小学校2年生…誰にも必要とされていない
小学1年生から代わり映えのない同じ毎日。ほとんど記憶が無い中、強く記憶に残ってるのが今回の話。
「みなさんの好きな子の名前を言い合いましょう」
どんな発想からそんな下らない事をやろうと思ったのか、それが一体何になのか、担任の野口は学級会の授業でそんな事を言い出した。
クラスはざわつきながらも好意的な反応が多数を占めていたようだ。自分は誰に好かれているのか。誰が誰を好きなのか。
宮沢はどうせ自分を好きな人なんていないんだ、下らない。こいつ等は何を盛り上がってるんだと冷めた感情で学級会が終わるのをただただ待っていた。
ウソだ。
宮沢は内心期待していた、もしかしたら実は自分に好意を持ってくれている人がいるかもしれない。もしかしたら自分の名前が出る事もあるかもしれないと、誰かが答える度にどきどきし、そして自分の名前でないことがわかると失望していた。
そして野口は禁断の言葉を口にする。ここからは、男の子は好きな女の子、女の子は好きな男の子の名前をいいましょうと。一体、野口はそれを言わせて何をしたいのか。
宮沢はこんなの、誰も答えるわけがないと考えていた。他人に堂々と言うようなことではないと。けれど現実は違っていた。
意外と活発に手があがる。予想外の名前が出て沸く教室。宮沢に別に好きな女の子はいない。だから誰が誰を好きだろうとそれで傷つくことはない。それでも男子同士の時よりも強く、誰かボクを好きな人はいないんだろうか。誰か名前を言ってくれる人はいないのだろうかと切望した。1人でもいてくれればこの世界も変わるのに、と。
これが現実だ。1年生の時のように人間なんて滅べばいいのになんて事は思わなくなっていた。下らない嫌がらせにももう慣れていた。
けれど、得意だった算数の評価もついに落ち救いがない劣等生となっていた。そして1学期の体育には懲りずに、絶対に参加させないように自らしておいて「プールに参加しない」旨を記述する性格の悪さを野口はまたも見せる。
教師は正しい、絶対の存在だ、そんな考えは宮沢には既にない。野口は最低の人間だ、学校は最低だ、そんな認識である。
実際、この学級会は一体何だったんだ?と思う。どれだけ性格歪んでるとこんなテーマで学級会をやろうと思うんだろうね。