだよな? じゃあ……K、残すのか?」


「こんっの……!」


 怒りはとうに限界を超えていた。声にならない声で、喉が震える。


「イカサマだ! カードになんか、印付けてんだろ!」


「何言ってんだ。どっちも、お前が用意したカードだろ。どこにそんな印があるっていうんだよ。証拠もないのに言いがかりをつけるのは、お前の世界では成立するのか?」


 真田は、もう声を出すこともできず、唇を噛んだまま座り込む。


「ツードローだ! 絶対にぶっ殺してやる!!」


 ……"優介の誘導通り"、真田は2枚のカードをチェンジした。


 そして、新たに配られたカードを確認すると――


「……っしゃあ!」


 笑みを漏らした。


「Kを引いた! ツーペアだ! テメェ、今更オールイン取り消すなんて、クソみてぇなこと言うんじゃねえぞ!!」


「……おお、やるな。だけどまだ終わってないぞ。俺だってトレードするんだからな」


 優介が軽く手を上げる。


「透華、ワンドローだ」


 1枚だけカードを引いた優介は、そのカードをちらりと見てから、ふっと息を吐いて、それを伏せた。


「まあ、こんなもんだよな……」


 静かに呟くと、銀貨の山を指で軽く弾き、


「――約束だし、してやるよ。オールイン。……だけど降りるなら、今のうちだぞ」


「ふざけんな! そんな簡単に役が上がるわけねーんだ!降りるわけねぇだろ! ぶっ殺してやる!」




 ショウダウン

 真田の手札:

 ♦K♠K ♣4 ♥4 ♠7(ツーペア)


 優介の手札:

 ♣3 ♦3 ♥3 ♠9 ♦4(スリーカード)


「………は?」


 真田が絶句する。


「悪いな。ツーペアっていうのは――嘘だ」


 優介が静かに言い放った。


「それに……3枚交換してたら、この“4”が入ってお前の勝ちだったんだがな。……自爆したな」


 優介は銀貨を全てかき集めて、無言で席を立つ。


 真田は呆然としたまま、何も言えずにそこにいた。


 その顔を、至近距離で優介が見つめる。


 氷のように冷たい眼差しで、目を逸らすことなく言った。


「お前の負けだ。芹香に、詫びろ」



 [優介97枚・真田0枚]

【獲得称号】

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