23話 新たなる場所へと
GWはいかがお過ごしでしょうか。筆者は久々にGWが休みだったので全力で休みました。司馬懿欲しかったなぁ……
ここはアニスの森中層部、そこではある動物が人間達に追われていた。
「アイツどこに行ったか分かるか!?苦労して見つけたんだ、見失ってまた探すとかヤダよ俺!」
「どこにつっても、そこらへんの茂みに隠れてるだろう。手分けして探す……いや、こっちのがいいかも知れん。おーい!」
追われる動物は茂みの中に身を隠し、いつ見つかるかも分からぬ恐怖が身体を支配する。出来る事は人間達に見つからないように祈ることのみである。
「どうしたの?火属性魔術は火事になるから使わないけど?」
「あぁいや、今回は………」
「ちょっと待ってて。……うん、出来るわね。あとはその場から動かないでくれたら良いんだけど」
そしてその人間は何か―――確か詠唱と呼ばれるものを始める。そしてそれは全てを焼き焦がすような猛々しいものでは無く、優しい風に段々と吸い込まれていくような…………
「おぉ、ホントに指定した位置に吸い込まれてくんだな。あーでも、吸い込まれるというか引き寄せられてるのか?」
「正直こんなのどこに使いみちがあるのか分からなかったけど、こういう時に役立つのね。気性の荒いやつだったらここまで上手くいかないと思うけど」
「じゃあ、こいつを倒して終わりだな。結構大変だったな」
レミアから混乱鹿の素材が欲しいから四匹くらい狩ってきてくれないかと頼まれ、アニスの森中層部に来たルヴィス達三人は、そろそろ日が暮れるのでは無いかという時間になってようやく達成した。
この混乱鹿、ただでさえ数が少なく逃げ足が速いというのに、たまに混乱の状態異常にする鳴き声を発する。
そのため、追いかけては混乱して居場所を見失うという事が二桁に到達するレベルで発生していた。鳴き声自体は耳栓をすれば防ぐことは出来るのだが、それだと何かを伝えたい時に相手に聴こえないというデメリットも生じる。
「マジで恐ろしいわ混乱。かかったやつが急に変な方向に進み始めたり木に向かって攻撃スキルかましたりするんだもん」
「お前が木に生えてる実に向かって『鬼化』してまでスキル当てようとジャンプしてたのは笑ったわ」
「シオンも今までと逆方向に全力疾走しようとしてたからな?……ノエルがどうなってたか見たことないんだけど」
「私?私は耳栓してたから効かなかったのかも。一応それでもアンタ達は大声だったから指示は通ってたわよ?」
「でも足が遅いから基本最後尾だったな。後衛の弱点だからどうしようもなさそうだけど」
そんな話をしていた三人だが、このまま話し続けていても意味が無いのでさっさと帰ることにした。
「これが血液これが角、肝に魔石に眼球……おっ、混乱短角とは珍しい。運のステータスがいい感じに働いてるね!うんうん、ありがとう君達!」
「魔力を流した状態で拡声器みたいにすると聴いた相手が混乱状態になるらしいから気を付けてくれよ?ここの中でそんな事になったら大惨事だろうし」
混乱鹿からドロップしたアイテムを見ながら、レミアが満足気に頷く。どうやらこれを使って更に効果の高いポーションを作るらしい。
「そういえば君達は新エリアに行かないのかい?せっかく開放されたんだし、行ってもいいと思うけど」
「行ってみたいは行ってみたいんだけど、ここはどうするのよ?放ったらかして新エリアって訳にもいかないし、何より宿代が……ね?」
「あー、それなら心配しなくても大丈夫だよ。理由は秘密だけどね!」
と、ニヤニヤしながらレミアは言った。また何かやらかしたんだろうな……と思いながらも結局三人は新エリアへ行く為の準備をするのだった。
「と、いう訳で新エリアに続くダンジョンに来たわけだが」
「誰に向けての言葉だよそれ?というか……」
「これは本当にダンジョンなのかしら…?見た感じは完全に天然の植物園みたいね」
ノエルが言う通り、目の前には不自然なほど何も生えていない少し広めの道が続き、そこ以外に多種多様な植物が生えるという光景が広がっている。
このような光景であることは掲示板で事前に確認済みではあるが、実際に見てみるとその不思議さに圧倒される。
「ここに出てくる敵は……軒並み火属性に弱いんだったな。でも一定以上の熱、まぁ火でいいか。とりあえずそれに反応して反撃を仕掛けてくるやつもいるんだったか?」
「そうね。良くて種子が飛んでくる、最悪の場合そこに高威力の爆発が追加されるわ」
「話によると爆発は連鎖するらしいんだが?そうなったらどうしようもないから使うのは風属性魔術で頼む」
「威力がそこまで高くなかったりするのがアレだけど、分かったわ」
その後はルヴィスがヒマワリ型の魔物サーリフに何故かレーザー攻撃を受けて植物が犇めく場所に叩き飛ばされたりもしたが、なんとかボス手前の場所まで着いた。
ここでもボス手前はセーフゾーンになっていた為ここで三人は休憩を取ることにした。
「死ぬかと思ったわマジで。種飛ばしてくるかと思ったらレーザーかましてくるって何だよ……」
「でもなんか拾ってたよな?ほら、指輪的なの」
「そういえばボロボロの状態でなんか持ってたわね?今指に付けてるそれだっけ?」
「あーそうそう、この、魔植護の指輪?ってやつ。敏捷が10増加と、植物への知識が深まる?らしい。多分植物系の魔物へのダメージ増加かも」
正確にはルヴィスが落ちた先に偶然宝箱があり、それを開いて中身を掻っ攫ってきた、と言うべきではあるがこの魔植護の指輪はレア物である。
今のところプレイヤー間で使われるアクセサリー系装備は最大でも増加値は4から7辺り、トップランカーが持つ物ならば11以上増加するトンデモ性能だったりする。そのため極端に凄い訳ではないが今装備している攻撃が6増加するバングルよりは十分に強い。
「攻撃が少し下がるのはアレなんだけど、敵の攻撃避けやすくなったりするから差し引きプラスくらいかも。やってることが避け剣士とかいうアサシンもどきみたいなのだけど」
「あ、もし元々つけてたバングル使わないなら俺にくれないか?こっちのやつの増加値4しか無いんだわ」
「その増加値って今だと最低限レベルのやつじゃなかった?装備更新くらいは金落としときなさいよ」
「なんか使ったら減ってくのが嫌でな…まぁ、どっかで金使うだろうさ」
「ホントかぁ?さて、そろそろボス戦いくか?一応対策用アイテムも持ってきてあるし。結構したけど」
「そうするか。ここで死んでたらどうしようもないから、さっさと進もう。…何やらかしたのかも気になるしな」
「あーーー、そうだった、完全に忘れてたわね、その件。よっし、突破して新エリア行くわよ!」
「「おー」」
区切りがいいので若干短いですがここで。ここから先の構想を考えてない訳では……ありませんよ?はい




