見取り稽古と秋の空・下(姉村香菜)
【連続投稿 2/2】
ゴブリンの中でも飛び抜けて強い個体。
特殊個体の存在が探索者の中で噂されるようになったのは、香菜が敗北の苦渋を舐めてからすぐのことだった。時を追うようにして、その出現条件が推測されていく。
たとえば階層に似合わない高レベル者。
たとえばダンジョンの風紀を乱す不届き者。
そうした異端者を狩るため、彼の小鬼は現れる――らしい。
ともかくとして、香菜は自ら特殊個体を求めて「ゴブリン窟」を練り歩いた。
大抵空振りに終わる捜索だったが、時々出会うことも出来て、その度に敗北を積み重ねていった。ある時はスキルを盛大に空振り、反撃をくらって。またある時は追い込んだと思ったら、巧妙なフェイクで。
次第に遭遇する度「またお前か」と言わんばかりの顰め面を返されるようになるまで挑み続けた果て、ついに勝機が訪れる。
何度目かのイレギュラー戦。
我慢強く剣戟を繰り返し、体格やレベルといった有利を基に相手を動かさない。そうして徐々に徐々に、足が重たくなってきたところで剣を振りかざす。
「――ここっ!」
基本の【袈裟斬り】スキルが輝いて、ゴブリンを断ち斬った。
スキルは強力な反面、対応されれば大きな隙を晒す諸刃の剣だ。だから使い時を見極める必要があると知った。受けた教えを返すなら今。
『……!』
特殊個体はいくら強いといっても、素体はダンジョンを徘徊する普通のゴブリンであり、探索者のスキルを真正面から受け止められるほど頑強に出来ていない。だから決着は思いのほか呆気なく訪れた。
それでも香菜は荒い息を吐きながら、残心して行く末を見守る。
「すっ……ふっ……!」
ほどなくして――ポリゴンが舞った。
憎きゴブリンが消滅し、その場に紙切れをひらひらと落とす。
「…………っし! どんなもんよ!」
万感の思いを籠めて拳を握る。
ここは道場でなくダンジョンだから、眉を顰める者もいない。
一頻り喜んでから、香菜は自嘲の笑みを浮かべた。
(ま、こっからが本番なんですけどね)
彼女が苦戦している間に攻略は進んだ。今や特殊個体は真のボスへ挑むための試し役で、前哨戦にしか過ぎないことが分かっている。もっとも、その前哨戦すら突破出来ない探索者が多いことを思えば、十分称賛に値するだろう。
もし香菜が配信をつけていたら祝福のコメントが流れたに違いない。
だが、こんな泥臭いところをファンに見せるなんてごめんだし、たった一回の勝利に浮つけるほど楽観的でもない。
薄氷の上、何とか幸運を拾っただけだ。
だから気を引き締めて、特殊個体がドロップした『果たし状』を拾った。
『クエスト:小鬼たちの哀歌が発生しました。〈小鬼の剣聖〉から果たし状が届いています。挑戦を受け付けますか?』
「当然、イエスよ!」
頭に響く神の声。
曲がりなりにも剣士として断る選択肢はない。
ぱっと視界が切り替わり――いつの間にか香菜は緑の平原に放り出されていた。
散々探索者仲間から聞いたり、動画も見てきたから驚かない。
正面を見据えると、岩の上に胡坐をかいていた一体の小鬼が、やおら立ち上がる。香菜はゴブリンについて詳しくないから、これまで見てきた個体に比べ、若いのか、あるいは年老いているのか分からない。
ただ。
『……次の相手はお前か』
でこぼこした岩肌の上、天に向かってしゃんと立つその姿を。
一人の剣士として、綺麗だと思った。
「何、あたしが相手じゃ不満?」
『そう急くな。見たところ、お前もまた剣の道を志す者。いざ、尋常に……』
「勝負ッ!」
走り出しながら、香菜は【風纏い】を発動する。
手に持った片刃剣が淡く輝き、開戦の時を待つ。
「せェりゃああああッ!」
初手、頭の上へ翳した剣を全力で振り下ろせば。
『……青いな』
後手、〈小鬼の剣聖〉が敢えて真正面から迎え撃ち、鍔迫り合いに入る。
火花が散って、壮絶な押し合いにあるかと思いきや、動かない。
もっとも香菜に限っては動けないというのが正確なところだった。
「ぐっ……!?」
互いの刃が寸分たりとも震えず、静止している。
完全に拮抗している証拠。
しかし、少し考えるだけであり得ないと気づく。
合わせられたのだ。
香菜が重心をずらそうと力の入れ方を変えれば、ぴたりとそれについてくる。どんなに押し合っても、足し引きがゼロになる。結果、膠着状態が生まれていた。
(な、に、これ……!)
手どころか足さえも動かせない。
動け動けと香菜が歯を食いしばれば、不意に〈小鬼の剣聖〉が小手を返した。
たったそれだけ。にもかかわらず、香菜は宙に投げ飛ばされていた。
「にゃ!?」
特殊個体との激闘で何度も地に転がされてきた香菜だ。咄嗟に受け身が間に合って、転がりながら距離を取る。真正面を睨めば、相手は距離を詰めるでもなくこちらを観察していた。
(……意味、わからんのだけど。今あたし、何された?)
互いの袖を掴んで組み合っていたわけじゃない。にも拘わらず、小手返しの要領で捻じり倒された事実。達人は剣を手足の如く扱うと言うが、それにしたって異次元だ。本当に腕の代わりで使うヤツがいてたまるものか――
(これが……剣聖……!)
体を強張らせた香菜に、小鬼が問いかける。
『どうした、来ないのか』
「っ、言われなくても!」
香菜とて、事前情報もなしにここまで来たわけじゃない。目の前のゴブリンが格上の相手だということくらい、挑む前から分かっていた。
とにかく一太刀。
そう決めて前へ踏み出す。
「はぁあああああッ!」
『速さは申し分ない』
「こんの……!」
『だが、思慮が足りんな。それに――』
「面! 面! めぇええええん!!」
今の自分に出来る全力を持って、香菜は剣を振り回す。
しかしどんな角度から斬り込んでも、するりと受け流されてしまう。まるで水を斬っているかのような感覚だ。
通じない度、がむしゃらになっていく攻め筋。
その隙を見逃すほど相手は甘くない。
『――ふんッ!』
「あっ!?」
それまでと同じように受けると見せかけて、〈小鬼の剣聖〉が香菜の剣を巻き上げる。いとも容易く手の中から柄が離れ、彼方へ飛んでいった。
一瞬、香菜の頭が真っ白になる。
ただ絶望するより先に負けず嫌いが先にきて、足を出す。すなわち左足を軸にした回し蹴りを放つも、ふんわりと受け止められた。
『手間が省けた』
そう言いながら小鬼は香菜の足を掴み、振り回して投げ捨てる。
「っ……!」
遠心力の導きが、香菜を遠くまで吹き飛ばす。
かろうじて空中で体勢を整え、地面を転がれば、何度も回転したうえでようやく止まった。息も絶え絶えに顔を起こす。すると、すぐ傍に弾かれたはずの剣が突き立っていることに気がついた。
決して偶然じゃないだろう。拾え、というのだ。
騎士道精神か何か知らないが、その優しさ――絶対的な慢心に、ふつふつと怒りを覚える。
(……なめてくれるじゃない)
もっとも、そうされるだけの実力差があるのは確かだ。
いくら言葉を重ねたところで、否定する方法は一つ。
悔しさを飲み込み、香菜が立ち上がった時。
『影が見えるな』
おもむろに〈小鬼の剣聖〉が口を開いた。
草を踏み分け、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。
『くだらん妄執は捨てろ。お前の剣は、お前のものだ』
「……は? 何、言って」
『自分でも気がついているだろう――非力な剣士よ』
どく、と心臓が脈打った。
それを隠すように香菜は言う。
「……あたしが女だからって、随分言ってくれんじゃない」
『戯け』
「んなっ?!」
『有りの儘、己を受け入れる事。お前は基本が出来ていない。そのまま不出来な、誰とも知らん影を追いかけ続けるというのなら……ここで果てるが良いッ』
「く……!」
安い挑発だ。そう思うのに、どうしてか俯く。
いつもの香菜ならこんな時、売り言葉に買い言葉で勇ましく言い返していたはずだ。けれど目線を落とし――自然と己の手足を見つめた。そこにあるのは一年半もの間、遮二無二鍛えてきた証。
澄花は――幼馴染はスレンダーだと褒めてくれるけれど、自分では鶏ガラだとしか思えない、肉付きの悪い体が映る。
(……ありのままじゃ、駄目なのよ)
ほぞを嚙んだところで敵は待ってくれない。
地に映る影が激しく踊り出す。
はっと目線を上げれば〈小鬼の剣聖〉がすぐそこにいた。
「う、あぁあああああッ!!」
弱気な自分をかき消すよう、吠える。
真っ二つに叩き斬るつもりで振り落とした刃は、しかし、あっさりと弾かれた。
(どうしてあたしはこんなにっ……弱いんだ!)
つい、考えてしまう。
もしこの場にいるのが自分でなく、〈重剣士〉の親友だったら。
(あたしだって、ミカみたいに背が高かったら!!)
体格に恵まれた彼女なら、きっと攻撃を弾かれたりはしない。力に任せて押しきれていたはずだ。つまり悪いのは自分で、徹頭徹尾、努力が足りない。非力だなんてそんなこと、言われなくとも分かっている。
だから少しでも友の背に追いつこうと剣を構え、
(……ミカ、だったら?)
違和感を覚えた。他ならない自分の言葉に。
――お前の剣は、お前のものだ。
いつからだろう。
一体いつから、自分は友の真似事をしていた?
知らず動きを止めた香菜へゴブリンが迫る。
『しィ……!!』
惚れ惚れするほど鮮やかな剣筋だ。〈小鬼の剣聖〉が操る刃の行く末。それにしばし、目を奪われる。その切っ先が首元へ届く直前、香菜はようやく動き出した。僅かに上体を逸らして何とかやり過ごす。
すかさず反撃すれば、ひょいと躱され、不発に終わった。
『――目が醒めたか?』
その問いかけに、香菜は剣で答えた。
鋭く踏み込んで突きを放つ。結果は見るまでもない。手ごたえがなかった時点で、素早く腕を引いている。そのまま一呼吸の間に斬りかかり、受けられるも、鍔迫り合いはせず後ろに下がった。
『そうだ、それでいい』
「…………」
『己が才に抗うな。人は誰しも、自分だけの道を持っている』
「……いちお、礼言っとくわ」
香菜はずっと――嫉妬していたのだ。
自分より背丈も膂力も違う親友に。
けれどその醜さを認められなくて、羨む心が自ずと剣に現れていた。彼女の真似事をして大上段に構えたところで、所詮模倣の域を出ない。烈火のような攻めだってそうだ。本来、香菜のスタイルは相手の攻撃を受けず、躱し、捌く在り方のはず。
そんなことも忘れて、出来もしない『強さ』を追いかけて。
結果、弱くなっているんじゃ話にならない。
(あたしの強み。……誰にも負けない、速さ)
一つ息を吸えば、冷たい空気が頭を落ち着かせてくれる。
基本に立ち返って姿勢を正す。体の前に真っすぐ剣を持ってくると、今何をすべきかが見えてきた。レベルか、あるいはスキルのお陰か。唯一自信を持って、速度だけは上回っているという自覚がある。
ただ、闇雲に斬りかかったところで効かないだろう。
活路があるとすれば――後の先だ。
相手の攻めを見極めて、神速の反撃で突き刺せばいい。
言うは易し。それでも意味のない力押しをするより、万倍マシだ。
『何か狙っているな』
「……!」
『まぁいい。見せてみろ。俺の首はここにある』
とんとん、と〈小鬼の剣聖〉が首を叩く。
それから滑るように前へ出た。
香菜はその一挙手一投足をつぶさに睨む。
初めから彼我の距離などあって無いようなものだ。すぐ剣が届く位置になって、それでも下段に構えたまま、じっと相手が仕掛けてくるのを待つ。ゴブリンの手足は自分と比べ、短い。ならばリーチを生かして差し合いに勝つ。
(集中――)
息をするのも忘れて両眼を見開く。
やがて〈小鬼の剣聖〉以外、すべてのものがぼやける。ともすれば、ゆったりとした流れに感じる時の中、起こりが見えた。
一閃――己に向かって疾る、一振りの剣へ呼応して。
香菜もまた鋭い斬り返しを放つ。
瞬間、追い風が吹いた。
加速する刃が相手よりも早く、速く、小鬼の剣士へ届く。
ただ先に斬ることだけを念じて腕を伸ばせば――二本の指がそれを阻んでいた。
「!!??」
真剣白刃取り。
一体いつ、手を離したのか。それすらも分からない。ただ、気がつけば両手から片手持ちに変えていた〈小鬼の剣聖〉が、左手の人差し指と中指で香菜の一撃を受け止めていた。正しく神技だ。
驚嘆するより先に困惑がきて、
「…………か、ふ」
鎖骨を斬り砕かれていた。
『さらばだ、若き剣士よ』
痛みと衝撃で踏鞴を踏み、下がる香菜へ、斬撃の雨が降る。
瞬きの間、幾度となく閃いた刃は、彼女に完膚なきまでの敗北を刻んだ。
しかし不思議と悔しさは無かった。
膝をつき、死に戻りの光に包まれる中で。
――見たか?
小鬼の目が、確かにそう言っているのを感じた。
だから香菜は残された力を振り絞り、微かに頷く。
瞼の裏には剣聖が最後に振るった、驟雨の如き剣戟が色濃く焼きついていた。
全部で九つ。
お手本のような、美しい太刀筋が。
それは香菜が目指すべき到達点であり――導であった。
◇ ◇ ◇
昼休み。歓談に勤しむ賑やかな校舎の横で、剣道場は緊張に包まれていた。
重苦しい静寂を切り裂いて、喊声が轟く。
「キィエエエ――――ッ!」
気勢の主は姉村香菜だ。
床を鳴らし、振るった竹刀が対戦相手の面防具を打つ。すかさず、傍で見守っていた少女、金剛澄花が旗を上げた。
「い、一本!」
十人が十人、文句もつけずに頷くほど綺麗な一打だ。
したがって香菜と対峙していた少年もまた、ただ唖然とするしかない。
「嘘……だろ……」
「あ? 何よ、まさか判定がおかしいとか言うんじゃないでしょうね」
ダンジョンでのゴブリン騒動が落ち着いてしばらく。香菜は同じ剣道部に所属する同期の男子に勝負を挑んでいた。といってもこれが初めてのことじゃない。今まで幾度となく挑んでは負けてきた。
その借りを今日、ようやく返せた形だ。
「み、三角くん! わたし、贔屓なんかしてないよ!」
「……ああ、分かってる。俺の負けだ」
「ふぅん。嫌にしおらしいじゃない」
香菜からすれば因縁の相手、一言目には「汗をかくなんてダサい」が来るような、いけ好かない男だ。口を開けば喧嘩ばかりしてきた。だから素直に負けを認めたことが不思議に思える。
「ま、いいわ。たった一回の勝利でも、勝ちは勝ちよ。約束通り、今日から心を入れ替えて、真面目に練習すること! いい?」
「……チッ」
「おおん? 反省の色が見えませんなぁ?」
「それは条件に含まれてないだろ……。分かった分かった。ちゃんと顔出せばいいんだろ。男に二言はねぇよ」
「ならいいけど」
言うなり、三角と呼ばれた少年は更衣室へ消えていく。
香菜はその背中を、面を外して見送った。
「……調子狂うわ。もっとキーキー言ってくるかと思ったのに」
「それだけショックだったんじゃないかな? って、そうだ! カナちゃんすごいよー! まさか三角くんに勝っちゃうなんて!」
「ふふん、もっと褒めたたえなさい」
薄い胸を張れば、澄花がぱちぱちと手を叩いてくれる。
「はいはい! カナ先生! 勝利の秘訣をぜひ、わたしにも教えてください! 決め手は一体、何だったんですか?」
「ほっほっほ、そうじゃなぁ……」
まるで在りもしない顎髭を撫でるかのように手を動かす香菜。初め、冗談交じりに答えようと思ったが、ほどなく頭の中に浮かんできた言葉が、自然と心を引き締めた。
「――ゴブリン流、かな」
薄く微笑めば、親友がきょとんとした顔を返してくる。
「あ、や、小さいヤツには小さいなりの戦い方があるんだって分かったのよ」
「……カナちゃん、別に小っちゃくないよね?」
「ほほう。よくもあたしの前でそんなことが言えるわね、このおっぱいお化けが!」
「え、えぇ~!?」
少女二人、姦しく乳繰り合う。きゃいきゃいと声が響いて、既に着替え終わった三角少年が、気まずさから出て来られず、そっと窓から抜け出したのは内緒だ。
散々騒ぎ合ってから、一息。
「そういえばあいつ、辞めないわよね?」
「え? 三角くんのこと?」
「そ。だってあいつ、紫条先輩狙いだったじゃない」
「…………へ」
黙っていれば色男な同期は、あちこちで浮名を流しているらしい。その割にガールフレンドを見たことはないが、と思いつつ香菜は語る。
「だから去年、先輩が卒業した時点でさっさといなくなるかと思いきや、抜けなかったでしょ? まぁ惰性で名前を残すなんてよくある話だから、こうして引導を渡してやったのに、まだ居残るとか……。何あいつ、意味分かんなくない? 本当に今度からちゃんと練習にくんでしょうね」
香菜の頭の中では「勝ったら部活に来させる」→「面倒臭くなって辞めるハズ」という方程式が出来ていた。だから頻りに首を捻ったのだが、それを澄花は冷ややかな目で、じとっと見やる。
「……あのね、カナちゃん」
「あによ」
「三角くんは別に、紫条先輩のこと好きじゃなかったと思うよ」
「え゛」
「尊敬はしてたっぽいけどね。先輩、カッコイイし強かったから。三角くんが本当に好きなのは――ううん、何でもない。本人のいないところでする話じゃなかったね。よし、購買行こうよ。昼休み終わっちゃうから」
「ちょっ、気になるでしょうが! あいつが好きなのは、何!? 最後まで話しなさいよ!」
みょーんと澄花のほっぺを伸ばしながら聞くと、彼女は慈愛の笑みを浮かべて言った。
「カナひゃんは、そのままでいひぇね」
「はぁ!? どういう意味よそれぇ……!」
姉村香菜。彼女は親友である金剛澄花と比較して、自分が冴えない「鶏ガラ女」だと思っているが。その実、親友や周りからはすらっとしたモデル体型だと思われていることを知らない。誰でも隣の芝生は青く映るものだ。
したがって、少し気の強い猫目美人の少女は、一生解けるはずのない難題に、頭を悩ませることになるのだった。
ダンジョンでは勇猛果敢な剣士であっても。
一歩その外に出れば、恋多き、普通の学生に過ぎないのだから――
翌年。
そんな彼女たちがインターハイで全国に進み、「無名校の快進撃」として世間を賑わすことになるのは、また別の話。




