43.5話 遺跡での謎
記念すべき50部分目ですが今回はシオン達サイドの話となります。
ドゥ当てました!ドゥ当てました!ドゥ当てました!(素振り)
「さて、ルヴィス君は行っちゃったけどシオン君達は何か予定はあるのかな?」
「いや、特に予定も無いが…俺はとりあえずLv上げでもするかって感じだな」
「私もそうね。確か今のLvだと効率的にはオズチ旧遺跡が良いはずだから、そこでやろうかなーって」
新たに剣を作ってもらうためにルヴィスが出た後、シオン達は突如大幅に差が出てしまったLvを埋めるためにレベリングをしようとしていた。
その場所に選ばれようとしているオズチ旧遺跡は、ちょうど35〜45Lvが適正帯となっている。そのためシオン達なら適度に倒しやすく経験値もそれなりにある、という事になるのだ。
「なるほどね。うーん、今は日が出てるから『不眠加護」はいらないかな?」
「そりゃあな」
「気になったんだけど、他にデバフへの耐性、というか完全無効化するやつってあるの?」
「勿論あるよ?まぁ、『即死加護』とかのあまり使われないやつもあるけど」
「…その加護があるってことは、即死系の何かを扱う敵もいるんだな?」
「うんまぁ、『深淵魔法』での例の禁術指定したあれとかー…よしこの話はやめにしよう!あれはほじくり返していいもんじゃないからね!」
「?まぁいいか、とりあえず麻痺治しとかのポーションいくつか買ってくわ。代金も置いとく」
「あー、あそこの敵確か麻痺持ち多いんだっけ…私も買っておこうかな」
「おっ、まいどあり」
その後買った分をアイテムボックスに入れた二人は、オズチ旧遺跡に向かって行った。
「いってらっしゃーい。…よし、私もあの箱の解析を進めようかな。いやー、管理人でも知らない事って割とあるもんだねホント」
「グギァ、ィイアァアアアアア!!!」
「「「「「ァァァァアアアアア!!」」」」」
「あぁクッソ、すまんノエル、また呼ばれた!」
「大丈夫!…負担になるかもだけど『深淵魔法』使ってもいい!?一気に仕留めたい!」
「分かった!『鬼化』、『集咆』!」
所々崩壊しかけた過去の住居などが散乱し、邪なるものが跋扈するオズチ旧遺跡。その深部手前の場所でシオン達は長時間の戦闘を強いられていた。
戦っている相手は痺小鬼と呼ばれる、麻痺毒が塗られた短剣を使い集団で襲い掛かるモンスターだ。
このモンスター、というよりゴブリン系列の特徴として、あと一体になったりした場合に叫ぶことが多い。そしてその直後には他の集団がリンクして襲って来るという非常に面倒な性質を持っている。
シオン達はこの行動を既に三回やられ、このままでは埒が明かないと判断したノエルが『深淵魔法』を使うことを決めたところである。一体あたりの経験値は他より多くはあるが、倒しきれなければ意味は無いのだ。
「掛かってこい、お前らの敵は俺だァァ!!」
「「「「「ギャギャ、グギェアァアアアア!!!」」」」」
「『魔族化』!〈闇より深く、光の全てを喰らい尽くせし深淵よ…」
「『四の剣-上弦』!クソ、微妙に使いにくいなこの盾!」
「―穿つだろう〉。退避!『深淵ノ滅槍』!」
「ぐっ!?『月跳兎』ォ!」
月に住まうとされる玉兎、それを思わせる跳躍力でシオンが退避した直後に痺小鬼の一体に黒よりも黒い槍が接触した。
そのまま周囲にいた他の痺小鬼や地面までもを巻き込みながら歪に膨張するモノは、半径四、五メートル程になった瞬間急激に圧縮され始め、とうとうバランスボール並の大きさにまでなる。
「よし、『崩壊』!」
そう言いながらノエルが指を鳴らすと、それは爆弾を凌駕する勢いで爆ぜる更に凶悪なモノになった。
その爆風と衝撃により周囲に転がっていた瓦礫や果てには折れた石柱のようなもの、どこかに潜んでいたモンスターまでもが粉微塵となり吹き飛ばされ、最終的に抉れた地面と痺小鬼達のドロップアイテムだけが残された。
「…なんか巻き込んだみたいだ、っと。やっぱ逃げる直前に麻痺もらったなこれ」
「うわ、てことは割と危なかったわね…麻痺もらうとたまに不発になることあるみたいだし」
「今回はセーフだったが、もし駄目だったら巻き込まれてたな…」
ドロップアイテムを回収しながらそんな話をしていると、ノエルが何かを思い出した。
「あ、そういえば前にあれ使った時に地面を芋虫的なのが修復してったんだっけ?あれの正体って結局分かってるの?」
「あー、確かどっかの掲示板でアレが何なのか調べてたやつがあったはずだ。ワームとかの単語入れて調べると出てくると思うぞ」
「へぇ。後で……いや、手っ取り早くて正確に分かる方法があるじゃないの」
「何?…あぁ、『鑑定』か」
「というか、前見たときにはしなかったの?」
「あぁ。あ、麻痺治し飲んどく…出てるじゃん」
その言葉に反応してノエルが抉れた地面の方を見ると、そこにはほぼ聞いた通りの見た目をしたモンスターが現れていた。
そのまま奇妙な動きをしながら周囲の瓦礫を引き寄せているところにノエルが『鑑定』を使うと、そこにはこう表示されていた。
修掃の■■ Lv???
双樹が僅かにでも自然修復不能な程の損傷を人為的に受けた場合に現れる。古くから存在していて戦闘能力は全くと言って良いほど無く、完全に双樹の修復のみに特化した存在。修復時の謎の動きにより崩壊した地形がほぼ元通りになるため、一部地域では守り神として崇められている。
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「………これは、どうすればいいのかしら」
「どれ、『鑑定』………とりあえず、攻撃はしない方が良いんじゃないか」
「うーん、それもそうね。ここまで分かんないこと尽くしだと無闇に手を出さない方が身のためなのかも」
二人が話し合っているうちに修復作業は終わったらしく、モンスターは再び地面に潜り去っていった。
改めて見ると、抉れた地面だけでは無く住居だったものの残骸などもある程度は元通りになっている。やはり完全に修復特化の存在なのだろう。
「そういえばLvは…上がってるな。しかも一気に2も」
「流石にあんな長いこと戦ってたら流石に上がるわよね。私も1上がってたし」
「良い感じだしこの調子でやってくか。もうちょい奥の方まで行くならそれでも良いが」
「いや、ここらへんが二人での最適じゃないかしら?これ以上ってなるとあと一人くらいは欲しいところだし」
「分かった。じゃあ、しばらくここでレベリングするか」
再び開始してから三時間後、二人はボス手前のセーフティエリアにいた。とは言っても戦う訳ではなく、安全に昼食をとったりするために来ているだけである。
ここオズチ旧遺跡のボスは古街防機鎧といい、その鈍重な見た目通り動きは遅い。
しかし時間経過も残存HPも関係無く唐突に戦闘スタイルを変える事から未だに撃破者は出ておらず、今も攻略班などがどうにかして何がトリガーで変わるのか分からないものかと突撃しては全滅してを繰り返している。
「何か分かった事は更新されたか?」
「んーにゃ、新しく追加されたのはねぇなぁ。んじゃま、私達もどうにかして情報引っ張り出しますかぁ」
「「「「了解!」」」」
「……リーダーは緩そうだけどしっかり統率取れてるんだな」
「たまーにいるわよね、見かけと違って実は凄い人」
「そういえばうちに司令塔的なやつっていないよな。まだ何とかなってるけどそのうち必要になりそうだ」
「そのうちがいつなのかって問題よね…あ、今日はどれくらい上げるつもりなの?」
「大体42くらいで切り上げて余裕あったら別の場所でやるか。今は40Lvだ」
「なるほどね。今私が41だから、そうした方が良さそうね」
「じゃあそろそろまたやるか。ここらへんの敵でもLv的に対応できたら良いんだが」
「まぁ、そこらへんはやってみるしか無いんじゃないかしら?」
謎の芋虫(?)の正体はまだ分かりません。どこかで何かしらの条件を満たせばもしかしたら、という感じです。
なお芋虫を殺そうとしたら何故かこちらが死んでいた、という某銀戦車もかくやという情報が掲示板で割と多発したため手は出さない方針になっているようですが……?




