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個性派JK☆勢揃いっ!  作者: M・A・J・O
第一章 高校一年生(二学期)
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第62話 まんが(朔良)

 今日は楽しくて騒がしい部活の日。

 だが、なぜか今日はいつもと様子が違っていた。

 なんと、みんな揃って静かに漫画を読んでいたのだ。


「なんか妙だと思ったら……そういうことか」


 実は、昨日がコミカライズ版『まほなれ』の最新刊の発売日で。

 その鑑賞会的なことをやっているというわけらしい。

 マンガ・アニメ研究会らしい面もあるようだ。


「はー、面白かった……やっぱ『まほなれ』はいいなぁ……!」

「もうあのガーネットが実は……ってところ、すごくよかったよ〜」

「原作もアニメも見てるのにこんな胸が躍るのはなんでだろうにゃあ〜……よき」


 ……よく考えたら、みんな「いい」しか言っていない。

 語彙力が乏しすぎやしないだろうか。

 まあ、そうなってしまうのもわかるが。

 素敵な作品を見たら、語彙力なんてものは存在しなくなるから。


「あたしも読もうかな」


 朔良も昨日『まほなれ』を買っていたようだ。

 カバンから漫画を取り出し、適当に座る。


「おおお……!」


 ――圧倒的画力。細かく描かれた線。原作愛溢れるストーリー。

 素晴らしすぎる。ベストセラーになっても不思議じゃない。

 こんなに素晴らしい作品を読めるなんて幸せすぎる。


「はあぁ〜……いい、すっごくいい……!」


 朔良も語彙力がなくなってしまったようだ。

 だが、不思議と嫌な感じはしなかった。

 これこそが、自分をより豊かに彩ってくれるのだから。


「ねーえー、もう読み終わったから遊ぼーにゃー」

「うおー! 鬱陶しい!」


 せっかく朔良が至福の時間を過ごしているのに、それを邪魔する者が現れた。


「私も……! 鑑賞会はもう終わりにしようよ」

「そうだね〜。トランプでもやる〜?」


 朔良が半分も読み終わらないうちに、周囲がだんだん騒がしくなる。

 これは静かに本を読むのは無理そうだ。

 パタリと本を閉じ、カバンの中にしまう。


「トランプするのか? あたしも参加するぜ〜」


 こういう風にみんなに合わせるもの、悪くないだろう。


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