表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

第一話

「、、、!、、、!?、、!」



んんっ、

意識が戻った。

何やら曇ったような声がする。


痛っ!?


「起きろ!奴隷風情が! 何勝手に寝ている! まだ仕事はたっぷり残っているぞ! ほら立て!」


痛み、そして強烈な罵声(ばせい)と共に、俺は目覚めた。


あくびをした。

口を開けた瞬間土が思いっきり入った。

あぁ、最悪の目覚め方だ。姿勢はうつ伏せ。それになんだか体も重い。

不快な思いを抱いていると、


バッチーンッ!



「痛って〜!」


強烈な痛みが背中に刺さり、思わず声が出てしまった。

うつ伏せの体勢から重い体をあげ視線を上にすると、目の前に大きな、細長い男が俺を睨みながら立っていた。


いや、違う。


“あれ?俺が小さくなってる!?”


腕、足、身体の至る所が痩せ細り、鞭で打たれたような跡が残っていた。

さらには背中に重い荷物のような物を担がされている。

そして、身につけている服は、ボロボロであり、もはや半分ボロ切れを着せられているような感じであった。


「なんだぁ?その眼は。 ま・さ・か〜! この俺様に反抗しようとしているんじゃないだろうなぁ? あぁ!?」


その男は俺を見下ろし、高圧的に、そしてイライラしながら俺を鞭打ちつけた。

それに対する俺の行動は、もちろん。


「すみません。すみません。」


鞭を打たれている理由はわからないので、とりあえず俺は、その男に土下座(どげざ)で謝った。

土下座。それは会社勤めで真っ先に習ったことの一つだ。

入社したての頃の俺は、すぐにミスを犯し、その度に先方(会社の取引相手)や会社に迷惑をかけ、その度に土下座をさせられてきたのである。

まあ、今思えば俺にミスの原因はあるとは思うけど、同じ部署の先輩が一応確認してくれたはずなのだが、、、


そんな過去は置いておいて、俺が土下座で謝っているにも関わらず、男がいっこうに()める気配はなかった。

おかげで、どんどんドンドン俺の背中には裂傷が広がり、半分ボロ切れみたいな服がさらにボロボロになっていった。

痛みが蓄積されていき、俺の体も、口からも悲鳴が上がっていた、、、

痛みで、意識が朦朧とし、視界が悪くなっていく頃、

俺と男の間に人影が入った。


「もうお止めくだされ、ヤーヴェ様。コイツは私から叱っておきますので。このままでは貴方(あなた)様の貴重な奴隷が死んでしまいます。」


「別に対した労働力にならないだろうよ、ヨゼフ。1人ぐらい問題はない!」


「コイツはまだ若いです。これからもっと使えるでしょうから。お願いします。今回だけは! 今回だけは!」


その言葉の後、俺への鞭打ちは終わった。

だが、その後すぐに俺は再び意識を失った、、、

第一話 ー転生先ー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ