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ダンジョン「地球」の管理者は、人生二度目の天使さま。  作者: 伊里諏倫
天使の見る夢

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55/103

プロローグ

 はじめは一人だった。

 けれどすぐ、四人になった。


 だから四人、旅をした。

 退屈な故郷を飛び出して――



 仮に背の翼がなくたって、四人ならば何処までも行ける気がした。



 死の大地広がる砂の星も。

 永久凍土に閉ざされた眠れる星も。

 年がら年中喧嘩しているような鬼人の星でも。


 小さな宇宙船一つで訪れて、目を輝かせる。

 愚かにも、そんな日々がいつまでも続くと思っていた。


 自分たちはただ猶予期間(モラトリアム)を過ごしているだけで。

 ほんの少し、大人になるのが遅れただけだと。


 理解したのは、また一人になった時。



『ほらゼル! 何してるの、先行くよ!』



 そういって手を引いてくれた仲間は、もういない。


 有翼人種(ハーヴェン)は生きることを止めた時、誰もが「霊樹に還る」のだという。

 何故自分は生まれたのか。

 その大命題を解き明かし、満足した者から消えていく。



 ――ならば、自分は?



 どうしてまだ、生き永らえている?

 どんなに歳を重ねたところで、答えなど見つからない。


 だから老天使は今日も霊樹を見つめ続ける。


 そこに在りし日の夢と面影を重ね合わせ――

 探し続けている。



 自分が生まれた意味。

 ()()()()()を。


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