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37話 報酬は怒りの味

久々にステ更新したらそれだけで1時間半以上かかるってどうなってるんですか(メモ帳と電卓と過去の話をひたすら行ったり来たりのにらめっこ)



※8/19 34話の前書きにも追記しましたが、戦疫の偽黒棘の固有スキル→固有戦技に変更となります。描写されていないだけで憤怒の薔魔人との戦闘前 (正確にはセーフティゾーンにいる時)にスキルによって使える技 (四ノ剣-上弦など)を戦技と呼称するようにアプデされていました。思考によるスキル発動もこの時に追加されました。


例を挙げると、スキル『月剣術-守』の中にある戦技が『二ノ剣-繊月』、といった感じです。

「うえぇ、やっぱ変な感触だなこれ……よし、そぉい!」


 憤激の薔魔人の討伐報酬である葛籠のような何かに再びルヴィスは腕を突っ込む。一つ目は実質外れのような物であったため、もしかしたらまたどうしようもないものが出てくるのではと内心不安になりつつ掴んだ物をゆっくりと引き抜く。


「んー?今度はなんか、防具っぽい感じだぞ……おっ!」



「おぉ、パッと見は軽鎧みたいだな。その箱みたいに肉々しい感じでもないし、むしろ見た目的にも割といい感じじゃないか?」



「確かに、胸部にある薔薇の意匠がいい感じね。性能とかはまぁ、ルヴィスが見た方が良いんじゃないかしら?私達で判断しても意味ないでしょうし」



「じゃあ、お言葉に甘えて…『鑑定』」


____________________________________________________

憤薔の軽鎧 評価七



 憤怒をその見に宿した魔薔薇の意匠が施された軽鎧。未知の素材で構成されており、花のように軽いが圧倒的な耐久性で装備者を守る。

 しかし忘れるなかれ、施されしは怒りの薔薇。決して怒りに呑まれる事無きよう注意、最悪の場合は……


装備時:攻撃+10、防御+140、敏捷+15、精神+35、固有戦技『逆上血牙』使用可能、精神攻撃耐性微低下


状態異常激怒時:攻撃1.1倍、精神0.3倍、?????


装備推奨Lv53


※推奨Lv未満の場合、固有戦技の封印処置&増加ステータスの半減処置が為されます。

____________________________________________________


「おおぅ……めっちゃ強いけど多分Lvが足りねぇ」



「どれどれ…うわ強っ、今最前線でやってるプレイヤーが使う軽鎧ってどれくらいだったかな。多分だがタメ張れるくらいの性能じゃないか?」



「今の最高Lvが確か最新情報だと60の大台に乗ったって言ってたわね。確かそのプレイヤーが使ってる装備が丁度軽鎧で、防御が+……170前後ね。十分強いんじゃないかしらこの防具」



「私的には精神攻撃耐性微低下とか激怒時のデメリットが気になるけどねぇ……そっち系をメタるポーションでも作ろっかな」



「装備する前提で話してるけど、俺の今のLv…そういえばアレ倒してから確認してなかったし見てみるわ。『オープン』」


 とてつもなく強い相手と戦ったとはいえ殆どリネア達が倒したようなものだからそこまで上がってもいないだろうと思いながらステータスを開いたルヴィスだったが、そこには想像と全く異なるステータスが表示されていた。


ルヴィス 男 Lv54  鬼種 職業:月剣人

HP 134/134 MP 58/58

攻 142 防 97

魔 116 精 72

敏 82 運 65

スキル 月剣術-守Lv9 鑑定Lv8 危険察知Lv9 初級盾術Lv6 料理Lv2 

固有スキル ピンポイント・ブレイカーLv1

種族スキル 鬼化Lv7

称号 管理人の友人(生・物魔・時) 魔術応用の親 怒リヲ裁キ討チシ者 穿憤

SP 84


「……………は?えっ、んぇ?えっ?マ?」



「どうしたお前急に変な声出し、て……えぇ?」



「どんなステになっ……前線プレイヤー並みのステになってるわねこれ……ま、まぁさっきの軽鎧も装備できるから一応良かったじゃない?」



「いや強くなったけどデメリットのがデカいから……この先三人で戦闘しようとしたら間違いなく能力的なズレが起きるから上手くいかなくなるぞこれ。どうしよう…?」


 ルヴィスはこの時忘れていたが、ラストアタックを行ったプレイヤーには戦闘終了後の経験値に多少ボーナスされ、全体取得経験値の十五%分が更に加算されるのだ。


 そのため、例えほぼ戦闘に参加していないルヴィスでもラストアタックを決めたことで少なくとも全体の十五%分の経験値を追加で貰えることになる。結果的に推奨Lvでも数Lvは上昇するような莫大な経験値を低レベルで入手し、ここまで劇的な成長を遂げてしまったのである。


「うわぁ、こりゃまた凄い成長だねぇ。Lv的な意味でどうにかするなら方法は一応あるけど、聞くだけ聞くかい?」



「こっちが下がる方法でもいいから教えてくれ…今更ぼっちプレイはキツいし嫌だ」



「今回は二人が上げる方法だけど…まぁアレだね、『不眠加護(スリーププロテクト)』かけてレベリングが一番手っ取り早いね」



「もうあの地獄のような作業は嫌なんだが……まぁ、考えとくか」



「正直反動が怖いのよねあのやり方……最高効率ってのは間違ってないかもだけど」



「ま、とりあえずその話は後でやろっか。さて気を取り直してルヴィス君、もう一つ箱が残ってるんじゃないかい?ほらほら、出して出して」



「あ、あぁ…ってヤバッ!あっ、とっ、トアアァーッ!?」


グチャアッ!


「「「あぁーっ!?」」」


 取り出された三つ目の箱は、ルヴィスが手を滑らせたことにより床に向かって落ちていく。どうにか落ちないように受け止めようとしたが、結局やけに生々しい音を立てて箱は潰れてしまった。


「うーわやっちまった…てかこの箱マジでどうなってるんだ。なんか血溜まりみたいになっちゃったんだけど、大丈夫かな」



「まぁ大丈夫だと思うよ?にしても不思議な性質を持つ箱だねぇ、空箱でも貰って構成物質の研究をしてみたいくらいだ」



「んー……んん?これ、まだ中に腕突っ込めるんじゃないか?潰れたつっても鑑定かけたら名称変わってないし、なんなら破損してるとかでもないっぽいぞ?」



「『鑑定』……確かにそうね、というか活性化しているらしいわよ?その箱だった物」


 ノエルにそう言われルヴィスも鑑定してみると、確かに説明文には衝撃が加わったことにより活性化していると書かれていた。


「活性化してるってことは、もしかしたらもっと良い何かがゲット出来るんじゃないか?そらルヴィス、やってみろ」



「確かにそうだな。防具が出たから次は扱える武器が欲しいなーっと、そぉい!……なんか、常温のハンバーグのタネに腕突っ込んでる気分だ」



「何その絶妙に分かりにくい例え…」



「いやだって実際そう、よし掴めた。って眩しい!すっげえ眩しいんだけど!?」



「もしかしたら、レアなアイテムってことじゃないか?血溜まりがめっちゃ金色に輝いてるし、期待しても良いだろこれ」



「キタキタキタアァァ!」


 金色の輝きを放ちながら引き抜かれたそれは、徐々にその姿を露わにしていく。そして輝きが収まったあとにルヴィスが手に持っていた物は……


「………なんでじゃあぁぁあ!!」



「おーおーこれはまた立派な…うっわクソ強いけど推奨Lvもめっちゃ高いな」



「『鑑定』……そうね、凄い強い武器であることに変わりはないわね。ただ、()ってことを除けば」



「んーどれどれ?うひゃあ、私が使ってる短杖に迫るくらい強いじゃないかコレ。まぁ、装備推奨Lvが98なのが大問題なんだろうけど」



「…畜生こうなったら防具の性能確認じゃあ!レミア、検証場使わせてくれ!カカシ役はクソ花で頼む!」


 そしてルヴィスは手に持った短杖をそっと地面に置いたと思いきや、未だにマトモな武器が無い状態であるのにそのまま検証場へと走り去ってしまった。見えなくなる寸前に戟蛇剣を右手に持ってはいたので、それでどうにかするつもりなのだろう。


「行っちまったな、あのLvだと慣れない武器でもオーバーキルしそうなもんだが」



「あぁ、そうかも知れないね。さてこの床にそっと置かれてた杖だけど、ノエルちゃんいるかい?」



「Lvが圧倒的に足りないわよ……はぁ、あの地獄みたいなレベリングするしかないのかしら」



「おっ、やる気になったのかい?ま、やるなら気軽に言っておくれよ」



「気軽にやれるようなもんじゃ無いけどな…とりあえずアイツの様子を見に行くわ。また無茶してそうだし」

ノエルの『鑑定』スキルは月魔術師になる前の気絶中にしれっとレミアが追加していました。多分本人も気付いています。


それと、戦疫の偽黒棘と憤薔の軽鎧とで評価の数字が違うのにはちゃんとした理由があります。



ラストアタック時の経験値について

例えば三人パテで全体に1000の経験値が配分されるとして、

Aに300、Bに500、Cに200入るとします。


この時ラストアタックをしたのがCとすると、Cはそこから更に150の経験値が追加で貰えます。つまりラストアタック分まで含めた場合

Aに300、Bに500、Cに350入ることになります。

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