哀しいお芝居
もし、戻せる時があるのなら、あの人をこんな痛みに苦しませたりしなかった?
「今日は逢えないかな?」
「……ごめん。」
電話越し、何度も繰り返した答え。
その度、そう、と答える人。
酷いよね。
優しさに、付け込んで、傷つけた。
自分が悪いと知っていながら、あなたに嘘を重ねた。
「どうしても、話したいことがある。」
その言葉を待っていたなんて、あなたは知らない。
ただ、失うのが嫌で、奪われてくのが嫌で。
只の独占欲の為に、
恋
という偽りの名前を付けた。
振り向いてくれない人。それがあなた。
その悔しさに錯覚させて、全てを騙した。
自分の心さえ、偽って。
たとえそれが、あなたを傷つけると知っても、偽りの
“ときめき”
は止められなかった。
「ずっと、聞きたかったんだ。」
恋の終わり?
そんな綺麗なものじゃないの。
晒け出した醜さの成れの果て。
愛することなど出来ないのに、
『愛してる』
と囁けた哀しさ。
「俺は……、」
微かに震えている声。
人差し指でその唇を塞ぐ。
“ごめんなさい?”
言うつもりなんて無いの。
言える訳ない。
私の謝罪こそが、あなたの過ちを決定付けてしまうから。
気付いてしまうから。
私によって道に迷っていたことに。そんなことなら。
「もう、分かったから。」
その前に終わりにしてしまおう。
私の手で、お芝居の幕を引こう。
私の内側で、
『その台詞じゃない』
と、誰かが叫び出す前に。
あなたに何も。
聞こえない内に。
「さようなら。」
“大好き”だった人
次に逢うのは、何時?
何時だって構わない。
そんなことが大事なんじゃない。
願うのは、
あなたの傍にいてほしい“人”のこと。
私に出会ったことすら思い出せないくらいに、
心から、
「愛してる」
と囁いてあげられる人が。
お久しぶりです。やっと書くことが出来ました。今回は最近、私自身が少し悩みがありまして、それを文章にしています。私的なもので申し訳ありませんが、読んで頂けて嬉しいです。ありがとうございます。




