告白
とある企画で初めの方の詩を書いたら、語り手の書いたものを書きたくなりできた作品です。
翼を折り畳んだのは傷つくことを恐れて飛ぶことを諦めたから
暗い瞳は闇ばかり見てきたから
緩むことのない口元は絶望しているから
でも、手は愛を綴っていた
貧弱な言葉を並べて紙を汚して
世界を変えようと必死だった
震えが文字を乱しても、言葉が尽きても、書き続けた
伝える勇気なんてないから叫ぶだけ
負け犬の遠吠えってやつがノートを埋め尽くすだけ
拝啓 愛しの君へ
気がつけば視界に君がいて、恥ずかしくなって急いで目を逸らすんだ。君が歩けばぼくの目も一緒になって動いて、なんだか不思議な気分。それに君がぼく以外の異性と話しているのを見ると苦しくて、吐きたくて、話し相手がものすごく憎い存在になる。
君のことで知らないこもがあれば無知の自分を呪ったし、ぼくだけが知る秘密があればどれだけ有頂天になれただろうか。
君の素直なところや気遣いのできるところ、整った容姿に透き通るような声、眩しいほど輝く笑顔、困難にも覚悟と勇気を持って立ち向かう姿勢とその真摯な瞳。
この世の唯一神にも思えるほど完璧で非の打ち所がない。犬も歩けば棒に当たるというが、その犬はきっと君のことを考えていたのだろう。馬が念仏に興味がなくとも、君の話を始めたら忽ち目を見開いて興味を示すだろう。
残念なことに、君の良さは誰もが知っている。だから、ぼくは君の真の美しさを作り出そうとナイフを握ったことだってあった。でも人工の死は美しくないと思い、すぐにナイフを置いた。君の穢れを探しても何もなくて、ただただ純粋で、余計に煩悩が増殖して逆効果だった。
もういっそのこと、想いを打ち明けようと何度思ったことか。打ち明けられたならどれだけ楽だったか。生き地獄にいるような気もした。なのに、君を見るたびに何故か救われた気持ちになる。
そして、今までの負の感情を全部洗い落とされて、世界が変わるのだ。自分の中で革命が起こり、夢から覚めたような――おそらく、この世界が夢なのだろうが――爽やかで心地よい快感に襲われる。もちろん、その別の世界に居られる時間は限られていて、元の世界に戻ればあの世界が恋しくなる。君は麻薬だ。見ただけで影響を及ぼす質の悪い麻薬だ。
ぼくを餌付けして飼い慣らすつもりなのだろうか。いや、そんなつもりはおそらく一切なくて、無意識でやっていることだろう。君は罪深き罪人。思わせぶりな言動でぼくの心を揺らし、麻薬のような中毒性がある。その上、ぼくへの興味は皆無。許せるわけがない。
君のような人がいたら世界が滅亡する。だから、どうにかしなければならない。手遅れになってしまう前に。一番悪いのは君に自由があるからで、自分勝手に動いて誤解をばら撒いていることが大きな原因なのだろう。
束縛、監禁、舌切り、殺人、爆破......。どれも意味を持たない。が、一つだけ方法がある。単純すぎる。簡単にできることではない。たしかに一石二鳥ではある。と思いつつこの手紙を書いている。君に渡せるといいな。渡せた時はお世辞でもいいから、棒読みでもいいから、褒めてほしい。いや、そんなことは後から頼めばいいか。それに、物事には順序ってものがあるから、初めに君に頼みたいことがある。
――ぼくのモノになってよ