爺さんを探せ!
ウルホルス街から出発する前に、食料と最低限の日用品を購入する。
野宿には変わりないが、少しは生活をしやすくなっただろう。
さてと、グロータル街へ向かうとするか!
グロータル街までは歩いてなら一週間程で着く。
爺さんに早く会いたいが、コロシアム闘技場での疲れが残っているので、ゆっくりと向かうことにした。
初日は天気が悪く、予定よりも進めなかった。
雨宿りができそうな洞窟を見つけたので、初日はここまでとしよう。
場所が何処であろうと修行はする。
修行といっても洞窟では広さに限界があるので、簡単な筋トレしかできない。
筋トレを二時間程してから、食事の支度を始めた。
ウルホルス街で購入した魚を包丁で三枚に下ろし、焼いて食べる。
魚を食べた後、寝るまでの間にもう一度、筋トレをしてから寝た。
起きると雨も止み、太陽が出ていた。
荷物をまとめて、爺さんのいるグロータル街へと向かう。
初日は天気が悪くて進めなかったが、二日目以降は順調に進めた。
ウルホルス街を出発してから六日が経った。
かなり順調に進み、グロータル街の近くまで来ていた。
ついに爺さんに会えるんだ!
そう思うと足が軽くなり、走り出した。
走り出した瞬間、横にある森から男性の悲鳴が聞こえてきた。
「うわぁぁぁぁ!」
「や……やめろー!」
悲鳴の数は一つだけではなかった。
俺は気になって様子を見に行く。
すると、俺と同じ歳ぐらいの女の子が複数の男達に囲まれていた。
女の子は黒髪のショートカットで、黒色の道着を着て、武術で男達を圧倒している。
男達も攻撃をするが、難なく避けて反撃をする。
女の子の武術はどことなく、俺や爺さんに似ている。
「あんた達、弱すぎるわ! 出直してきなさい!」
女の子が油断している隙に一人の男が、背後から剣で襲いかかった。
「調子に乗ってんじゃねぇ!」
油断していたので、反応できずにいる。
助けるつもりはなかったが、勝手に体が動いた。
剣を蹴りで弾き飛ばし、蹴りの勢いのまま、回し蹴りを顔面に食らわした。
「大丈夫か? 全員を倒し切るまで油断は禁物だぞ?」
「あ……ありがとう」
「今度からは気をつけなよ……そんじゃあ俺、急いでるから!」
特に何も話さず、グロータル街へと向かった。
グロータル街の城門の前に着いた。
ウルホルス街と同じで、街に入るには身分証を提示しなければならない。
俺は同じ失敗は繰り返さない。ウルホルス街を出発する前に身分証もしっかりと準備している。
身分証を提示すると、思っていた以上にすんなりとグロータル街に入れた。
街に入ると人の数は少なかった。どうやら、このグロータルの総人口は数千人程しかいない。
さらに殆どが武闘家のようで、武闘家が職業の人間なら必ず一度は訪れる街だ。
俺は街に入ってから、街の人に聞きながら爺さんを探した。
「マーシャル・ビリーという爺さんを探しているんだけど知らないか?」
街の住人は皆、揃えて言った。
「ビリー様に対して爺さんとは無礼だぞ!」
「お前みたいな人間が会えるお方じゃない!」
と、全く情報が集まらなかった。
それでも俺は諦めない!
とりあえず、グロータル街の中心部に行ってみることにした。




