グリフォンライダー
僕は一足先に、アクープの街へ戻ってきた。
どうやって来たか、知りたいかい?
それはきっと今僕の眼下にいる人達の反応を見れば、わかると思うよ。
「ちょ、おい、グリフォンが街まで来やがったぞ!?」
「どうなってやがる、ギルドの連中何やってんだ! 金出した分くらい働きやがれ!」
【これからあっしを従魔にするブルーノさんが普通に帰ったんじゃつまらないでしょう。任せて下さいよ、一つド派手に空から凱旋致しやしょうや】
そんな意味のわからない自信を持ったグリフォンと、それがいいと勧めてくるアイビーに言われるがまま、僕は今空路を取って街へとやって来ている。
しっかりと門の手前で降りたというのにこの騒ぎだ。
グリフォンが言っていたように、町中に飛び降りてたらどうなっていたことか。
僕はグリフォンから飛び降りて、距離を取ってから通用門にいる衛兵や並んでいる商人達の方へ大きく手を振った。
「安心して下さーい! 冒険者ギルドのものでーす! 危険はないでーす!」
大声で必死に伝えると、どうやら伝わったようで臨戦態勢だけは解いてくれた。
僕はゆっくりと彼らに近付いていき、事情を説明する。
グリフォンをテイムしたので、空から街へやって来たということを、アイビーのこと抜きで話したのだ。
「グリフォンを……テイムだと? その証拠はどこにある?」
「お座り!」
【へい!】
元気よくグリフォンが伏せをした。
おおぉ、という声にならない感嘆のようなものが各所から上がる。
「グリフォンをテイム……」
「グリフォンライダー?」
「「本物の、グリフォンライダーだ!!」」
恐がっていた人達もグリフォンが手懐けられたものだとわかると、態度をころりと変えた。
残っている恐怖のせいで感覚が麻痺しているのかもしれないが、彼らは皆僕の方を見て目をキラキラさせている。
ご神体とかを見るときのような、神々しいものを見るような目だ。
いやいや、凄いのは僕じゃなくてアイビーだからね?
やったの全部、彼女だから。
でも街の皆にそれを言って、アイビーが不遇を強いられても嫌だから言えない。
なんというジレンマだろう。
アイビーはこんなものを味わわせるために、僕にグリフォンと一緒に行けと言ったんだろうか。
「とりあえずギルマスへ事情を説明したいんで、入ってもいいですかね?」
「……ああ、だがさすがにグリフォンは街へ入れられんぞ? 多分そんなことしたら、物理的に俺の首が飛ぶからな」
「じゃあ適当にそこら辺で待っててもらいます」
「その方がいいだろうな。できるなら馬の見えないところまで行かせてくれると助かる。グリフォンなんて強力な魔物がいたら、怯えてまともに動けないだろうからな」
僕はグリフォンに適当に隠れててと告げ、肩にアイビーを乗せたままギルドへ向かった。
あまり人の気配とかに敏感ではない僕だけど、歩いているときに、背中に尋常ではない量の視線を浴びせられてるのがわかった。
……や、やりにくいなぁ、なんとも。
こういうの慣れてないからさ。
僕は今、グリフォンが出たらしいと騒然としている冒険者ギルドへ赴き、もう慣れた道のりを辿ってアンドレさんへ会いに行った。
疲れてるし、正直もう帰って寝たい。
ずっと、あり得ないことの連続で僕はもうパンクしそうだよ……。
【しんこからのお願い】
この小説を読んで
「面白い!」
「続きが気になる!」
「グリフォンライダーだ!」
と少しでも思ったら、↓の★★★★★を押して応援してくれると嬉しいです!
あなたの応援が、しんこの更新の原動力になります!
よろしくお願いします!




