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異世界に行ける可能性は微粒子レベルで存在している  作者: Lemuria


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招待状

【称号】

二条院優介:上級国民様

天ヶ瀬ゆみ:おっとり系アグレッシブ

京山緑:癒し系幼女

「そんなことがあったんですね。」


 ゆみさんは、優介の話を聞き終えて、ふんわりと微笑んだ。


 昨夜とは打って変わって、どこか晴れやかで穏やかな顔をしている。あえて、昨夜のことには触れないが、その表情だけで優介には十分だった。


「優介さんが間に入ってくれて良かったと思います。……勝手に部屋に入るなんて、緑ちゃんだってそんなことしませんよ。」


「うーん? しないよ。だってそれ、ルール違反だもん。」


 緑は素直に、少しだけ顔を上げて相槌を打った。


「でも、なんでそんなことしたんだろうね。ただの興味ってわけじゃないだろうし……やっぱ、何か企んでるのかな。」


 その言葉に、俺は静かに頷く。


「……さぁなぁ。何考えてるかは、わからない。」


 食事を口に運びながら、ぽつりとこぼす。透華がふざけているのか、本気で何かを狙っているのかはわからないが――


「まあ、用心するに越したことはないかな。透華は確か、鍵が開いてたから入ったって言ってたし、ちゃんと鍵、かけて部屋を出よう。」


 ぼそりと呟いて、ふと――自分の部屋のことが頭をよぎった。


 ――そういえば、俺……鍵、かけたっけ?


 考えようとするが、どうにも思い出せない。そもそも、扉に鍵をかけた記憶自体が曖昧だ。


 いや、きっと……いや、多分……どうだったかな。


 箸を止めたまま、ぼんやりと天井を見上げた。


「……まあ、戻ったときに確認しよう。」


 さっきの決意が一分で霧散した気がして、気を紛らわすように再び食事を口に運んだ。


 


 部屋に戻ると――案の定、鍵は開いていた。


「……マジか。」


 苦笑しながら、今度はちゃんと気をつけようと心に刻む。ドアを引き、中に足を踏み入れた瞬間――目に飛び込んできたのは、机の上に置かれた一枚の紙だった。


「……なんだこれ。」


 明らかに見覚えのない紙。部屋を出る前と寸分変わらない室内で、これだけが記憶と大きく乖離している。


 ただ、メモを手に取る前から、察しがついていた。


 ――透華のやつ、懲りずに俺の部屋まで入りやがったか。


 呆れたようにため息をつきながら、メモに目を通す。


 


『8番の部屋に来てください』


「………………なんだこれ。」


 再度、同じ言葉が口をついて出た。


 まさか、本当にあいつが?


 意味も理由もさっぱりわからないが――行かないという選択肢に、妙に強い引っかかりを感じた。透華の悪ノリであったなら、付き合う義理もないし、無視しても良い気はするのだが……


 行かない方が、嫌な予感がする。とりあえず無視はしない方が良さそうだ。


 メモをポケットに突っ込み、部屋を出る。8番の部屋は、今いる5番の部屋とは反対側。


 通路を抜け、角を曲がり、目的の扉の前に立つ。


 軽くノックした。


 数秒後、中から声が聞こえる。


「どうぞ、お入りください。」


【獲得称号】

なし

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