17話 鬼と悪魔
「おぉ、あのロックタートルが面白いくらい楽に倒せる………!」
「やっぱり魔法ってすげぇな。あのクソ硬い甲羅なんて無かったかのように攻撃が通ってる」
「いや、アンタ達ホントに物理攻撃オンリーで倒してきたのね……亀相手だと無理ゲーにも程があるでしょ?」
「流石に一体倒してからは戦う前に逃げてたよ?あれ一体に三、四十分はかかったし」
「……たまにいるわよね、相手が耐性持ってる武器でタコ殴りにする苦行やる人」
ルヴィス達三人はリメヌ山で再びロックタートルと戦っていた。
今度はノエルが詠唱をしている間に二人がロックタートルの足止めをするという、プレイヤーの中では定石となる戦い方をした。
そして、詠唱を終わらせたノエルが放った『フレイムランス』がロックタートルの岩だらけの甲羅に直撃すると、あっという間に岩や甲羅が崩れていってその勢いで一気に倒してしまった。
「というか、魔法の威力も凄いよな?前に他のプレイヤーのを見たときは何発か魔法撃って倒してたはずだが」
「あぁ、それなら簡単よ。私がもらった"管理人の友人"だと魔力に20%加算されるらしいのよ。そっちは攻撃力に20%加算されたんじゃないの?」
「え?マジで?あの称号って仲良くなった管理人によって変わるもんなの?…あ、こっちは運に20%加算された。シオンもそう」
「攻撃力じゃなくて運が上がったんだ。…結構すごくない?それ」
「いや、普通がどんなもんなのか分からんからなぁ……」
シオンがそう言うと、ノエルは二人に普段クリティカルヒットする確率ってどれくらい?と質問した。二人は大体十回攻撃したら必ず一回は出てる気がすると答えると、ノエルは驚いていた。
「それ、やっぱり運の値が高いってことじゃない。魔法職は別として、普通なら十五回か二十回攻撃してやっと出るか出ないかくらいなのよね。バックアタックするなら話は別だけど」
「へー。効果あったんだなこれ……帰ってからもっかいステータス確認してみよ」
「あ、俺もそうするわ。というか、いっそのこと三人で誰がどんなスキル持ってるか確認した方が良いよな」
「それいいわね。私も気になってたし」
その後もある程度の連携の確認などをして、三人は帰宅した。
「じゃあ、どうする?一斉に開く?」
「それでいいんじゃないか?開いたまま維持するのにデメリットがある訳でもないし」
「オッケー。じゃあ、せーの…」
『『『オープン』』』
ルヴィス 男 Lv17 鬼種
HP 50/50 MP 21/21
攻 64 防 48
魔 42 精 27
敏 35 運 16
スキル 初級剣術Lv6 鑑定Lv6 危険察知Lv4
種族スキル 鬼化Lv5
称号 管理人の友人(生・物魔・時) 魔術応用の親
SP 0
シオン 男 Lv17 鬼種
HP 47/47 MP 21/21
攻 67 防 48
魔 42 精 27
敏 35 運 16
スキル 初級剣術Lv6 鑑定Lv6 料理Lv6
種族スキル 鬼化Lv5
称号 管理人の友人(物魔・時) 魔術応用の親
SP 0
ノエル 女 Lv21 悪魔種
HP 35/35 MP 69/69
攻 25 防 25
魔 84 精 35
敏 25 運 12
スキル 初級魔術Lv9(火・風) 初級支援魔術Lv2
種族スキル 魔族化Lv4
称号 管理人の友人(物進・物魔)
SP 0
「……なんか増えてるんだけど」
「だな。管理人の友人って、もしかして人数によって効果増えたりするのか……?てかお前三人…」
「いや、それもそうだけど、アンタ達なんで『鑑定』スキル持ってるの?確か超低確率でダンジョンにスキブが入ってるらしいけど、まさか!?あ、スキブってのはスキルブックのことね」
まくしたてられるように問われ、二人はどう答えれば良いのか悩んだ。なにせレミアからいきなり貰ったスキルなのだから、説明のしようがない。
「あー、それは……どう答えればいいんだろう?」
「何か後ろめたい事でもしたの?だとしたら……」
「あぁ待て待て待て、分かった、話すけど後悔するなよ?」
「聞いたら後悔するような内容なのね……分かったわ、覚悟はしておく」
そして覚悟をした(はずの)ノエルに、二人は同時に真実を告げた。
「「何かわかんないけどレミアから急に貰った」」
「…………マジで言ってる?貰った理由も分からないの?」
「あぁ、マジで何故貰ったか分かんない。……じゃなくて、他のスキルとかも見てかないと」
「それもそうだな。じゃあ『鑑定』についての話はここまでで。……というかその悪魔種って何だ?レア種族なのか?」
シオンがそう聞くと、ノエルは若干自慢げに話しだした。
「これはね、ランダムで選んだらうまいことレア種族になれたのよ!しかも私がなりたかった悪魔に!どう?いいでしょー!」
「確かに羨ましい。俺らも一応レア種族だけど、なんか埋もれがちな気がするからなぁ」
「して、その魔族化ってスキルはどんな感じなんだ?」
「えーっと、はい。これが効果よ」
魔族化Lv4 パッシブ&アクティブスキル
・MPと魔力のステータスにLv1〜4で20%、Lv5〜9で30%、Lv10で50%加算 (パッシブスキル)
・戦闘中一回のみ自身の魔力ステータスを二倍し、『深淵魔法』を使えるようになる。Lv1〜4で三分間、Lv5〜9で五分間、Lv10で七分間が限度 (アクティブスキル)
「……めっちゃ強くない?特にこの『深淵魔法』ってやつ、名前だけでもヤバそうって分かるんだけど」
「俺らの『鬼化』でもLv10で最大時間五分だぞ?やっぱレア種族にもランクみたいなのあるのか?」
「かもしれないわね。で、問題はこの"管理人の友人"な訳だけど…」
「あ、じゃあこっちのも確認しとこう。どんな違いがあるのか気になるし」
そう言ってノエルとルヴィスが詳細を開いた。
称号 管理人の友人(生・物魔・時)
・運のステータスに25%加算&Lv上昇ごとに運のステータスが1増加する&?????????????
称号 管理人の友人(物魔・時)
・運のステータスに25%加算&Lv上昇ごとに運のステータスが1増加する
称号 管理人の友人(物進・物魔)
・魔力と運のステータスに20%加算する
「………?こうやって見るとやっぱりとんでもない称号だなこれ……てか、効果増えてない?」
「生とか動ってのがなんなのか気になるが……まぁ良いか。取り敢えずどの管理人でどんな補正がかかるのかは分かったし」
「魔力と運が20%増加ってのもあれだけど、アンタ達のLv上昇ごとに運が1ずつってのも中々とんでもないわよね……そういえばさっきから気になってたんだけど、その"魔術応用の親"って何?」
「あーー……これまたヤバい補正のやつなんだよな。レミアが関わってくる感じの」
「えぇ……?まぁいいわ、どんな補正がかかるのよ?」
「魔力二倍」
何事も無いような感じで言ったシオンだったが、その言葉の威力は凄まじいもので、ノエルは動かなくなってしまった。
「やっぱこうなるか。まぁ魔法使う人からしたらとんでもない効果だからなこれ」
「………ハッ!?ちょ、何そのとんでもなく羨ましい効果!?欲しい!すごい欲しい!」
「落ち着いてくれノエル!俺らも狙ってやった訳じゃないんだから、多分無理どうしようもない!というか………」
「落ち着いたか?……前にもこんな事があった気がする」
「えぇ、取り敢えずどうしようもないってことは分かったわ。……アンタ達って、もしかして奏夏と紫園よね?落ち着かせ方といいなんといい」
唐突にノエルが放った言葉に、今度はルヴィス達が驚かされた。まさかこちらで他人からその名前で呼ばれるとは思いもしなかったのだ。
「え?まさかお前って……雪音か?あの研究バカの?」
「言い方酷くない!?てか私ってそんな風に見られてたの!?」
「少なくとも俺達以外の奴らもそんな感じの認識だったぞ?逆にこっちにお前がいるのに驚いてるよ」
そう言ったシオンだったが、ルヴィスが言った研究バカという言葉にだいぶショックを受けていたようで、ずっと何かをブツブツと呟いていたため、再び元に戻すのにまた時間がかかった。




