小学校3年生…交通事故
頭を打って頭がよくなるなんていう事はあるのか?
小学3年に進級。クラス替えとなり野口から解放され、宮沢を積極的にイジメていた3人とも別のクラスになるとその途端、今までの1年半は何だったんだ?というぐらいにイジメは無くなった。
だからといってのび太が途端に出木杉になるか?といえばそんなわけも…あった。
幸いにして、ただ1人の女子の友人とは既に疎遠になっていたものの、残る男子の友人とは同じクラスとなり、友情は続いていた。
それは、彼の家に遊びに行く休日の事。横断歩道はすぐ近くだというのに車がいない事もあり道路に飛び出し…そして宮沢、跳ねられた。跳ねられたというより跳ね飛ばされた。違法駐車していた車のため、宮沢の目には右から来る車が見えず、また自動車側からも違法駐車のため宮沢の姿が確認出来ていなかったのだろう。
飛び出した宮沢が悪い。無論、違法駐車していた車の陰から突然、子供が飛び出す可能性はあるため、ドライバー側も本来は注意しないといけない事。そしてそもそも車道と歩道に跨るように違法駐車している車が何よりも悪い。が、ここでは誰が一番悪かったのか、そこは問題ではない。
跳ね飛ばされた瞬間、何が起きたのかわからない。視点が回るという表現は相応しくない。視点は何も捉えていない。一瞬で変わる景色、言葉通り「何が起きているかわからない」。
そして頭を打ち付けた。頭から落ちたのではない、落下の衝撃で頭も打った。幸い、落ち方が良かったのか大きな怪我もなく病院に行く事もなくちょっとした事故、それでその日は終わった。だからといって、そのまま警察その他どこにも連絡することなく立ち去ったドライバーの態度にはかなり問題があるように思えるが、今回そこも問題ではない。
その日以来、宮沢の成績は跳ね上がる事となった。小学校1年から2年間、のび太だった宮沢は小学3年生になると突然、その成績は激変した。小学校3年生1学期の成績は体育以外はオールA…世間的にいえばオール5。全科目最高成績ということである。
実際、原因はわからない。担任が変わった事によるのか、事故で頭を打ったことによるのか。ただはっきりしているのは小学校3年生から成績が激変したという事実のみである。
そして、これが結果「同年代の周りはバカばかりだ」という思考への入り口となってしまった。
ウソみたいな話だろ?