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個性派JK☆勢揃いっ!  作者: M・A・J・O
第一章 高校一年生(一学期)
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第29話 みえ(美久里)

「えっ! 美久里ちゃんって妹いるんですか?」

「そうだよ。うち妹は面白くてたまに辛辣だけど可愛いんだよね」


 美久里は彼氏のことを話して惚気ける彼女のように微笑む。

 だが、萌花はすごく驚いた顔をしている。

 その様子を見て、自分に妹がいることがそんなに意外なのだろうかと美久里は思う。


「へー、美久里ちゃんって妹いるんだ〜」

「どちらかというと美久里が妹のイメージあったけどな」

「たしかに。姉っていうイメージはないっすね」


 美久里と萌花が話していると、みんなも話に入ってきた。

 たしかに美久里はしっかりしているわけではないし、妹に心配されることもしばしばある。

 美久里自身、自分が妹でもよかったのではないかと考えたこともある。


「美久里って色々うっかりしてるからお姉さんって感じはないよな」

「ひ、ひどいっ! わ、私だってやる時はやるもん……!」


 少しばかり失礼な朔良の言葉に、美久里は思わず見栄を張ってしまった。

 自分で自分の首を絞めた美久里を、襲うのは激しい後悔。


「じゃあ何か姉っぽいところがあるんすか?」


 美久里の見栄に気づいているらしい葉奈が、ニヤニヤしながら訊く。

 もう後に引けない美久里は、必死で考える。

 何か姉っぽいことをしたことがあっただろうかと記憶を探る。


「えっと……その……そうだ! 妹の帰りが遅い時は迎えに行ってるよ!」

「「「「へー」」」」

「な、なんでみんなそんなしらけた顔してるの……?」


 自分ではそれが姉っぽいと思っているらしい美久里。

 たしかに間違ってはいないだろうが、他になかったのだろうかとみんなは思う。


「いや、なんていうか……それって妹でもできそうじゃね?」

「……え?」

「そうだよね〜。姉だけの特権ってわけじゃないと思うよぉ?」

「…………え?」

「てことで、美久里は姉じゃないってことでいいっすね」

「ちょっ……! それはちょっと違くない!?」


 みんなに遊ばれ、美久里は見栄を張ってしまったことを後悔する。

 もう二度と見栄を張らないようにしようと、心に決めた。


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