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個性派JK☆勢揃いっ!  作者: M・A・J・O
第一章 高校一年生(二学期)
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第56話 ごはん(美久里)

「お腹空いた……お腹が空いて力が出ない……」

「おねえ……わかったから退いて。作業できない」


 今日は久しぶりに美奈が夕飯を作ってくれるようだ。

 嬉しくて思わず抱きついてしまったのだが、鬱陶しがられることになった。


 次からはやめようと心に決め、とぼとぼと自分に出来る食事の準備を始める。

 心が沈んでいたため、美奈の寂しそうな視線に気づくことが出来なかった。


「出来たよー」

「おー! 待ってました!」


 美久里は飛び上がり、出来上がった料理をまじまじと見る。

 それは黄金に輝く宝石のようで、眩しいほどに綺麗だった。

 その上にはケチャップでハートが描かれている。


「オムライスだぁ……!」


 妹が作ってくれるものはなんでも好きだが、その中でもオムライスが特に好きなのだ。

 そしてその横には、オムライスとは合わないであろう味噌汁も置かれている。


 美久里はテンションが上がりっぱなしで、もう死んでもいいと思えるぐらい幸せだった。


「オムライスも味噌汁もおいしー!」

「おねえ両方好きだもんね」


 美味しそうに頬張る美久里を見て、美奈は嬉しそうに顔をほころばせる。


 だが、少し複雑でもあった。

 ケチャップのハートの意味に、気づいていないのだろうか。

 気づかれたら気づかれたでものすごく恥ずかしいが、何も言われないのもモヤモヤする。


「ねぇ」


 美久里に声をかけられ、美奈はビクッと肩を震わせた。

 いよいよ気づいてもらえたのか。

 心臓が急に動きを速め、忙しなく活動している。


「これからも味噌汁作ってね。オムライスも」

「っ……それって……!」


 告白……いや、プロポーズの言葉のような煌めき。

 実際は、「とても美味しいからこれからもよろしく」というような意味合いだったのだろうが、そんなものどうでもよかった。


 美久里は、美奈を必要としている。

 そのことが重要なのだ。


「任せてよ! おねえのためにもっと頑張るから!」


 美奈はとても生き生きした表情で、美久里の想いに応えた。


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