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第七話

第一章 ー奴隷、もとい革命家フライハルトー

数日が過ぎた頃、やっと覚悟を決めた俺は後には戻らないことにした。


”時間がない。“


その言葉が頭をよぎる。

ヨゼフ爺の破傷風は、すでに一般的な予防策では手に負えず、命の危機に晒されているからだ。


一刻も早く、この農園を出て医者に見せないと。


すでにヨゼフ爺は朝からしんどそうだった。

そのせいか、朝食を配給している際に周りのみんなが心配そうにしていたが、ヨゼフ爺は平気だと嘘をついているようだった、、、



そうしていつものように労働の時間になった。

だが、いつも以上に時間が短く感じていた。


「お前がフライハルトだな。」


隣から急に声をかけられた。俺の隣には誰もいなかったはず、

驚いて、恐る恐る隣を見る。

見るとフードのようなボロ切れで顔を隠している、怪しげな人物だった。

だが、ところどころ破けているので顔の一部が見え、誰かはわかった。いや、見たことがあった。


”耳が長い。“


「そうですが。

えっと、、もしかして、、、エルフの方だったり、します?」


震えながらだが、返事を返してみた。

異種族の人とは、まだ話したことがなかったので、緊張しまくっていた。


「ああ、見た目通りそうだが。とりあえず昼食を食ったら俺のところへ来い。話がある。」

「、、、え?」

「静かにしろ、監視兵にバレたら面倒なことになる。」


そう言われ、とりあえず仕事に戻った。相手の方は言った後、すぐにその場を離れて、元いた持ち場へ戻っていった、、、



昼時になり、昼食の時間となった。

相変わらず食べる気になれない蒸した何かを、無理矢理水で流し込んで飲み込んだ。時間が勿体(もったい)なかったからだ。

そうして喉を詰まらせつつも、俺は話しかけてきた方のところへ向かった。



「来たか。」


俺はコクリと頷き、隣に座った。


相手はすぐに見つかった。

なんせ隅っこでボッチで食べていたのだから。ちなみにまだ食べている最中(さいちゅう)だった。

急いで食わなければよかった、、


「お前、もう食べたのか。一口いるか?」

「全くもっていらない。(ニッコリ)

んで、話ってなに?」


とりあえず、さっそく本題を聞き出そうとした。

この人の場合ゆっくり食っているが、昼食の時間はあまり長く撮れないのである。


「ヨゼフ爺さんのことだ。あいつ、もうすぐで死ぬだろ。」

「え、なんで分かるの。」


つい、口が滑った。

あまりにも確信をついてきたものだから、驚きが隠せなかった。


「そりゃあ、いつもと様子が違うのと、若干だがあいつから死の匂いがしたからだ。それでいつも可愛がってもらっているお前に聞いたのさ。」


「エルフって鼻もいいんだね。」

「んまぁ、鼻がいいというか、なんというか、自然でも生き物でも死ぬ時はなんか変な空気が出てくるだろ。それでだ。」


あー、なるほど。

おそらくだがこの人は自然か何かの気配を感じられるのだろう。だから分かるのかな?

だけど、一つ何か言いたげな感じだった。


「そっか。そうなんだ。

それで、何か言いたげだけど、なにが言いたいの?」

「やっぱりわかってたか。

この拘束を解くのを手伝ってくれ。そうしたらヨゼフの野郎を助けられるはずだ。」


そう言って、彼は自らの手首を強調して見せた。

確かに何か両手首に重そうな、おそらく金属製のリングが付けられていた。

訳もわからず話を聞いたが、どうやら彼はエルフ族の者で、捉えられた際に魔法が使えるのでこのリングがつけられたそう。

ちなみにこのリングが魔法を使えない要因となっているらしい。

そして、このリングさえ外せればヨゼフ爺を魔法で救えるかもしれないらしい。

ちなみにその後に彼はここから脱出する気でいるらしい。


え?


「ねえ、ここを出るつもりって?

「ああ、もちろんだとも。」

「実を言うと、俺もその考えがあってね、策を考えていたんだけど。」


俺と彼、2人して顔を揃え、笑みを浮かべた。

そうして、互い利害が一致した、、、


「ちなみにそのリングはどうやったら外せるんだ?」

「ああ、簡単だよ。このリングを作った、そして魔法をかけた、魔法使いの血が必要なだけさ。」

「、、、はぁ!?」


俺は一瞬固まった。

もしかするととんでもないやつと手を組んだのかもしれない、、、

第七話 ー耳の長い拘束具(リング)の協力者ー


作者自身が夏休みに入ったので投稿頻度が少しは上がると思います!

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