街!入門!!
〈5人パーティーのリーダー〉
俺は目を疑った。俺を助けてくれただろう男が俺達を圧倒していた化け物を2太刀で倒した。俺達のパーティーランクはBだ。おそらくこの化け物はAランクに相当する化け物だろう。こんな魔物は見たことない。だがそれ以上におかしいのはこの男だ。俺のミスリルの剣を斬ったあの化け物を2太刀で倒すとは。しかもこの男は魔法すら斬った。魔法は斬れる。確かに斬れる。だが斬った後は魔術式が無くなり、残った魔力が暴走して爆発する筈だ。だが爆発していない。どういう事だ?とにかくこの男は信用できるのか?俺は見極めないといけない。
〈記憶喪失者〉
「助力感謝する。」
ぼーとしていたリーダーであろう男が俺に礼を言ってきた。さてどうするべきだろう?
1.......人助けに礼なんて要らない。
2.......怪我はなかったか?
3.......次はテメェの番だァァァ!ヒャッハァァァァァァ!
うん普通に2だな。
「怪我はなかったか?」
「あぁ.......大した傷は無い。」
「よかった。」
本当によかった。こいつに聞けば街が分かるだろう。
「リーダー!!やっぱり見捨てられませ.......あれ?」
リーダーの男が逃がした奴らが戻ってきたな。
「リーダー倒したんですか?」
「いや。この男が倒した。」
「この男が?何も武器とか持ってないし。あんな化け物倒せるなら異名を持ってるはずだよ?」
「確かにな。だがこんな男見たことがない。ん?武器は持ってたはずだが?」
「ねぇねぇ君。君は何処から来たの?」
盗賊っぽい女が話しかけてきたな。正直に言うか。嘘ついても得は無いだろうし。
「分からない。目が覚めたら森の中に居て、音を頼りに来たら君たちのリーダーが化け物と戦ってたから助けたんだ。」
「分からないって?記憶喪失ってこと?」
「多分。」
「ねぇ。話を聞いてたけどもしかして魔法剣が使えるの?」
魔法使いの少女な聞いてきた。
「なんか剣があればって思ったら出てきた。」
本当だ。あれは一体なんだったんだ?不思議だな。
「ともあれここに居るのは危険だ。ゴルドの街に向かうぞ。」
「分かりましたリーダー。」
「君はどうするんだ?」
「ついて行ってもいいんですか?」
「あぁ。大丈夫だ。まぁお礼だと思ってくれ。ちゃんとしたお礼は街に着いたらする。」
正直これだけでも有難い。
俺達が移動しようとすると倒した化け物が立ち上がった。
「ッ.......こいつまだ!」
「リーダー!!!」
だが化け物は襲わなかった。霧になった。そして俺の方に向かってきた。
「!?」
唐突だった。霧は俺の中に吸い込まれた。
「がァ.......」
激痛が走った。意識が耐えられない。意識が.......はなれ.......て.......く.......
〈5人のパーティ〉
「!?大丈夫か!!!」
化け物が急に立ち上がったと思ったら霧になり、この男に吸い込まれた。
「リーダー!どうしますか!」
正直どうすればいいのか分からない。
「ライリ。何か分かるか?」
「魔法で調べましたが特に異常はないようです。」
大丈夫なのか?とりあえずゴルドの街に行こう。
〈?〉
俺はどうしたんだ。ここは何処だ。!?何かが流れ込んでくる。これは.......記憶?.......。俺の名前はヨウだ。しかしなぜ急に記憶が.......。あいつか。あの化け物。あいつが記憶を持っているのか?名前の他にあの剣の出し方や剣技を思い出した。当分の目的はあの化け物の調査だな.......
〈ゴルドの街近く〉
「ん.......」
「目が覚めたか。」
あの男が俺を背負っている。
「あぁ.......ありがと。」
「大丈夫だったか?あの化け物が取り憑いたと思ったが。」
「いや大丈夫だ。」
「もうそろそろ俺達の番だ。」
「うん?」
〈街入口〉
「身分証を」
5人のパーティーの人たちが何かカードを出してる。
「誓の剣の方たちですね。.......はいもう大丈夫です。ところでそちらの方は身分証を出していないんですが?」
「こいつは記憶喪失らしいんでな。何も持ってないらしい。」
「それは本当ですか?」
「はいそうです。気づいたら森の中にいました。」
うん。森怖かった。
「.......はい。名前を教えて頂けますか?」
「ヨウです。」
「.......了解です。この後街の市役所に寄って行ってください。」
「いや大丈夫だ。こいつは冒険者登録させる。」
?????
「かしこまりました。では通って大丈夫です。」
「なぁ。なんで冒険者登録させるんだ?」
「身分証明書を作るためだな。あとお前は戦闘が出来るんだろ?こっちの方がいいと思ったからだ。」
助かる。多分戦闘以外出来ないだろうし。
「そんな簡単に作れるのか?」
「いや普通は作れない。だがたまに居るんだ。身分証明書を持ってない奴が。」
ふーん。そうなのか。ん?まてよ。
「嘘つけば身分証明書が何個でも作れるのじゃないか。」
「そこは大丈夫だ。1回登録するとこのゴルバルド国の中ではもう作れない。魔道具に記録されるからな。」
「ふむふむ。」
「さて。ようこそゴルドの街へ。」
なんか長くなりました。黒白です。ストーリーはぐだるかもしれませんが大目に見てくれると助かります。