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63話 希少価値

今回少し短めです。ご容赦ください

ドゥ当てるぞドゥ当てるぞドゥ当てるぞドゥ当てるぞドゥ当てるぞ(天丼)

 ベルフェロトから貰った金貨を換金するため、シオンとノエルは雨の中ギルドに向かった。傘のようなものは無いため、適当なマントやローブで濡れないようにしている姿がそこら中で見られる。


「……」



「どうしたの?立ち止まって建物見て」



「あぁいや、改めて見るとこの建物縦にもデカいなって。他の建物でもあって二階なのにギルドは三階かそれ以上あるっぽいし」



「あー、確かにそうね。でも何で急に?」



「んや、なんとなくそう思っただけで特に何も」



「…?まぁいっか。早く行きましょ、これ以上いても無駄に濡れるだけだし」





 二人がギルドの扉を開けて向かった先は鑑定所…ではなく外貨交換所。このギルドという組織では他国貨幣との両替も行っていて、その中には魔族の国も含まれている。


 現状ある国としてはプレイヤー達が今いるヘリヤ、その西にあると言われるアズフィドール、南の霊峰ケセドを背にしたゴスティエルニアなど、かなりの数の国が存在している。


 そして一部の国では同盟を結んだ他国との共通貨幣もあるのだが、それ以上に独自の貨幣を使う国の方が多い。そのためこうしてどの国にも属さない中立的立場であるギルドが両替を行っている。


「…なるほどな。じゃあ、これの両替をお願いします」



「え、割と大事な情報じゃなかったかしら今の。職員さん、後でまた聞かせてもらえますか?」



「えぇ、勿論。冒険者たるもの他国のことを知っていて損はないでしょうから。さてこれですね、…ん?」


 担当の鑑定瞳持ちの男が紐を解いてその中を見ると、すぐに珍しいものを見るような目つきに変わった。やはり魔族の、まして先程までこちらに侵攻していた国の物だとこのような反応になるのだろう。


「これ、ゴスティエルニアのですね?しかも金貨」



「その言い方だと、金貨以外にもあるみたいだな?」



「えぇ。銅、銀、金貨とありまして、それぞれG換算で100、1000、10000となっております。更に上には紅金貨もありますが、ここでは説明を省きます」



「この金貨って、そんなに高く値段つくの?確かに綺麗だけど…」


 ノエルがそう言うと、彼は綺麗であるだけでは無いんです。と言って一枚を摘んで説明を始めた。


「実葉この金貨、魔術的処理が施されていて安易に偽造が出来ないようになっているのです。どのような処理なのかですが、魔力を通してみるとこのようになるのです」



「おぉ、光るのか。…なんか浮かび上がってるな?」


 青白く光る金貨をよく見ると、側面には何やら文字のようなものが刻み込まれている。


「この側面に刻まれた文字も真偽の判断材料となっていまして、特にこれはゴスティエルニアのみで使われる秘匿技術のようです。……さて、それでは本題に移りましょうか」



「っと、そういえばこれが目的じゃ無かったわね。確か金貨一枚で10000G、だったかしら?」



「そうなりますね。……随分と重い袋なのでまさかとは思いましたが、この袋にあるもの全てそうなのですか」



「まぁ、そうなるな。確か全部で九十枚だったから…かなりの金額になるか」



「すみません、数を数えさせて頂きますので袋から全て出してもらえるとありがたいです」


 言葉の通り袋に入っていた金貨を全てカウンターの上に出すと、彼の持つ鑑定瞳特有の模様がうっすらと光を放つ。それ自体は三秒ほどで終わり、再び金貨は袋に戻されていく。


「九十枚、確認致しました。では換金ですが、1000G区切りの方がよろしいですか?」


 ここヘリヤで使われるGだが、最小10G硬貨、最大では100000G硬貨まであるのだが、最高額の硬貨は主に大規模な取引―――例えば希少素材やダンジョン産武具のオークション場など―――でしかほぼ使われないため、一般に使われても10000Gが最大となる。


 とは言え、その10000G硬貨を使うタイミングも武器防具を買う時が主である。そのためそれを使う者はそれなりの実力があるという認識がされている。


「どうする?俺はそれで良いけど」



「んー…10000G20枚、それと1000G100枚のセットを三つの方が良いんじゃないかしら?」



「ん?…あぁ、そういうことか。じゃあそっちで」



「では、そのように。少々お待ちを」



「……中々とんでもない金額だな」



「一人あたり300000G、ってことね。かなりLv上がったしこの資金で装備更新しようかしら」



「そういえば確認してなかったな、どれ。……マジかよ、72まで上がってやがる」



「私もそれくらい。どうする?明日にでも更新しに行く?」



「確か明日イベントの報酬受け取りが出来るらしいから、その後にするか」


 それから少しして、三つの袋に分けて入れられたGが二人の前に置かれた。


「どうぞ確認の程をお願いします」



「あぁ。…これ、『鑑定』でも中身確認できるか?」



「?お持ちであれば、そちらでも可能ですよ」


 その言葉になるほど、と返しながらもシオンは『鑑定』によって中身を確認していた。


__________________________________________

麻袋(内容物あり) 評価五



 1000Gが100枚、10000Gが20枚入った見た目とは裏腹に贅沢な袋。

盗まれないように注意しよう。


耐久値49/50

__________________________________________


「……よし、大丈夫だった」



「なんと、珍しいですね」



「いや、アンタの瞳の方がよっぽど珍しいだろうよ」



「それもそうですね、HAHAHA。ではご利用いただきありがとうございました。また珍しい外貨を入手したら来てくださいね」



「その時は宜しくね。…うわ、雨強くなってるじゃない」



「だな。そうだ、魔集月障(ルナ・マドレリア)を傘代わりに出来たりしないか?」



「贅沢な使い方ね…一応上に向けて貼れなくは無いから、やってみるわ」



「さて心許ないが俺も……『四ノ剣-上弦』、こうして…んーーー微妙だな…まぁいいか。そっちはどうだ?」



「お、おぉ…?意外といけるわね。私一人分くらいならカバーできるサイズなのねこれ」



「……走るか」



「ちょっと!?いや発動時間的に走った方が良いのはそうだけど!」


 その後帰宅した時に普段に増して不機嫌そうな顔をしていた事にノエルは気付いたが、本人に伝えない方が良いだろうと判断して黙っておいた。


__________________________________________


「…………」



「おーい?ルヴィス君?」



「あぁ゛ッ…!!レミア、足痺れてるの分かってやってるだろ!?あっやめてやめてあだだだだ…!」



「…(どうしよう、これ結構楽しいぞ?)」



「ちょっ、やめ……」

色々と設定に穴がありそうで怖い今日この頃。プロット/Zeroでやるから……


ゴスティエルニア紅金貨について

金貨百枚換算、つまり1000000G。国家間取引で主に使われるが現状国庫にある紅金貨は僅か十枚。それでいいのかゴスティエルニア

「ぶっちゃけ国内で大体どうにかなるのだから紅金貨要らぬのではないか?」


「人材確保などでも金貨での方が動かしやすいですからね。まぁギルド関連でしか使いませぬな」

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