表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
個性派JK☆勢揃いっ!  作者: M・A・J・O
第一章 高校一年生(一学期)
12/238

第12話 しすたー(美久里)

 萌花から聞いた話によると、この学校ではシスターが授業をすることがあるようだ。


 カトリック系の女子校なので、校内でシスターを見かけることはよくあるし、シスターが校門前で朝の挨拶をしていることもある。

 それだけでも貴重な体験なのに、その上シスターが授業!?


(す、すごいなぁ……)


 美久里はそんな在り来りな感想しか浮かばなかった。

 シスターが授業をすることに対して、小・中学校の経験からは考えられないことだから。

 イメージ出来ないし、なんだかすごく不安になる。

 初めての経験というものは、なんであっても期待と不安が入り交じる。


「はーい。席についてくださーい」


 そのシスターの姿は、聖母のようだった。

 シスター特有の清楚感や綺麗さが、オーラとして放たれている。

 この人が自分悩みを聞いてくれたら、それだけで心が軽くなるだろう。

 それぐらい、包容力が高そうに見える。


「では、授業を始める前にこれだけは言っておきますね」


 にっこりと微笑み、その人の周りに花が舞う。

 ……なんだろう、この人のオーラは。

 気を抜けば全てをさらけ出してしまいそうになる。


「皆さんにキリスト教徒になってくれとは言いません。強制も、もちろんしません。なので気軽に授業を受けてくださいね」


 この人の言葉は、無条件にすごく安心出来る。

 この人こそが聖母マリアなのではないかと疑ってしまうほどだ。

 あたたかくて心地よい優しげな声に、身を委ねてしまいそうにな――


「ですが、神は私たちの中におられます」


 ――……はい?

 このシスターは、今なんと言った?


「神に全てをさらけ出しましょう。神は私たちの全てを許してくださいます。さあ、さあ!」


 美久里や他の生徒たちの困惑を置き去りに、シスターはどんどん一人で突っ走っていく。

 そして、一番前に座っている生徒を巻き添えにするように、ずいっと顔を近づける。

 その生徒は突然のことに戸惑い、石像のように固まってしまった。


(こ、この人……めっちゃ変だ……!)


 そんなふうに、美久里と同じ感想を抱く人は一定数……というより、たくさんいるに違いない。

 シスターの授業というレア体験は、生徒に強烈な爪痕を残しながら幕を開けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ